現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日本未導入のメルセデス・ベンツ、ドイツで商用車といえば「スプリンター」

ここから本文です

日本未導入のメルセデス・ベンツ、ドイツで商用車といえば「スプリンター」

掲載 9
日本未導入のメルセデス・ベンツ、ドイツで商用車といえば「スプリンター」

運営元:外車王SOKEN
著者 :高岡 ケン

設計に「ストーリー」が宿っている、フィアットクーボ

ドイツで生活をしていると毎日何十台ものとあるクルマを見かける。



その名も「メルセデス・ベンツ・スプリンター」である。



ドイツで定番の商用車といえば間違いなくこのクルマだろう。



しかし、残念ながら日本での販売は行われておらず、欧州または米国での販売がメインとなっている。



ドイツ国内では圧倒的な人気を誇るスプリンターだが、なぜここまで人気を博したのか。



今回はメルセデス・ベンツ・スプリンターの全貌を解説していく。



■メルセデス・ベンツ・スプリンターとは?

1977年から販売されていたメルセデス・ベンツ・トランスポーターに変わり、1995年から欧州地域で、2001年からは米国で販売開始されたメルセデス・ベンツ・グループAGが生産、販売する商用車である。



主に宅配や訪問サービス用の車両として用いられているが、他にもミニバス、救急車、キャンピングカー、トラックとしても使用されている万能型のバンタイプだ。



なぜこれだけ幅広い用途で使用されているのか。



それはスプリンターの幅広いモデルラインナップによるものだろう。



全長はL1からL4までの4種類、全高はH1からH3までの3種類が用意されており、用途に合わせてサイズを選べるようになっている。



全長はL1で5,267mm、L4で7,367mm、全高はH1で2,356mm、H3で2,825mmとなっており、最も人気のモデルはL2H2と言われる全長5,932mm、全高2,638mmのモデルである。



■日本市場にも導入されていた?

現在では、世界130ヵ国以上で年間約12万台ほどが販売されており、過去20年間では290万台以上の販売実績があるそうだ。



1995年にはインターナショナル・バン・オブ・ザ・イヤー、2006年にはベスト・バリュー・アワードに選定されており、世界で商用車としての確固たる地位を気付き上げた。



そんなスプリンターだか、なぜ日本では未導入なのか。



実は2004年に日本での販売を開始したが、「スプリンター」の名称がトヨタ自動車に商標登録されていたため、「トランスポーターT1N」という名称で輸入・販売されていた。



しかし、ダイムラー・クライスラーと三菱ふそうトラック・バスとの関係強化に伴い、2006年に日本における正規輸入販売を撤退した。



■ドイツでスプリンターが社会問題に?

前述でも説明したとおり、スプリンターは幅広いラインナップが準備されており、宅配や訪問サービス用のバンとして、はたまたトラックやバスとして使用されている。



その為、全長6,967mmのL3までであれば乗用車として登録することができる。



ドイツで速度無制限のアウトバーンといわれる高速道路が一般的に使用されているが、トラックやバスなどの大型車は基本的に右車線を走行しなくてはならない。



仮に三車線のアウトバーンを走行する場合は、1番右はトラックやバスなどの大型車、真ん中は120km/h~140km/hで走行する乗用車、いちばん左は速度無制限の追い越し車線となっている。



大型車には速度制限が設けられているため、乗用車に乗っている場合はトラックなどに追い越される心配はない。



しかし、全長が7m近くにもなるスプリンターですら、ドイツでは乗用車扱いになるため、いちばん左の車線を走行することができる。



つまりトラックなどの大型車に対する速度規制を免れることができるため、スプリンターの速度超過による事故が続出し、社会問題となっている。



■実際に全長約7mのスプリンターを運転した印象

著者も実際にL3H2といわれる全長約7mのスプリンターでアウトバーンを長距離走行したことがある。



いくらメルセデス・ベンツとはいえ、時速140kmを超えるとあまり安定感がなく且つブレーキの効きが遅いため、恐怖を感じた経験がある。



安全性を第一に考えてきたメルセデス・ベンツとしては大きな問題であり、イメージ回復に苦戦を強いられているそうだ。



今後、ドイツでのスプリンターの位置付けはトラックになるのか。



また日本での導入はありえるのか。



今後も注目していきたい。



 [撮影・ライター/高岡ケン]

