■日産は現行型デビューの2017年から「次期リーフ」の姿を検討していた!?
2010年、世界初の量産BEV(バッテリーEV:電気自動車)として初代モデルがデビューした日産「リーフ」ですが、2017年10月に登場した現行型(2代目)がデビュー7年目を越えており、そろそろ新型が登場してもよいタイミングです。
世界各国から新型BEVが登場するなか、大いに期待される3代目次期リーフのヒントになりそうなコンセプトカーは、すでに2017年に発表されていました。
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2023年11月、欧州日産は主力モデルであるコンパクトSUV「キャシュカイ」と「ジューク」(共に現行型は日本未発売)の2モデルを、将来的にBEVにすると発表しました。
これは英国で生産する新型BEVの第2弾、第3弾にあたり(第1弾はリーフ)、加えて、新型リーフの製造もおこなうと公表。
新型キャシュカイは、2023年10月に東京で開催された「ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)」で発表された「ハイパーアーバン」に、新型ジュークは同様にJMS2023で発表された「ハイパーパンク」にそれぞれインスパイアされたものになる見通しと発表しました。
「インスパイア」とは、「感化・啓発・ひらめきを得る」といった意味ですので、コンセプトカーそのものが登場するわけではありません。
コンセプトカーのテイストを取り入れながら、新たなデザインが与えられる、ということでしょう。
そして3代目となる新型リーフについては、2021年11月に日産が発表した長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」でお披露目されたコンセプトカー「チルアウト」が“インスパイア”のベースだといいます。
チルアウトは、プレーンなデザインのクロスオーバーSUV。CMF-EVプラットフォームを採用し、電動4輪制御技術「e-4ORCE(イーフォース)」を搭載するといいます。
かなりぶっ飛んだデザインのハイパーアーバンやハイパーパンクと見比べると、チルアウトはグッと現実味のあるデザインに感じます。
とはいえ、もう少し具体的なイメージを得たいものですが、実はこれより前に、リーフと共通するイメージのクロスオーバーSUVコンセプトカーが登場していました。
そのコンセプトカーとは、2017年10月に開催された東京モーターショーで発表となった「IMXコンセプト」です。
IMXコンセプトは、2017年9月に世界初公開となった2代目リーフと共通のデザインモチーフを採用したクロスオーバーSUVタイプのコンセプトモデルでした。
当時の日産は「将来のニッサンインテリジェントモビリティを見据え、クルマとドライバーがより繋がり、もっとクルマで移動したくなる、そんなクルマを具現化した、100%電気自動車のクロスオーバーコンセプトカー」だと説明します。
最大の特徴は、ドライバーが運転に一切介在しない完全自動運転を実現していることでした。
ドライバーが完全にクルマへ運転を任せてドライブできる「プロパイロットドライブモード(PDモード)」を選択すれば、ステアリングが格納され、シートは深くリクライニングし、乗員全員がリラックスした格好で移動できるとしています。
■次期「リーフ」は「アリア」より安い「電動SUV」になる!?
IMXコンセプトのパワートレインは、高出力モーター2基を前後に搭載したツインモーター4WDを搭載。
最高出力320kW(435PS)/最大トルク700Nmの高出力を受け止めるため、EV専用プラットフォームのボディやシャシー、低重心パッケージを採用しており、クロスオーバーモデルであることを感じさせないフットワークを実現するとしています。
エネルギー密度をより高めた大容量バッテリーは、一充電あたりの走行距離600km以上にも達する容量が想定されていました。
この構想は、現在の日産のバッテリーEVのフラッグシップであるクロスオーバーSUV「アリア」が目指してきた姿に、非常に似ています。
ちなみに、2024年2月8日に発表されたアリアのスポーツモデル「アリア NISMO」(91kWh/e-4ORCE)に搭載される、パワーアップされたモーターのシステム最高出力320kWというスペックが、IMXコンセプトと同等なのも偶然とは思えないところです。
前述の完全自動運転実現はともかく、日産の中長期戦略としても、次期型のリーフがアリアと同じ路線で開発されていくことは間違いないでしょう。
日産は2代目登場当時の2017年時点で、すでに3代目の次期型リーフの構想をそう考えていたのかもしれません。
最廉価版でも約660万円というアリアよりずっと安く、軽自動車ベースのサクラよりも、これらのようなしっかりとしたプラットフォームを採用したクロスオーバーSUVは、多くの人が待ち望んでいるBEVの姿ではないでしょうか。
2023年は新型車の投入がなかった日産ですが、今年2024年は次期型リーフをはじめ、ニューモデルの登場があることを期待したいです。
※ ※ ※
ハッチバックスタイルの現行2代目リーフは、外観やインテリアに古さが目立ってきたこともあってか、国内の販売状況も芳しくなく、2023年の国内登録台数は1万26台に留まっています。
一方で軽BEVの「サクラ」は3万7140台で、BEV自体の需要が落ち込んでいる訳ではないとわかります。
デビュー7年目を迎える今、いつ次期型リーフの具体的な情報が出てきてもおかしくはないタイミングです。
世界中でBEVの注目が高まるなか、果たして次期型リーフがどのようなクロスオーバーSUVに生まれ変わり起死回生を図るのか、元祖BEVの今後が非常に楽しみです。
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みんなのコメント
CHAdeMOが世界初の規格として世界制覇を狙っていた頃の初代はともかく、敗北が決定的になった後に発売の現行も。
そりゃ売れないよ。
ついにアリアはCCSで発売されて、いよいよリーフユーザーは梯子を外された。
まあ、本人達もとっくに気付いてはいただろうが。