はじめに
1976年6月に発売されたフォルグスワーゲン・ゴルフGTIがホットハッチの元祖だという説には議論の余地があるものの、世界的に名の知れたハイパフォーマンス系サブブランドのひとつがここからはじまったことは、誰もが納得するところだ。
【画像】写真で見るフォルクスワーゲンID.4とライバル 全16枚
高性能モデルの名門ともいえるフォルクスワーゲンのGTIは、BMW Mを上回る45年以上の歴史を持つが、生み出してきたモデルの数はわずかだ。
対して、今回取り上げるクルマは、今後長く続き、ウォルフスブルクにおいてGTIより大きな意味を持つことになるだろうサブブランドの幕開けを飾ることになるだろう。フォルクスワーゲン初の、完全電動パフォーマンスモデルには、GTXの名が与えられた。
これは、拡大解釈すればGTIブランドからの派生だ。2014年に登場したゴルフVIIのGTEや、2012年の5代目ポロに用意されたブルーGT、はたまた1982年に遡るゴルフGTDといったモデルたちと同じ手法だといえる。
フォルクスワーゲンは、ゼロエミッションなファミリーカーの最新モデルを発表するにあたり、こんなことを言っている。「サステナビリティとスポーティさが、別々のものである必要はない」と。
その訴えはもちろん、テスラやポールスター、はたまたBMWなどがここ最近で市場に投入したスポーティなEVに興味を持つ顧客層へ向けたものだろう。それでもそうしたユーザーは、フォルクスワーゲンは電動パフォーマンスカーを単発的に用意しただけで、ここからシリーズ化されていくとは考えないかもしれない。
そうであっても、ウォルフスブルクがそうしたコンセプトを打ち出す場合、それが衝動的なもので終わることは多くない。今回もそうなるに違いない。GTX仕様はクロスオーバークーペのID.5から、コンパクトカーのID.ライフまで、IDシリーズに広く用意されるというのがもっぱらの噂だ。
そんなGTXのバッジをリアエンドやシート、さらにはステアリングホイールにまで掲げるモデルは、どういった種類のエキサイティングな走りを味わせてくれるのか、それを今回のID.4では探ってみたい。
GTXの名は、単にフォルクスワーゲンの最新グレードのひとつに過ぎない程度のものなのか。それとも、正真正銘のスペシャルさを感じさせる、際立ったクルマだと思わせるものに仕上がっているのだろうか。
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
まず、このID.4 GTXで大きなトピックといえるのが、フォルクスワーゲンのEVでははじめて、四輪駆動の利点を活かしたモデルだということ。これは、フロントに非同期モーターを追加したおかげだ。
フォルクスワーゲングループには、MEBプラットフォーム登場以前に4WD電気自動車を実現したブランドもあるが、フォルクスワーゲン自身がそれをするのは、このGTXが最初のケースだ。ゴルフRがいかに成功したかを考えれば、これは非常に意義深いことだと思える。
フロントに積んだパフォーマンス重視のインダクションモーターは108psを発生。リアの永久励起同期モーターは、より高効率でパワーデリバリーが一定していて、日常使いに向いている。この2基を合わせて、最高出力は299ps、最大トルクは48.1kg-mに達する。
ID.4のラインナップにおいてすぐ下のグレードに対し、アウトプットはほぼ倍となる。ただし、モーターとギアボックスが2基ずつ備わるため、車両重量はもっとも重い2149kgとなっている。
とはいえ、一番重量がかさむのはやはりバッテリーだ。リチウムイオン電池の実用容量は77kWhで、航続距離はGTXが484km、装備を拡充したトップグレードのGTXマックスが468kmと公表されている。
つまりID.4は、一番高価な仕様が一番長い距離を走れるわけではない。その点で最上位にあるのは、518km走行可能なシングルモーターのID.4ライフ・プロパフォーマンスだ。
このGTXの重い車体を支えるのは、通常モデルより15mmローダウンしたスポーツサスペンションだ。ただし、前マクファーソンストラット/後5リンクという基本的な形式に変更はない。GTXの標準装備はパッシブダンパーだが、テストしたGTXマックスには調整可能なダンパーのDCCが備わる。
またGTXには、ゴルフのGT系モデルで導入されたブレーキ式擬似LSDのXDSがフロントに装備される。ESPシステムがホイールスピンを感知すると、それを抑えるようにブレーキが掛かり、LSDと同じ働きをするデバイスだ。
それらのメカニズムすべてを協調させるのが、新開発のヴィークルダイナミクスマネージャーだ。駆動力配分やダンパーの挙動、XDSの効き具合などを、このシステムが司る。
ルックス的には、おとなしいがどこかマンガチックなデザインで、その点ではID.3に通じるものがある。しかしGTXは、低くなった車高と大径ホイール、スポーティなディテールにより、通常のID.4より存在感が多少増している。
