マツダ ロードスターの「伝説の開発主査」こと貴島孝雄氏が、現役時代に出会った記憶に残る人物を紹介する連載企画。今回は、「ロードスター・クラブ・オブ・ジャパン(RCOJ)」の代表を務める「水落正典さん」を紹介する。
※タイトル写真:M2発のロードスターには、1001(イチマルマルイチ)、1028(イチマルニハチ)と数字のモデル名が付けられた。1001の広報車の横に立つ水落さん、若いっ!
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ロータリーにあこがれてマツダに入社した水落さん
ロードスターのオーナーズクラブは全世界に存在している。日本国内では、RCOJ(ロードスター・クラブ・オブ・ジャパン)が最大規模を誇り、このクラブを運営しているのが、ここに紹介する水落さんだ。ロータリーにあこがれてマツダに入社し、M2(エムツー)というマツダのグループ会社で活躍した人物である。
インターネットやSNSの普及もあって、いまでこそ同一車種で集まるオフ会は日本中で盛んに行われているが、初代ユーノス ロードスターが発売された平成元年(1989年)はワープロ全盛期である。インターネットもごく一部の人しか利用していないような時代だ。そんな状況にもかかわらず、ロードスターのミーティング文化は早々に育っていた。
はじまりこそ小ぢんまりではあったものだったが、ロードスターオーナーを見つけては声をかける、ユーザー間による草の根的な動きからクラブが作られた。やがてクラブごとの付き合いが深まり今でいうオフ会=ミーティング、イベントとして発展した。そして全国各地のミーティングが大規模化していき、今では恒例イベントとして定着している。
それらは主に各地のロードスターオーナーズクラブが運営している。その後押しをしているのが水落さんで、マツダとの橋渡しなどでミーティングを盛り上げる、仕掛けの一端を担っている。特別ゲストとして貴島さんが参加したり、話題の車両を展示したりと、その功績はとても大きいのだ。
「水落さんとは、商品企画のためのプロジェクト『M2』からのお付き合いです。M2は企画開発中のモデルを前に、お客さんがメーカーの人間と直接話をできる画期的な場所でした。M2発のモデルコンセプトは、お客さんの喜ぶ要素にあふれていましたが、いかんせん自動車販売というビジネス面で難しいものがありました」と貴島さんは振り返る。
さらに貴島さんはこう続けた。「M2モデルに試乗してみると、ユーザーの好む仕上がりだというのはよくわかるんです。たとえば汚れやすい白の内装も、お客さんが納得していればこそ。ただ量産車には保証の問題がありますから。あくまでM2はマツダの技術を生かした用品提案的な存在でした」
水落さんはマツダにとっても重要なキーパーソンなのである
「水落さんがRCOJを立ち上げた時、『名誉顧問に』と水落さんからお話をいただいたんですが、当時私はまだ現役でしたので、それは実現しませんでした。あの頃は今ほどの規模になるとは、水落さんも考えてはいなかったのではないでしょうか。軽井沢を始めとしたミーティングに、ロードスターの開発スタッフを招いて話を聞くというスタイルが定着したのも、彼の力添えといえるでしょう」
「とは言っても開発者の中には、積極的に参加したくない者がおりまして(笑)。完成した車両は、ユーザーすべてにとって100点満点ではありません。ですから、生の声を聞くということはマイナスの話も聞くことになるのです。わかっているから、行きたがらない人間もいるということです」
「土台ムリな要望もありますからね。しかし、ここで話を聞くことはメーカーにとって重要なのです。手放さず複数台所有する人も多くいるとわかれば、やはり高価なロードスターを作ってはいけないと思うんです」
ユーザーとメーカーの橋渡しを担う水落さん、マツダにとっても一助となっていたようだ。では、水落さんから見た貴島さんはというと?
「私はロータリーをやりたくて入社したので、ロードスターを見たときに『なんでレシプロエンジンなのか』と上司に食ってかかったり、その後1.8Lモデルが出るときには、どうせ2Lとか大きくしていくんだろっ、と文句ばかりでした(笑)」
「貴島さんとは、2代目の試乗時に初めてじっくり話をしましたが、広島弁バリバリの口べたなエンジニアというのが第一印象でした。お客さんとのやりとりもぎこちなくて(笑)。ところがミーティングに足を運ぶたびに、どんどんコミュニケーションの才能が開花。今ではステージ上でいじられることもある大学教授ですから」
貴島さんもRCOJの会員なのだが、現行モデルの主査だった中山デザイン本部長など、マツダ社員のRCOJ会員は多い。メーカーの社員がファンのための活動に前向きなことも、マツダ好きを増やすことにつながっているのだ。
「ユーザーと会社が近いというイメージは、ロードスターを中心に置いていたから生まれたのでしょう。今では他車種でもその距離が縮まっています。これはロードスターが作った道筋と言えますね」と貴島さん。
ロードスターが作ってきたメーカーとユーザーのつながりは、他社にはない強みなのだ。
[ アルバム : 貴島主査の交友録 第7回 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
ワタシもかつてはよく行ってました
1Fにグランビアというレストランもあったり、2Fにはクルマ専門の本屋さんがあったり
いつ行ってもも中はがらーんとした感じでしたが好きな場所でした。
ワタシが死んだら、葬式はあそこでやってもらおうかと…w(現在は葬祭式場として存続)