出会えたらラッキーなマニアックモデル
影は薄いかもしれないが、四輪駆動(4WD)の特徴を活かしたセダンタイプのクルマが数多く販売されている。代表例の1つはアウディの「クワトロ」モデルだ。
【画像】日本ではあまり見なくなった、実は魅力あるセダン【スズキ・キザシとアルファ・ロメオ159を写真で見る】 全28枚
四輪駆動のセダンは、天候や路面状況に左右されにくい、高い安定性とパフォーマンスを誇る。ここでは、少しばかり過去のモデルも含め、あまり知られていない四輪駆動セダンをアルファベット順に紹介しよう。
(※翻訳者注:この記事は日本向けに翻訳・編集してあるが、元はAUTOCAR英国編集部が英国向けに書いたものであり、各モデルのスペックについては英国仕様を記載している。また、オペル/ヴォグゾール・インシグニアのように日本では手に入りにくいモデルもある。あらかじめご了承いただきたい。)
アルファ・ロメオ159
アウディは四輪駆動のクワトロモデルを中心にブランドを築いてきたが、アルファ・ロメオにそのようなイメージはない。メディアでも四輪駆動の159 Q4について触れられる機会は少ない。
ステーションワゴンの159スポーツワゴンも比較的珍しい存在だが、159 Q4はもっと希少だ。日本では3.2 JTS V6が導入されたが、欧州では2.4 JTDmターボディーゼルエンジンも用意されていた。17km/l近い低燃費を誇るが、0-97km/h加速が8.3秒とパフォーマンスはまずまずといったところ。
10km/lの燃費を許せるなら、3.2 JTS V6がおすすめだ。四輪駆動のトラクションのおかげで、260psのパワーを簡単に使いこなせる。現在売りに出されているもので、程度がよく、走行距離も手頃なものを探すと、おそらく8000ポンド(約160万円)以上の出費が必要になるだろう。英国ではわずか8台しか現存していない。
BMW 7シリーズ
BMWは、四輪駆動の高級セダン市場では比較的後発組だ。アウディやベントレーが長らく活躍してきたのに対し、BMWは2015年のG11世代でようやく7シリーズに四輪駆動(xドライブ)を導入した。
BMW最後のV12量産車である「ザ・ファイナルV12」において、四輪駆動は重要な役割を果たしている。6.6L V12ツインターボは最高出力609psを発揮し、ロングホイールベースの大型セダンでありながら0-100km/h加速3.6秒という圧倒的な加速性能を実現している。
ジャガーXF
安心感のあるハンドリングはジャガーの要であり、だからこそXFでは四輪駆動を重要視したい。XFに四輪駆動が導入されたのは2016年のことで、スポーツカーのFタイプと同じ駆動システムを採用している。
ウェット路面でのトラクションが明らかに向上しているにもかかわらず、四輪駆動のXFは依然として目立たない存在である。問題は、後輪駆動モデルより105kgも重いことで燃費と排ガスの悪化を招いている点だ。
ジャガーXJ
ジャガーXJの四輪駆動モデルは2013年、世間に気付かれることなく静かに誕生した。北米の寒い地域のユーザーに向けて開発され、悪天候でも十分なトラクションを発揮する運転しやすいクルマであるが、販売は振るわなかった。
3.0L V6スーパーチャージャーもこの役割に適しているが、悲しいことに左ハンドルしか用意されていなかったため、日本だけでなく本国の英国でもお目にかかれない。
マツダ6 MPS
マツダの最近の四輪駆動モデルといえば、ほとんどがSUVだ。もちろんマツダ6にも「iアクティブAWD」の設定があるが、かつて販売されていたマツダ6 MPS(日本名:マツダスピード・アテンザ)は性格がまったく異なるクルマである。
一見すると普通のミドルサイズセダンだが、最高出力272psを発生し、0-97km/h加速6.6秒台、最高速度240km/hという性能を誇った。まさに「羊の皮をかぶった狼」と言える。
アウディやBMWの対抗馬として、控えめながらも非常に魅力的であり、その爽快なハンドリングとコントロール性は現代でも十分に楽しむことができる。中古車は少数しか確認できず、希少性は高まっているようだ。
