■本国では正規ディーラーのオプションに認められたエアロパーツ
VW「ゴルフ」が、1974年に誕生した初代モデルから数えて8代目となる新型へと進化した。常に魅力的なモデルラインナップで、日本においても輸入車のファーストチョイス的な役割を果たしてきたゴルフ。そのなかでもスポーツモデルの「GTI」は、コンパクトなボディとスポーティなエンジンやフットワークのセッティングで、これまで多くのファンを魅了してきた存在だった。
【画像】新型ゴルフ「GTI」のフルエアロをチェック!(11枚)
そのゴルフGTIの登場から、2021年は45年にあたる年になる。1976年のIAA=フランクフルトショーで発表された初代ゴルフGTIは、フロントに1.6リッターの直列4気筒SOHCエンジンを搭載するモデルだったが、観衆の驚きはそれが展示されたVWブースだけでは終わらなかった。
ドイツのVW&アウディ・チューナーとして、すでにその名前を広く知られていたエッティンガーのブースには、その直列4気筒エンジンをDOHC化したより高性能な136ps版のGTIがディスプレイされていたのである。
本来ならば、ゴルフGTIも2021年予定されていたIAAにおいて、その45周年を盛大に祝したことだろう。もちろんエッティンガーのGTIも同じように。
今回エッティンガーからリリースされたゴルフGTI用のチューニングパーツは、おもにエアロダイナミクスを向上させるためのエクステリアパーツである。
エッティンガーが用意したエアロパーツは、フロントのリップスポイラー、ルーフスポイラー、3ピースからなるリアディフューザー、サイドスカートで構成されている。これらはいずれも風洞実験によって、空力性能を確認して商品化されたもので、フィッティングには一切の加工を必要としないのも特徴だ。
従って本国のVWでは、これらのエアロパーツをOEM=純正オプションと認定しており、一般的に車両の改造時に必要となる書類への記入も免除されている。実際の販売は間もなく開始される予定だが、ドイツ国内等においてはVWアクセサリーとして、ディーラー網であるVWパートナーからのオーダーが可能になる。これも半世紀近くにわたって築かれた、VWとエッティンガーのロードカー、そしてレーシングカーの開発における信頼の証といえるだろう。
前後のホイールは19インチ径。デモカーは、運転席側をレッドエディション仕上げ、一方助手席側をグロスブラック仕上げでカラーによるイメージの違いがよく分かるようになっている。もちろんこのホイールは、VWアクセサリーシリーズに設定されているものだ。
また前後のサスペンションには、エッティンガーのモータースポーツ・パートナーであるH&R製のスプリングが組み合わされ、わずかながら車高をダウン。見た目だけでなく、重心の低下やハンドリング性能の向上なども図られている。
エッティンガーはさらに今後も、VWゴルフGTIのチューニングを継続していく予定だという。最終的にはパワーユニットにもエッティンガー流のチューニングを期待したいところだ。日本でも多くのファンを持つエッティンガー。彼らの手によって、ホットハッチのブームが再び訪れることを期待したい。
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