サイズ的には、BMW3シリーズなどのDセグメントセダンよりやや短いが、幅はワイドになっている、といったところだ。
内装 ★★★★★★★★☆☆
エクステリアと同様に、キャビンの雰囲気も先行して登場したID.3に似ているが、ティグアンなどこれまでのフォルクスワーゲン製クロスオーバーに比べるとラディカルだ。
トランスミッショントンネルや、スイッチがズラリと並んだセンターコンソールは、ID.4の室内に存在しない。左右席間の深さがある収納コンパートメントから、ドリンクホルダーの台座が伸びているだけだ。
計器盤の役割を担うのは小さなデジタルディスプレイで、バイザーはない。三角窓や比較的低いスカットルと相まって、広い前方視界を確保できている。GTXマックスのような上級仕様にはパノラミックルーフが備わるので、車内には光がさんさんと降り注ぐ。
このキャビンは、どことなく安心感のある親しみやすさを持ちながらも、先進的なフィーリングだ。たとえ、なじみのあるスイッチ類をほぼすべて排し、直感的でないタッチ式コントロールに依存しようというフォルクスワーゲンの判断が、全面的に成功しているとはいい難いとしても。
また、造形で広く見せるようなトリックは用いていない。内燃エンジンの競合車に比べれば、室内スペースは掛け値なしに広い。フラットなフロアとコンパクトなパワートレインにより、前後席間の距離も大きく取れる。
ルーフラインはフォードのマスタング・マッハEほどスロープを描いてはいないので、背が高い乗員でも楽に過ごせるだろう。これより後席が広いのは、ヒュンダイ・アイオニック5くらいだろう。なにしろ、BMW X5よりもホイールベースが長いのだから。
とはいえ、60:40分割可倒式の後席が、スライド機構と40:20:40の3分割式だったらもっとよかったのだが。荷室容量は543Lで、このクラスでは一般的なサイズ。ちなみに、マスタング・マッハEはだいぶ小さくなって402Lだが、ID.4と同じプラットフォームがベースのスコダ・エンヤックは580Lにも及ぶ。
ここまでの要素は、ID.4のどの仕様にも当てはまる。それに加えてGTXには、目立つステッチとグレード名のバッジが与えられる。さらにマックス仕様には、トップスポーツ・プラスと銘打ったシートが備わる。ゴルフRのシートと同様のデザインだが、アジャスト機能は拡充され、マッサージ機能も追加されている。
じつによくできたシートで、アートベロアという名称のマイクロフリース表皮はほどよくシリアスなルックス。とはいえ、インテリアにこれ見よがしなスポーティさを吹き込むほどではない。ほとんどどこを見ても、GTXの室内はきわめて普通だ。
走り ★★★★★★★☆☆☆
電動車の直線加速性能は、数字だけにとらわれすぎだと批判されがちだ。われわれもそれには賛同する。その理由は、しばしば数字以外に語ることがないからだ。
電気モーターはレスポンスが素早く、パワーデリバリーは驚くほど一定だが、個性に欠けるところがあるのもまた事実だ。それゆえ、2台のライバル車を比較する際、差別化ポイントは数字しかない。スペック表においても、路上での刺激においてもだ。そして、数字は数字以上の意味を帯びるようになる。
これはフォルクスワーゲンがことさら熱心に、自社でもっとも重要なEVのフラッグシップバージョンの加速へ、いくばくかのリアルな刺激を与えようとしたことを意味すると考えるかもしれない。
ところが、テストコースでの0−97km/h計測で、このID.4GTXは6.2秒という悠長な加速ぶりをみせた。見通しのいい道路でなら楽に追い越しできる速さだが、マスタング・マッハEやテスラ・モデルYの速いバージョンに比べれば、印象に残るほどではない。
おそらく問題の一因は、フォルクスワーゲンが加速レスポンスを比較的コンサバティブにセッティングしたことにもある。これにより、日々の運転は気を使わなくて済むようになっている。その代償として失われたのが、ライバルの中にはみられるものもある、カミソリのようなシャープさやエキサイティングな追い越し加速だ。
それ以上におもしろみに欠けるのが、刺激的なトルクを味わえる発進から、2基のモーターが協調して本量を発揮する段に至ると、48.1kg-mのトルクがウェイトに対して力不足であるように、迫力がないことだ。
数値的に見れば、決してプアなトルクではない。同じくらいウェイトが重いライバルと比較してもそういえる。にもかかわらず、ペダルを踏み込むたびに、GTXはやや活気がないように感じる。これは興味をそそられる事実だ。
全体的に見てこのクルマは、走り志向というよりは日常での使いやすさを重視してセットアップされたように思える。ブレーキペダルはソフトで、コーナー手前の減速では十分な正確さが得られない。
ところが、市街地では完全なまでに直感的だ。そこでは、どんな場合でもうまくセッティングされた回生ブレーキ任せでいける。要は、期待していたよりもおとなしいクルマだったということだ。
