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オジエが白熱首位争いでリード拡大。勝田はマシントラブルでデイリタイアに/WRCイタリアデイ2

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オジエが白熱首位争いでリード拡大。勝田はマシントラブルでデイリタイアに/WRCイタリアデイ2

 6月1日(土)、WRC世界ラリー選手権第6戦『ラリー・イタリア・サルディニア』のデイ2が行われ、SS12終了時点でTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、SS9でマシントラブルが発生した影響でデイリタイアとなった。

 地中海に浮かぶサルディニア島を舞台に開催されている第6戦。今大会は、シェイクダウンおよびスペシャルステージ(SS)1から4までがデイ1に組み込まれるというショートフォーマットのスケジュールが採用されている。ラリーの折り返しでもあり今大会唯一の“フルデイ”であるデイ2は、SS5から12までの計8本が実施された。

【順位結果】2024年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニア SS12後

■首位逆転の連続。午前最後にはヌービルがコースオフ

 サルディニア島の路面は、岩も見え隠れするグラベル(未舗装路)だ。デイ2のタイヤ選択は、ほとんどのクルーがソフト4本ハード2本を選ぶなか、首位のオジエはソフト3本ハード2本という軽めの態勢で午前中のステージに臨んだ。

 首位オジエと2番手オット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)の差が4.5秒という状況で開幕したデイ2は、追うタナクが総距離12.03kmのSS5から目が覚めるアタックを見せ、ステージウインで総合順位を0.1秒差で逆転のスタート。さらに2番手にはティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が続き、総合順位でも3番手につけてきた。

 さらに、持ちタイヤが1本少ないオジエは、右リヤタイヤがほんの少しリムから落ちてしまった様子で、タイムには大きな影響がなかったものの不安が残る蹴り出しとなる。

 ただ続くSS6では、タフなスタートを切ったオジエがステージウインで逆転し返す応酬。これに反応したタナクはSS7、8の再走ステージでペースアップを見せ、2番手とトップタイムをマークし、総合首位を取り戻して2.2秒のリードで午前中を締めくくった。

 首位争いが白熱する一方、SS8では選手権首位のヌービルがコースオフ。右コーナーでラインが膨らんでしまった様子で、アウト側の崖にマシンの後ろ半分を落とすかたちでスタックしてしまった。このデイリタイアにより、総合3番手には勝田貴元が浮上する。

■勝田にミッショントラブルが発生。タナクはペースコントロールへ

 サービスパークでのミッドデイサービスがないデイ2は、タイヤフィッティングゾーンでタイヤ交換および軽い整備を経て、そのまま午後のステージへと突入する。

 迎えたSS9『モンテ・レルノ』は、有名な『ミッキーズ・ジャンプ』があるラリー・イタリア・サルディニアの名物ステージだ。そんなファンの期待もつゆ知らず、ステージを走り始めた勝田のマシンにまさかのミッショントラブルが発生してしまった。

 勝田はモーター駆動のモードに切り替えてコース外に移動したものの、再走は叶わずデイリタイアに。その結果、総合3番手にはダニエル・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)が浮上してきた。

 そんなSS9では、オジエが2番手タナクを6.8秒リードするアタックを見せ、ふたたび総合首位に立つ。さらなるペースアップを見せたオジエは「かなり荒れていたが、クリーンに楽しんで走れたよ」と語り、対するタナクは「安全に努めてプッシュは避けた」とコメント。タナクの保守的な姿勢にはヌービルの離脱も影響したか、午後はふたりのペース配分が分かれた様子だ。

 続くSS10、SS11でもオジエは連続ステージウインをあげる好調ぶりを披露し、2番手につけているタナクとのリードをさらに拡大。最後のSS12では、エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が今大会初のステージウインをあげるなか、オジエが2番手、タナクが3番手に続いて総合順位はキープのままにデイ2は終了した。

 2024年からの新ポイントシステムでは、土曜までの総合順位と日曜のみの総合順位とでそれぞれポイントを付与する。デイ2終了時点で、総合首位に立つオジエには暫定18ポイント、2番手のタナクには暫定15ポイント、3番手のソルドには暫定13ポイントが与えられる。以下10番手までは順位に応じたポイントを得られるが、付与を確定させるためには日曜日のステージも完走することが不可欠となる。

 そしてWRC2クラスでは、デイ1時点で18.3秒のリードを持っていたサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2)がこの日も好調をキープし、クラストップの座を堅持した。一方、暫定2番手のピエール-ルイ・ルーベ(シュコダ・ファビアRSラリー2)はSS8でトラブルが生じたためにタイムロスを喫し後退。その結果、デイ1のSS3で遅れた影響で出走順が24番手となっていたヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)が、この日すべてのステージでクラストップのタイムをマークする活躍でクラス2番手に浮上している。3番手には、第5戦ポルトガルを制したヤン・ソランス(トヨタGRヤリス・ラリー2)がつけた。

 大会最終日となるデイ3はSS13から16までの4本で争われ、ステージの総距離は39.30kmとなる。いよいよ勝者が決まる大会最終日、最初のSS13は現地時間2日(日)の8時00分(日本時間で同日15時00分)より開始される予定だ。

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