F1アゼルバイジャンGP決勝終盤、表彰台争いをしていたセルジオ・ペレス(レッドブル)とカルロス・サインツ(フェラーリ)が大クラッシュを喫した。スチュワードはこのインシデントを審議した結果、“レーシングインシデント”であると判断し、両者に罰を科さないことを決めた。
レース終盤、2番手から4番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)、ペレス、サインツが接近戦を演じるなかで、レースの最後から2周目に事故が起きた。ルクレールが2番手を守った後、サインツはターン1出口でペレスの前に出たが、その直後に2台は接触、バリアに激しくヒットした。幸いふたりにけがはなかったものの、その場でストップしたため、ペレスは17位、サインツは18位というリザルトになり、ノーポイントに終わった。
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スチュワードは、結果ではなく、事故がどのように起こったかに基づいて決定を下し、どちらかひとりのドライバーに大きな責任があるわけではないと判断、ペナルティは科さなかった。スチュワードはこの裁定について、次のように説明している。
「サインツとペレスは50周目のターン2直後に接触しクラッシュした。これは小さな接触が大きな結果をもたらしたケースである。スチュワードは、事故の結果ではなく、どのように事故が発生したかに注目した」
「サインツはターン1後にペレスを抜き、ターン2のエイペックスで完全に前に出た。ペレスはサインツによってコーナー立ち上がりに影響を受け、イン側に進んだ」
「サインツは、ペレスが自分のイン側にいることを認識していたと報告している。ペレスは少し後方に位置し、車両の相対的な位置をよりよく確認できる立場にあった。しかし、2台がターン2出口で右側の壁に接近した際、その距離は約1メートルだった」
「この時点から事故が発生するまで、どちらのドライバーも不安定なハンドル操作をしておらず、両者ともステアリングを非常に安定して保っていた」
「スチュワードは過去の周回におけるドライビングラインを確認した。サインツは通常のレーシングラインかそれに近いラインを走っており、そのラインは右側の壁からわずかに角度をつける形をとっている。コーナー出口から接触までの間に、彼はウォールからおよそマシン1台分の幅の位置に移動。ペレスはそのウォールから約半車幅分離れ、より並行に右側のウォールへと向かっていた」
「前方にいたサインツは、自分のラインを選ぶ権利があった。しかし、彼の視界が限られた場所にいる車両の方に、わずかに移動した。同時に、ペレスのラインには特に通常とは異なる部分は見られなかった。一方で、彼の方が視界の面では良い状況にあったため、車両を避けるためにもっとできることがあった可能性はある」
「結論として、スチュワードはこの事故をレーシングインシデントと判断し、どちらのドライバーにも主な過失があるとは見なさず、さらなる処分を行わないことを決定した」
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