使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆
インフォテインメント
インフォテインメントシステムのディスカバープロ・ナビゲーションは、下位グレードには10.0インチ、上位グレードには12.0インチの画面を採用する。全般的に、よく機能してくれて、グラフィックは色鮮やかだ。
ただし、性能を最大限引き出す操作ができるまでには慣れが必要で、クルマを停めて練習したほうがいい。そして、ゴルフVIIIでみられた操作性の問題が、このクルマでも改善されていない。タッチ操作の感知が不安定なのだ。
Apple CarPlayとAndroid Autoは標準装備で、いずれもUSBとBluetoothのどちらでも接続できる。ワイヤレス充電器も標準装備だ。
このシステムは音声操作も可能だが、期待したほど確実に認識してくれるわけではない。自然な話し方でも認識するので、ラジオの選局などはうまくいく。しかし、住所や施設名などの入力には苦戦した。
メーターパネルそのものはわざと小ぶりに作ってあるが、読み取りやすく、ナビのデータを表示することもできる。これは納得のアイテムだ。
燈火類
エントリーグレードのライフでは、フルオートのLEDヘッドライトが標準装備。ビジネス以上のグレードではLEDマトリックスタイプのIQライトとなり、自動減光やコーナリングライト機能が加わる。
ステアリングとペダル
MEB使用モデルのペダルは、コンベンショナルなMQBを用いたものよりセンターに寄っている。しかし、ID.4のドライビングポジションはうまく仕立てられていて快適だ。
操舵/安定性 ★★★★★★☆☆☆☆
どのメーカーでも、スポーティなEVをはじめて造るチャンスは、当然ながら1回しかない。となれば、造り手としては、それを記憶に残るクルマにしたいと思うのが人情というものだ。
ID.4 GTXは不幸なことに、そういうものにはなれなかった。グリップは上々で、コーナリングバランスは十分にニュートラル。DCCことアダプティブダンパーを装着すれば、ボディの無駄な挙動もほとんど出ない。コントロールが効き、全体的になめらかで、おまけに落ち着いた動きをする。
スポーツモードを選んでいてさえ、スロットルペダルのダンピングは大きく、前後独立モーターがもたらす運動性能は、アジリティよりもスタビリティを改善するために使われる。
おそらく、ファミリーカーとしてはそうあるべきだ。しかし、感動のないバランスのせいで、路面をしっかり捉えるがダルい、前輪駆動的な走りになってしまっている。しかも、そこにスロットルによるアジャスト性はない。
通常のID.4がみせる、濡れたコーナーを脱出する際にきわめてかすかなオーバーステアを発生させる傾向は、知る人ぞ知る運動面の楽しい個性だが、それはフロントモーターの追加で消えている。そして、それなりのB級道路でペースを上げると、GTXはますます前輪優勢だと感じられるようになる一方だ。
それゆえ、スタビリティでは高得点を取れるGTXは、ハンドリングで評価を下げる。より正確にいえば、オートカーの考える「楽しめるハンドリング」という文脈においてだが。
ローダウンサスペンションに組んだスプリングとダンパーの専用設定されたレートは、天候を問わずすばらしく頼れるフィールをもたらしている。トラクションは絶対的だ。もっともそれは、サスペンションやタイヤの優秀さよりも、控えめなトルク特性によるところが大きいのだが。
ステアリングの手応えは増していて、通常モデルのフワフワした操舵感より好ましい。しかし、走りにのめりこめるかどうかという点においては、このクラスでベストな評価を与えたマスタング・マッハEに大きく水を開けられている。それは、マッハEが後輪駆動でも4WDでも変わらない、厳然たる事実だ。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆
フォルクスワーゲンがID.4で実現した静粛性は当然のことながら、20インチを履いていてさえ上質な乗り心地もまた、強みだといえるものだ。
GTXの空力的デザインは風切り音の低減にもかなりの効果を発揮しているようで、しかも構造部分と遮音材の両方が、ロードノイズをほとんどキャビンへ通さない。
高速走行も滑らかで、大きな問題は見出せない。DCCダンパーはかなり緩く設定することもできるが、敢えて初期設定からコンフォートへ切り替えようとは思わなかったくらいだ。
早い話、これはエクセレントなクルーザーだ。シートの調整範囲は広く、このクラスで最高に好ましい出来栄え。一度座ったら、バッテリー残量がなくなるまで320km以上走り続けてもいいと思えるほどだ。
購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆
今年3月、英国の大蔵省はプラグイン車への補助金を再度導入したが、ID.4 GTXのようなクルマは蚊帳の外だった。新車のEVを購入しても、支給されるのは2500ポンド(約35万円)のみで、しかも対象は本体価格3万5000ポンド(約490万円)まで。