こんな記事も読まれています

3つ星シェフの夢のガレージで「ムルティストラーダV4パイクスピーク」を公開! ドゥカティ・ユニカ・プログラムから生まれた特別モデル
3つ星シェフの夢のガレージで「ムルティストラーダV4パイクスピーク」を公開! ドゥカティ・ユニカ・プログラムから生まれた特別モデル
バイクのニュース
2030年に向けたスズキのカーボンニュートラルへの取り組みとは...人とくるまのテクノロジー展 2024予定
2030年に向けたスズキのカーボンニュートラルへの取り組みとは...人とくるまのテクノロジー展 2024予定
レスポンス
エクストレイルとキックスが黒金フェイス!! 特別仕様車が激アツ!! しかも一部改良で充実機能で勝負
エクストレイルとキックスが黒金フェイス!! 特別仕様車が激アツ!! しかも一部改良で充実機能で勝負
ベストカーWeb
スバルがスーパー耐久参戦へ向けた新型車両を公開! WRX S4をベースにしたマシンをスーパー耐久第2戦に展示予定
スバルがスーパー耐久参戦へ向けた新型車両を公開! WRX S4をベースにしたマシンをスーパー耐久第2戦に展示予定
WEB CARTOP
【独占速報】ヤマハXSR900GP試乗「デザインも走りも、バイクが最高にアツかった80年代を思い出す!」
【独占速報】ヤマハXSR900GP試乗「デザインも走りも、バイクが最高にアツかった80年代を思い出す!」
モーサイ
【欧州市場投入】「マツダCX-80」高性能と最大7人乗りのゆとりある室内空間を実現
【欧州市場投入】「マツダCX-80」高性能と最大7人乗りのゆとりある室内空間を実現
AutoBild Japan
名古屋~浜松「無料で信号ゼロ」秒読み段階!? 国道23号バイパス「名豊道路」全通は”1年以内” 東名の南側「完全スムーズ化」まであとわずか
名古屋~浜松「無料で信号ゼロ」秒読み段階!? 国道23号バイパス「名豊道路」全通は”1年以内” 東名の南側「完全スムーズ化」まであとわずか
くるまのニュース
ホンダとIBMがSDVに向けて共同研究開発に関する覚書を締結
ホンダとIBMがSDVに向けて共同研究開発に関する覚書を締結
Auto Prove
ランボルギーニの電動スーパーカー『レヴエルト』、ソナス・ファベールの専用ハイエンドオーディオ設定へ
ランボルギーニの電動スーパーカー『レヴエルト』、ソナス・ファベールの専用ハイエンドオーディオ設定へ
レスポンス
旭化成、自動車業界に「SustainaStyle」提案へ…人とくるまのテクノロジー展 2024
旭化成、自動車業界に「SustainaStyle」提案へ…人とくるまのテクノロジー展 2024
レスポンス
いまタイで高級ミニバン戦争が激化! 鉄壁のアルファード&レクサスLMに挑む中国勢たち
いまタイで高級ミニバン戦争が激化! 鉄壁のアルファード&レクサスLMに挑む中国勢たち
WEB CARTOP
ホンダ「レブル250」がユーザーフレンドリーなアドベンチャーモデルに変身! コンプリートカスタム「VESGRIDE-hygge」受注開始
ホンダ「レブル250」がユーザーフレンドリーなアドベンチャーモデルに変身! コンプリートカスタム「VESGRIDE-hygge」受注開始
バイクのニュース
[カーオーディオ 逸品探究]18年の歴史に幕、「アークオーディオ」の定番上級アンプ『SE』の魅力を振り返る!
[カーオーディオ 逸品探究]18年の歴史に幕、「アークオーディオ」の定番上級アンプ『SE』の魅力を振り返る!
レスポンス
便利すぎるだろマジで!! [ランドクルーザー]にも採用切望!! フォードに超絶羨ましい機能があった
便利すぎるだろマジで!! [ランドクルーザー]にも採用切望!! フォードに超絶羨ましい機能があった
ベストカーWeb
アルファードとの628万円の価格差はどこにある? レクサスLM開発者に6座仕様「バージョン L」の「推しポイント」を聞いてみた!
アルファードとの628万円の価格差はどこにある? レクサスLM開発者に6座仕様「バージョン L」の「推しポイント」を聞いてみた!
ベストカーWeb
2代目メルセデス・ベンツCLSは、強く逞しく、大胆に変身していた【10年ひと昔の新車】
2代目メルセデス・ベンツCLSは、強く逞しく、大胆に変身していた【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
竹岡圭 K&コンパクトカー【ヒットの真相】日産キックス「e-POWER+4WD+プロパイロットで安全快適ドライブ」(2024年6月号掲載)
竹岡圭 K&コンパクトカー【ヒットの真相】日産キックス「e-POWER+4WD+プロパイロットで安全快適ドライブ」(2024年6月号掲載)
カー・アンド・ドライバー
全長4mの“小さな高級車” アウディ「A1スポーツバック」に限定車登場! オンライン販売限定で150台
全長4mの“小さな高級車” アウディ「A1スポーツバック」に限定車登場! オンライン販売限定で150台
VAGUE

みんなのコメント

9件
  • ベンツとかBMWは高級ブランドでもなんでもないんだよなー。ドイツ本国からするとトヨタとか日産みたいなもんだよ実は。日本上陸時からしばらくは高級モデルのみを販売して日本ではそういうイメージを上手く定着させてるけど、今でもドイツ本国では商用タイプも多数売ってるし、廉価版のEクラスすら売ってる。
  • そもそも内装が安っぽい。
    霊柩車のベースなら需要はあると思うけど、他は無理だと思う
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

104.8187.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.8292.9万円

中古車を検索
スプリンターの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

104.8187.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.8292.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村