メルセデス・ベンツCクラス
ライバルのアウディやBMWと同様、メルセデス・ベンツはドイツの厳しい冬に対応するために四輪駆動を提供してきた。Cクラスでは、2000年発売のC203型から四輪駆動(4マティック)が設定されている。
2014年のW205型では、より幅広いモデルに4マティックを設定。特に相性が良いのはAMG C 43で、3.0L V6エンジンが発生する367ps(後期は390ps)のパワーとトルクをフル活用できる。
Cクラスの4マティックは、仕様にもよるが2万5000ポンド(約500万円)から販売されている。
メルセデス・ベンツSクラス
歴代Sクラスで初めて四輪駆動を採用したのがW220型だ。ガソリン車に4マティックが設定され、すべての市場に導入されたわけではないが、S 350、S 430、S 500とバラエティに富んでいる。
次のW221型では、2006年にディーゼルの4マティックが追加された。2014年のW222型では幅広い市場に四輪駆動が導入され、今やSクラスでも普遍的なものとなった。
プジョー508
プジョー最新の508 PSEハイブリッド4とは異なり、2012年に登場した508のハイブリッド四駆モデルは、電気モーターを1基のみ搭載している。このモーターは必要に応じて後輪を駆動するもので、2.0Lターボディーゼルが前輪を駆動する。60km/h程度までなら電気のみで加速することができる。
標準車よりもトランクが小さく、価格も高いという弱点があったが、33km/lの低燃費と95g/kmという低いCO2排出量を実現している。日本に1.6L直4ガソリン(ノンハイブリッド)しか導入されなかったのが残念だ。
サーブ9-3
ターボ付きの四輪駆動セダンというと、すぐに思い浮かぶのはスバルや三菱だろう。しかし、サーブはどうだろう? かつて9-3には、最高出力280psの2.8L V6ツインターボエンジンを搭載する四輪駆動モデルがあり、最高速度250km/h、0-97km/h加速5.4秒という性能を誇る。
V6の平均燃費は8km/l台半ばだが、エントリーグレードの「エアロ」に搭載された2.0L直列4気筒ターボは14km/lとなかなかの低燃費で人気を集めた。0-97km/h加速は7.9秒と少し遅くなり、最高速度も235km/hに低下するが、サーブの四輪駆動システム「XWD(クロスホイールドライブ)」はスポーティなハンドリングを味わえる優れものだ。
いずれにせよ、両モデルとも販売台数は少なく、中古車市場ではなかなかお目にかかれない。
スズキ・キザシ
短命に終わったスズキ・キザシ。日本では警察車両としてたまに見かける程度で、海外でも鳴かず飛ばずだった。英国では500台程度と見積もっていたものの、それすら達成困難であったという。
問題は、走り好きのドライバーを惹きつけるほどのパワーやスピードがなく、海外では社用車(カンパニーカー)として人気の高いディーゼルの設定もなかったことだ。
最高出力188psの2.4L直4とCVT(海外では6速MTも設定)を搭載し、前輪駆動と四輪が設定されていた。そのハンドリングは現在でも十分楽しめる水準だが、四輪駆動で生き残っている個体は少ない。
テスラ・モデルS
テスラ・モデルSの特長の1つに、四輪駆動の存在がある。四輪駆動モデルが多く売れており、中古車における選択肢も多い。初期のP85D(車名末尾の「D」はダブルモーターの意)や90Dなどは現在、新車の半分近い価格で購入できる。
厳密にはモデルSはセダンではなくハッチバックに分類されるが、0-100km/h加速を3秒台で駆け抜け、1回の充電で400km以上走ると聞けば、文句のつけようがない。
オペル/ヴォグゾール・インシグニア
欧州で販売されるオペル/ヴォグゾール・インシグニアはベーシックなモデルだが、最高出力325psの2.8L V6ターボを搭載した四輪駆動のスポーツグレード「VXR」も用意されている。
