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モデル最適解は63kWhのFF 日産アリア e-4ORCE 87kWhへ英国試乗 最大トルク2倍

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モデル最適解は63kWhのFF 日産アリア e-4ORCE 87kWhへ英国試乗 最大トルク2倍

四輪駆動の87kWh版では航続500kmに

AUTOCARの英国編集部が日産アリアへ初試乗したのは、2022年7月。その時はシングルモーターの前輪駆動版だったが、このバッテリーEV(BEV)のスイートスポットのように感じられた。

【画像】前輪駆動の63kWhがスイートスポット 日産アリア 欧州で競合するEVと写真で比較 全162枚

アリアとしてはエントリーグレードになるが、最高出力218ps、航続距離402kmと、スペックとしても好バランス。スタイリッシュな見た目に上質なインテリア、不足ない動的能力を兼ね備え、とても印象の良いクロスオーバーだった。

そんなアリアだが、BEV用モジュラー・アーキテクチャの汎用性の高さを活かし、日産は早速バリエーションを拡充した。今回ご紹介する2種類だ。

駆動用バッテリーの容量は63kWhから87kWhへ拡大されており、日産がe-4ORCE(イーフォース)と名付けた四輪駆動版では、リア側に2基目の駆動用モーターを搭載する。このe-4ORCEの最高出力は総合で306ps、航続距離は500kmがうたわれる。

ちなみに、試乗した日は秋口の涼しい天気で、メーターモニター上には370kmの航続距離が表示されていた。四輪駆動とせずに87kWhの駆動用バッテリーを選択することも可能で、その場合の航続距離は532kmと、アリアでは最長になる。

最大トルク2倍 車重増で操縦性に影響

今回の試乗では、前輪駆動版と四輪駆動版のアリアを直接比較することができたが、正直なところ明確な違いは体感できなかった。リア側の駆動用モーターは、確かにパワーとトルクを追加してくれているが、めざましく勢いが良いというわけではない。

特に最大トルクはシングルモーター版の2倍、 61.1kg-mと太いうえ、トラクションも改善されている。それでも、試乗コースとなったデンマークの濡れたアスファルトを、前輪駆動版も不満なく掴んでいた。

ツインモーターで馬力が増えて、大容量バッテリーで車重が増えても、前輪駆動のアリアが備える洗練性を四輪駆動版は受け継いでいる。e-ペダルと呼ばれる、アクセルペダルだけで発進から停止までまかなえるワンペダル・ドライブも、直感的で運転しやすい。

一方で、車重増によって操縦性には影響が生じている様子。常時安定していて不安感なく運転できるものの、反応にはダルさが伴い、クルマとの一体感は薄められている。やや曖昧なステアリングホイールの感触が、さらに印象の足を引っ張っていた。

スポーツ・モードを選ぶと、操縦に対するレスポンスは引き締められる。しかし、甲高い唸りが聞こえるようになるため、比較的短時間で別のモードを選びたいと思ってしまった。乗り心地も、前輪駆動版より若干劣るようだ。

スイートスポットは前輪駆動の63kWh

インテリアは素晴らしい。洗練されたデザインが与えられ、素材の質感も高い。日産リーフと比べれば、知覚品質や快適性、造形的な美しさなどは大きく前進したと思う。

ダッシュボードの操作パネルは腕を伸ばさないと触れにくかったり、センタートンネルのボタンが手を降ろした自然な位置にはないなど、人間工学的には完璧ではないけれど。

日産アリアは、スマートな見た目で存在感の強いBEVだと思う。クロスオーバーとしてプロポーションのバランスも良く、新世代モデルとしての自信を漂わせている。

しかし、そこへ追加となるパワーや航続距離、四輪駆動の余裕などを得るには、追加の予算も必要になる。63kWhから87kWhへ駆動用バッテリーを大きくするのに、英国では5750ポンド(約95万円)が要求される。

前輪駆動から四輪駆動へするには、さらに2700ポンド(約44万円)を上乗せする必要がある。結果として、アリアのe-4ORCE 87kWhの英国価格は、5万4595ポンド(約900万円)に上昇する。

ドライビング体験の印象としては、前輪駆動で63kWhの方が甘美といっていい。日産アリアのスイートスポットは、第一印象の通りだったようだ。

日産アリア e-4ORCE 87kWh(欧州仕様)のスペック

英国価格:5万4595ポンド(約900万円)
全長:4595mm
全幅:1850mm
全高:1660mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:5.7秒
航続距離:500km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2715kg
パワートレイン:ツインAC同期モーター
バッテリー:87.0kWh(実容量)
急速充電能力:130kW
最高出力:306ps
最大トルク:61.1kg-m
ギアボックス:シングルスピード

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みんなのコメント

22件
  • 僕らの誇り、アリア
  • 痛いところを突かれたな。海外ではこの程度の批判ですむが、国内ではこれに加えて納車の遅延が問題視される。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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