もはやYM名物=投票でモノ申す!!
ユーロ5時代に向けたニューモデルラッシュの陰で、長い歴史を持ちながらも消えていくマシンたちがある。最近だと43年の歴史を誇るヤマハSR400の終了が大きな話題となった。そして今度はSRに匹敵する30年の歴史を持つ偉大なマシン・ホンダCB400SF/SBの身にも…? 我々ヤングマシンとしては、『祈・存続! CB400勝手に総選挙』を開催することによって、消滅断固反対の意を表したい。
―― CB400シリーズ存続には、ユーロ5対応コストを回収できるかがカギだ CB400SF/SBディスコン反対! これだけの理由 CB400シリーズヒストリー:丁寧かつ実直な改良を重ね続ける 『祈・存続! 勝手にCB400総選挙』なんとしてもCBの市場を拡大させてあげたい! [候補1] スーパースポーツCBR400RR案:打倒25R! 高性能アジア戦略機 [候補2] ネオクラシックCBX400F案:日本市場向けのテッパン企画 [候補3] スポーツツアラー現行型進化案:ヨンヒャク界の最強ラクっ速に! “勝手にCB400総選挙”投票期間は5月23日まで!
CB400シリーズ存続には、ユーロ5対応コストを回収できるかがカギだ
ホンダのCB400スーパーフォア/スーパーボルドールが、ついに生産終了となる方向で検討されているという情報が舞い込んできた。心配していたことがいよいよ具体的になってきたか、というのが我々の感想だ。
というのも、兄貴分のCB1300シリーズこそ’21モデルでユーロ5に対応した新型になったものの、400は’19年末にシルバーの受注限定色が発表されたのを最後に、現在に至るもその後は何の動きもない。ご存じのとおり継続生産車は’22年11月をもってユーロ5相当の環境規制に対応しなければならない。まだ1年半の猶予があるとはいえ、前倒しで続々と新規制に対応したマシンが登場しているのを見れば、心配するなという方が無理のある話だ。
―― 【HONDA CB400 SUPER FOUR/SUPER BOL D’OR】現行型はSF/SBともに往年のCBX400Fを思わせる赤と青、それに単色ブラックのカラーリングをまとい’18年11月に登場。全車ABSが標準装備となり、SBにはグリップヒーターとETC2.0車載器が標準装備されている。■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 56ps/11000rpm 4.0kg-m/9500rpm ■車重201kg(装備) ■タイヤF=120/60ZR17 R=160/60ZR17 ●価格:88万4400円~/104万600円~ ※諸元はSF [写真タップで拡大]
今回入手した情報も、そのユーロ5を通すコストが最大の理由となっている。一説によると対応だけで必要な開発費は億単位。それを400ccというほぼ日本だけのガラパゴス市場で回収できるのか、という当然と言えば当然の議論が交わされているようなのだ。もちろん開発コストは車両価格にも跳ね返ってくる。が、やはり4気筒は高い。現行でもネイキッドのスーパーフォアでは88万4000円~。カウル付きのスーパーボルドールに至っては104万5000円~とついに大台を突破して、メインユーザーになるであろうエントリー層にはおいそれと手が出せない価格帯になっている。そこからさらに価格が上昇して、市場性があるかと問われると、なかなか難しい案件だろう。
それでも、だ。CB400は日本車のアイデンティティとも言える”並列4気筒”を搭載し、しかも30年近くホンダがたゆまぬ改良を続けてきた珠玉のマシン。エンジンの爽快感や完熟きわまった操縦性、磨き上げられた乗りやすさや完成度では未だ同クラス他車の追随を許さず、筆者などはスチャッと緻密かつ気持ちよく入るシフトフィールに、設計技術だけでなくホンダの生産技術の高さまで感じてしまうほどだ。