ID.4の場合、当てはまるのは最廉価グレードのみだ。となれば、どうがんばっても対象になりそうもないGTXの値付けを、無理して下げることはないという理屈が成り立つ。
しかし、それにしても容赦ない値付けではないだろうか。今回のGTXマックスは、GTXの装備拡充版で、サラウンドビューパーキングカメラやアダプティブダンパー、3ゾーンエアコンやエネルギー効率が高いヒートポンプまで備わる。
その価格は5万5555ポンド(約778万円)。同じくツインモーターを積むアウディQ4 Eトロンでも、これより4000ポンド(約56万円)安い。競合する仕様のスコダやヒュンダイなら、もっと低価格だ。
価格面のデメリットを補ってあまりあるのは、まさにフル装備であること。もちろん、ディーラーオプションは別だが、メーカーオプションで追加するものはほとんどない。
ベースのGTXは、もっと競争力のある価格だ。フォード・マスタング・マッハEの2モーターを積むロングレンジ版よりより安く、ポールスター2の同等グレードを上回る程度に設定されている。
GTX系も含め、ID.4は125kW充電に対応するが、ヒュンダイやキアが250kWを導入しようとしていることを考えると、驚くには及ばない。テスト時には、113km/h巡航での航続距離は385kmほどだった。
スペック
レイアウト
プラットフォームはフォルクスワーゲンのMEBで、キャビンの床下はほぼバッテリーで埋め尽くされている。前後モーターは独立して、それぞれ前後輪を駆動する。
実測車重は2220kgで、前後重量配分は49:51。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンク。マックス仕様には、DCCダンパーが装着される。
パワーユニット
駆動方式:フロント/リア横置き四輪駆動
形式:フロント非同期電動機/リア同期永久磁石電動機
駆動用バッテリー:水冷式リチウムイオンバッテリー、82kWh(グロス値)/77kWh(ネット値)
最高出力:299ps
最大トルク:48.1kg-m
許容回転数:16000rpm
馬力荷重比:139ps/t
トルク荷重比:14.8kg-m/t
ボディ/シャシー
全長:4584mm
ホイールベース:2771mm
オーバーハング(前):−mm
オーバーハング(後):−mm
全幅(ミラー含む):2110mm
全幅(両ドア開き):3760mm
全高:1637mm
全高:(テールゲート開き):2230mm
足元長さ(前):最大1110mm
足元長さ(後):最大730mm
座面~天井(前):最大1060mm
座面~天井(後):最大930mm
積載容量:543~1734L
構造:スティールモノコック
車両重量:2149kg(公称値)/2200kg(実測値)
抗力係数:0.29
ホイール前/後:8.0Jx20/9.0Jx20
タイヤ前/後:235/50 R20/255/45 R20
ピレリ・スコーピオン・エレクト
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)
変速機
形式:1速ダイレクト駆動
ギア比
最終減速比:11.5:1
リダクション比:−
1000rpm時車速:−km/h
電力消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:4.2km/kWh
ツーリング:5.0km/kWh
動力性能計測時:2.1km/kWh
メーカー公表値:消費率
混合:5.6km/kWh
公称航続距離:468km
テスト時平均航続距離:322km
113km/h巡航時航続距離:385km
CO2排出量:0g/km
サスペンション
前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.4回転
最小回転直径:10.2m
ブレーキ
前:358mm通気冷却式ディスク
後:−mmドラム
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電気式(メイン操作系クラスターにスイッチ配置)
静粛性
アイドリング:-dBA
48km/h走行時:58dBA
80km/h走行時:63dBA
113km/h走行時:67dBA
安全装備
ABS/ESC/LKA/FCW/ACC/AEB/ドライバーアラートシステム/エクステリアeサウンド
Euro N CAP:5つ星(ID.4プロ・パフォーマンス)
乗員保護性能:成人93%/子供89%
交通弱者保護性能:76%
安全補助装置性能:85%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温16℃
0-30マイル/時(48km/h):2.5秒
0-40(64):3.5秒
0-50(80):4.7秒