インシグニアVXRは0-97km/h加速5.8秒、最高速度250km/hと、アウディS4と同等の性能を誇る。中古車なら、わずか5000ポンド(約80万円)程度で手に入る。
また、あまり注目されていないのだが、2.0Lターボディーゼルの四輪駆動モデルもある。最高出力160psと控えめだが、燃費は20km/lとお財布に優しい。
フォルクスワーゲン・パサート
パサートは1997年、2.8L V6エンジンに四輪駆動システム「4モーション」システムを組み合わせたモデルが登場した。2002年には希少なW8モデルも追加されている。
欧州向けの2.0 BiTDIは、最高出力240psを発揮するフォルクスワーゲンで最も強力な2.0Lディーゼルエンジンだ。最新の4モーションとの相性もよく、0-100km/h加速はわずか6.1秒、燃費は26.6km/lとご機嫌だ。
フォルクスワーゲン・フェートン
高級セダンを作りたいという当時のフォルクスワーゲン社長、フェルディナント・ピエヒの願望から生まれたフェートンは、多くの点で素晴らしいクルマであった。しかし、兄弟会社のアウディはもちろん、BMW、メルセデス・ベンツ、ジャガー、レクサスといったライバルには対抗できず、販売は低迷した。
3.6 V6、4.2 V8、6.0 W12、3.0 V6ターボディーゼルなど、ほとんどのモデルが四輪駆動システムの「4モーション」と組み合わされた。前輪駆動はベースグレードの3.2 V6ガソリン車のみ。ドイツをはじめ欧米のさまざまな国で販売されたものの、日本には導入されなかった。
プラットフォームをベントレーと共有しており、初代コンチネンタルGTと同じであることを考えると、3000ポンド(約50万円)という中古車価格が非常にお買い得に見えてくる。
ボルボS60
ボルボS60は、ドイツ製のミドルサイズ高級セダンに対抗できる存在であり、四輪駆動が加われば天候に左右されない完璧なマシンになる。2011年に発売された2代目S60では、5気筒ターボディーゼルや最高出力306psの2.0Lターボガソリンの「T6」に四輪駆動が設定されていた。T6はポールスターによるチューニング・オプションで最高出力355psに強化できる。
この2代目では、2.4Lディーゼルエンジンと電気モーターを搭載したプラグインハイブリッドモデル「ツインエンジン」も用意された。バッテリーだけで最長50kmを走行可能で、平均燃費は65km/lと謳われている。状態の良い中古車が1万3000ポンド(約260万円)以上するのも不思議ではない。
ボルボS90
ボルボの四輪駆動車といえばステーションワゴンのイメージが強いかもしれないが、セダンのS90にも用意されている。エントリーグレードの「T4」を除く全グレードで四輪駆動を選択可能だ。
ハイブリッドと高速性能を備えたT8リチャージが欲しいなら、中古でも2万5000ポンド(約500万円)以上の予算が必要だ。公称燃費は188km/l、CO2排出量はわずか49g/kmで、四輪駆動により最高出力390psを軽々と発揮し、0-97km/h加速を4.8秒で駆け抜ける。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
高速道路を「トラック横並び完全封鎖」で渋滞…むかつく風景が日常茶飯事な「意外な理由」とは? 逆に嫌がらせしたら「免許返納」レベル! 思わぬ「うっかり交通違反」にも注意
日産復活のカギはやっぱり[新型マーチ]!? ヤリスやフィットを超えるコンパクトカー誕生なるか!? 2025年度に発売確定!
インテグラなのにおっさんセダン! マークXなのにFF!! 名前は「名車」中身は「迷車」なクルマ4選
発表5日で受注停止! 瞬時に5万台のバックオーダーを抱えたスズキ新型「ジムニーノマド」はいつ買える? じつは“意外や早く受注再開”されるかもしれない その理由とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?