CB400は”1台のバイクを育て続けること”の重要性を教えてくれる存在であり、今後こういったバイクが2度と出てこないのは明白。なくしてはいけない日本車の1台、ホンダを象徴する1台として継続すべきだと我々は考えるのだ。価格が高いとはいえ’20年は2231台を販売し、400ccクラスではランキング3位と実は堅調。まだまだ多くの人に必要とされている。
CB400SF/SBディスコン反対! これだけの理由
◆[理由1] 現行唯一の400cc直4
◆[理由2] ベテランも唸る超完成度
◆[理由3] 教習車にもなる扱いやすさ
◆[理由4] 今も堅調に売れている
スーパーボルドールが100万円越えした今でも、実は400ccクラス3位と売り上げは堅調だ。この台数は大型クラスで売上2位のハーレーダビッドソン・スポーツスター1200シリーズの2353台にほぼ匹敵。国内での需要はまだまだ高いと言える。
‘20年 251~400ccクラス販売台数 ※二輪車新聞調べ
1 カワサキ ニンジャ400/Z400:2630台
2 ヤマハSR400:2450台
3 ホンダCB400SF/SB:2231台
4 ホンダCBR400R/400X:1880台
5 ヤマハYZF-R3/MT-03:1620台
CB400シリーズヒストリー:丁寧かつ実直な改良を重ね続ける
CB400SF/SBシリーズ約30年の歴史は、CB-1の後を受けて初代が登場した’92年まで遡る。それから約30年。丁寧かつ実直な改良で動力性能とハンドリングを磨き続け、誰しもが400クラス最高峰だと認める玉座に君臨する。
―― 【’92:ネイキッド全盛時に登場】初代は”PROJECT BIG-1″としてCB1000SFと同時開発され、こちらが先にデビュー。ネイキッドブームで先行していたゼファー400から人気を一気に奪い取ってしまった。
―― 【’99:ハイパーVTEC装備】初代のNC31系も年々熟成を重ねていたが、’99年にフルチェンジで型式もNC39に。最大の目玉は何といってもバルブ切り替えシステム・ハイパーVTECの採用だ。
―― 【’03:IIを経てSPEC IIIへ】’99では6750rpmだったハイパーVTEC作動域を6300rpmに下げたIIを経て、さらに熟成したIIIに。この間にブレーキキャリパーなどもグレードアップ。
―― 【’07:FI装備のRevoに】排ガス規制の本格化でFI化。その電子技術を利用してハイパーVTECは回転数だけでなくアクセル開度も見るようになった。型式はNC42に切り替わっている。
―― 【’17:パワーUP&LED化】ユーロ4相当の国内規制に対応した現行ベース。SFのヘッドライトはLEDとなり(SBは’14から)、前後サスペンションもさらに熟成。馬力自主規制が解けて+3psの56psに。
『祈存続!! 勝手にCB400総選挙』なんとしてもCBの市場を拡大させてあげたい!
絶対に消滅させてはならないと我々ヤングマシンが切に訴えたい日本の宝・CB400シリーズ。しかし、訴えるだけなら誰でもできる。「だったら対案を出せ!」と言われてしまうのが最近の世間の風潮だ。ならば対案を出しましょう! ということで、ここからはCB400存続に向けた、YMお得意の妄想提案だ。
上でも述べたとおり、ユーロ5に対応した新型CBを出すためのネックとなるのが、その開発コストとガラパゴスな市場の狭さ。これを克服しない限り突破口は見出せない。そこで考えたのが、まずは最近のバイク開発においてはおなじみとなったバリエーション化で車種を増やすことにより、開発コストを平均化して吸収する方法。本誌が考えてみたのが下の3案だ。ネイキッドのスーパーフォアを軸に、フルカウルスポーツ/ネオクラシック/スポーツツアラーで幅広いユーザー層をカバーする。
―― 【今やマスト=”派生機種”で需要を掴む】ひとつのエンジンやひとつの車体で数機種を作り、コストを分散させるのはもはや常套手段。ホンダもCBR250Rの単気筒をネイキッド/クルーザー/トレールと3ジャンルに派生させた。その他にもアフリカツインのエンジンを転用したレブル1100を登場させたばかり。CB400でもぜひ!