0-60(97):6.2秒
0-70(113):8.1秒
0-80(129):10.3秒
0-90(145):13.0秒
0-100(161):16.1秒
0-402m発進加速:14.9秒(到達速度:155.1km/h)
0-1000m発進加速:27.2秒(到達速度:180.2km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
キア・ニロ・ファーストエディション(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温12℃
0-30マイル/時(48km/h):3.1秒
0-40(64):4.2秒
0-50(80):5.4秒
0-60(97):6.8秒
0-70(113):8.7秒
0-80(129):11.0秒
0-90(145):13.9秒
0-100(161):18.7秒
0-402m発進加速:15.7秒(到達速度:148.2km/h)
0-1000m発進加速:28.7秒(到達速度:173.8km/h)
キックダウン加速
20-40mph(32-64km/h):1.8秒
30-50(48-80):2.2秒
40-60(64-97):2.8秒
50-70(80-113):3.4秒
60-80(97-129):4.0秒
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温16℃
30-0マイル/時(48km/h):8.8m
50-0マイル/時(64km/h):23.9m
70-0マイル/時(80km/h):46.2m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.79秒
ライバルの制動距離キア・ニロ・ファーストエディション(2019年)
テスト条件:乾燥路面/気温12℃
30-0マイル/時(48km/h):10.4m
50-0マイル/時(64km/h):29.6m
70-0マイル/時(80km/h):57.0m
結論 ★★★★★★★☆☆☆
フォルクスワーゲンは自社EVにパフォーマンスモデルをはじめて用意するにあたり、スポーティバージョンではおなじみの仕立て方をした。ホイールを大きく、車高を低くして、4WDを採用。ただし、見た目は控えめに仕上げた。つまり、ID.4 GTXは、斬新なパワートレインをありふれたアプローチの外観で包んだのだ。
その結果、角の取れた、日常遣いでの魅力は十分なクルマとなっている。いっぽうで、ドライバー目線ではおもしろみが見出せない。伝統的なGTIモデルたちならばそうはしてこなかったようなものに、今回のGTXはなってしまっているのだ。
前後独立制御のモーターと低い重心高を兼ね備えたID.4 GTXは、フォルクスワーゲンにとって、EVでも文句なくドライビングを楽しめるものを産み出しうると示すチャンスだった。しかし、今回ははっきりいってそういう結果になっていない。
その代わり、長距離走行での快適性や全天候型の信頼性を得た。また、コントロール性とパフォーマンスは、通常のID.4を上回っている。そこに魅力を感じるユーザーは多いはずだし、その点についてはこのGTXは狙い通りなのかもしれない。
しかしながら、比較的手頃な価格帯の電動ドライバーズカーとして考えると、フォードに軍配が上がるのは明らかだ。フォルクスワーゲンが志向するスポーティさが、愛すべきGTIの登場から数十年を経た電動化時代において、どのような変容を遂げるのか、今のところはまだ未知数だ。
担当テスターのアドバイス
リチャード・レーンフォルクスワーゲンは4WDのGTXを、オフローダーとして売ることはしなかった。地上高は引き上げるどころか、むしろ15mmダウンさせている。ただし、ルーズな路面に対応するトラクションモードが用意されている。
マット・ソーンダーステスラが先駆けとなったOTAアップデートを、フォルクスワーゲンはID.シリーズに導入した。最新のアップグレードでは、インフォテインメント系の使い勝手向上が図られている。
オプション追加のアドバイス
通常のGTXより7000ポンド(約98万円)ほど高価なマックスだが、これは思いつく限りほぼすべてのオプションを標準装備化した結果だ。その中には、エネルギー効率を高めている1000ポンド(約14万円)のヒートポンプも含まれるが、敢えて言わせてもらえば、それはなくてもどうにかなるアイテムだ。
改善してほしいポイント
・微妙な差別化というのは嫌いじゃないが、GTXモデルだということをもっとビジュアル面でアピールした方がいいのではないだろうか。
・せっかく前後独立モーターを採用しているのだから、ハンドリングバランスを通常よりすばらしいものにできるはずだ。是非ともそうしてほしい。
・直線加速でヒュンダイより明らかに遅く感じるのはなぜだろうか?
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