そして、もうひとつは世界に打って出る拡大策だ。従来の考え方であれば、手堅いのは排気量を400から上げる案。かつてのCBX400Fは、海外では550Fとして展開していた。CBX400Fのボア×ストロークは、現在のCB400と同じ55×42mmでボアスト比は0.76。これが550Fだと59.2×52mmで0.88だった。
新CBを現行エンジンベースで開発するなら、コストを抑えるためボアはそのままにストロークをアップ。+6mmだと排気量は456ccとなり、欧州でもなじみのある「500」をなんとか名乗れるだろう。これでボアスト比は0.87と、550Fと同等近辺。我々は設計は素人なので実際にこれがいいかは不明だが、ボアスト比だけ見ると直4らしさは十分出せそうな気がするし、何より最近の設計現場はロングストロークブーム。現在の技術を持ってすれば行けるのではないかと妄想する。
もっとも、そんな開発コストがさらにかかる道を選ぶよりも、カワサキがニンジャ250&400をタイでも展開しているように、400でも新たな価値観を提案できれば受け入れてもらえることは証明済み。特にフルカウルの400直4案は、将来的にZX‐25Rでは飽き足らなくなった東南アジアのライダーに刺さる可能性が大いにあるだろう。
…といったところで、CB400を消させないためにもアナタが欲しいと思った新CB案を「勝手に総選挙」にて投票してほしい。皆の声が日本の宝を守ることにつながるかも?
―― 【”勝手に総選挙”は3回目】次世代CB(’20年12月号・左)、ハンターカブに続く復刻125(’21年3月号・右)、そして今回と本誌名物になりつつある”勝手に総選挙”。まだまだやるヨ! [写真タップで拡大]
[候補1] スーパースポーツCBR400RR案:打倒25R! 高性能アジア戦略機
インドネシアやタイ市場も狙った超ハイスペック戦略機。アジアのフラッグシップモデルとして再構築する案だ。ZX-25Rは250ccでその市場を狙ったが、そこに400で殴りこむ。アジアのレースは250の次が600。レースの階段形成にも使える。フラッグシップとレースの両面から台数を拡大する狙い。もちろん日本でも普通免許ユーザーや大型からダウンサイジングを考えている人を狙い撃ちだ。
―― CB400総選挙[候補1] スーパースポーツCBR400RR案 ※イメージCG
―― 【先祖返り!?】現行CB400の直4エンジンは、元をたどればレーサーレプリカのCBR400RR。30年以上を経て再びスーパースポーツに返り咲くのもアリ?! ※写真は’90CBR400RR
[候補2] ネオクラシックCBX400F案:日本市場向けのテッパン企画
とはいえアジア、特にインドネシアは新型コロナの影響で経済が後退中。そこで日本での需要を爆発的に拡大する案として、CBX400Fの復刻を提案。いわずもがなCBXは超プレミア絶版車の最右翼であり、極上車は数百万円ともはや手の届かない存在。そこでCB400をベースに復刻すれば、Z900RSの大ヒットのように日本では間違いないと言える商品。ホンダ自身もハンターカブを復刻ヒットさせたばかりだ。
―― CB400総選挙[候補2]ネオクラシックCBX400F案 ※イメージCG
―― 【高嶺の花すぎる】欲しがる人は後を絶たないのに、もはや札束が立つくらいじゃないと買えないCBX400F。モノサスにしてガワを変え、エキゾーストパイプをクロスさせればかなりイケそう? ※写真は’81CBX400F
[候補3] スポーツツアラー現行型進化案:ヨンヒャク界の最強ラクっ速に!
本丸であるCB400もさらなる進化を望みたくなる。SS/ネオクラとくれば、残るはスポーツツアラー。スーパーボルドールの装備をさらに充実&進化させ、400クラスで販売好調のニンジャ400を追撃するラクっ速ヨンヒャクとする。CGはDCTまで装備した超プレミアム400という案。リーズナブルな2気筒のCBR400Rと共同戦線を組み、ニンジャ400を上下から挟み撃ちだ!
―― CB400総選挙[候補3]スポーツツアラー現行型進化案 ※イメージCG
―― 【Ninjaを挟撃セヨ!】ホンダCBR400R
“勝手にCB400総選挙”投票期間は5月23日まで!
もっとも望まれているCB400派生機種はどれ? 4月23日から約1ヶ月間、WEBヤングマシンで人気投票を行います。投票の結果、1位になっても発売はお約束できませんが、皆さんの声は必ずホンダに届けます!
投票の方法は、(1)ヤングマシンメンバーズ無料会員として投票する、(2)メンバーズ登録しないで投票する、の2通り。奮ってご投票ください!
―― YMメンバーズ会員として投票する
―― YMメンバーズ会員登録せずに投票する
※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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