先代のジープ「ラングラー(JK型)」に4枚ドアの「アンリミテッド」が追加されてからというもの、ジープは飛躍的にその販売台数を伸ばしました。
ジープ「ラングラー アンリミテッド ルビコン」 日本も例外ではなく、かつては非常に特異だった存在のジープを、スタンダードな存在へと変えました。それは、全世界のラングラーの市場においても、日本が第2位の販売実績を持っていることが表しているといえます。
「これイイ!」日本も注目!? ジープ新型「グラディエーター」はなぜ人々の心をつかむのか
2018年10月に新型ラングラー(JL型)が発売されてからもその勢いは止まらず、千台単位で入ってくる新車は瞬く間に売れていくといいます。
それもそのはず、先代モデルに比べるとすべての面において格段の進化を遂げている新型のJL型は、強面のジープを乗用車系SUVのように親近感のあるキャラに変えました。
筆者(山崎友貴)はJK型のオーナーですが、クロスカントリー4WDが持つデメリットを覚悟しなくても乗れるようになったジープは、やはりJL型が史上初だと思います。
実際ディーラーに行くと、小さなお子さんを連れたママさんが、JL型の商談をしている光景を見ることがあり、改めてジープというブランドの懐が格段に深くなったことを実感しました。
幅広いユーザーに人気の新型ラングラーのなかでも、やはり敷居が高いモデルがあります。それはラングラーアンリミテッドのフラッグシップである「ルビコン」です。
ルビコンは、588万6000円(消費税込)という価格もさることながら、アグレッシブすぎる外観で、ジープの一見さんを寄せ付けません。それもそのはず、ルビコンは優れた悪路走破性を持つラングラーシリーズにおいても、とくにオフロード性能を重視して造られたモデルなのです。
まず、ほかのラングラーが日常の快適性を考慮したH/T系(高速指向)タイヤを履いているのに対して、ルビコンはベタなオフロードタイヤ「BFグッドリッチ M/T」(通称マッテレ)が最初から装着されています。
また、ほかのグレードに付いているサイドステップなんて軟弱な装備はありません。岩などにヒットするのがオチですから。その代わり、がっちりボディ下部を守ってくれるロックレールが付いています。
こうした外観のデザインは、ラングラーオーナーが目標にするドレスアップ手法と同じですが、アフターパーツで簡単にまかなえないのがルビコンの独自メカニズムです。
パワートレーンの「ロックトラックフルタイム4×4システム」はルビコン専用で、ほかのグレードが採用している「セレクトラックフルタイム4×4」と基本的なメカニズムは同じですが、4Lレンジの最終減速比が極めて低くなっています(3.454→4.100)。
これは、大きな岩や段差を乗り越えたり、粘度の高い泥の道を進んだりする場合に、より強力な駆動力を発揮させるためです。
さらには、ディファレンシャルギアを直結状態にして、オフロード走行でのデメリットを解消してくれる前後デフロックを採用しているほか、フロントスタビライザー(スウェイバー)を解除することでサスペンションのストローク量を増やす「電子制御式フロントスウェイバーディスコネクトシステム」を装備しています。
また前後アクスルに、障害物へのヒットに強い「DANA44」を使っているのも、ルビコンの証しです。
見た目はいかついオフローダーだけど、乗り心地は意外とジェントル 本格的なオフロードを走るための重装備を持つクルマなので、だれしも「きっと舗装路では乗りづらいんだろうな」と思うはずです。まして、日本でオフロードといえば、林道か専用コースしかありません。どう考えてもルビコンはオーバースペックです。
長い“脚”を活かしてハードなコースも難なくこなす 1%にも満たない使用シーンを考えれば、わざわざこのようなグレードを買うほどの魅力があるのかと思うことでしょう。でも、ルビコンは、あえて買いたくなるような魅力があるのです。
ラングラー アンリミテッド ルビコンの悪路走破性を試すべく、急勾配やぬかるんだデコボコ道が連続する特設オフロードコースを走行する機会を得ました。
一般なクルマでは到底走行できないようなハードなコースでしたが、ラングラーにとっては楽勝。とくに“脚が長い”ルビコンにしてみれば、舗装路も同然です。
デフロックを使うシーンはまずなく、スタビライザーを解除した状態の車内は地形に合わせて傾きこそすれども、スポーティカーでコンビニの駐車場に入るときよりも衝撃がありません。まるでリムジンのようなソフトな乗り心地です。ジープのエンジニアたちが楽しみながらルビコンのオフロード性能を磨いていったことが、その走りからもよく分かります。
こうした高いオフロード性能を持つクロスカントリー4WDは、得てして高速走行でフラついたり、ワインディングロードでアンダーステアが強かったりするのが一般的。ところが、JK型から驚くほどのダイエットに成功し、サスペンションのジオメトリーも徹底的に煮詰めたJL型ルビコンは、舗装路でも驚くほど快適で、ハンドリングも実にナチュラルに仕上がっています。
毎日通勤で使って不満に思うのは、サイドステップがないことによる乗り降りのしづらさだけでしょう。
巧みなサスペンションチューンもさることながら、近年のマッドテレーン系タイヤの進化も、日常の乗りやすさに寄与しています。
オフロードタイヤは耐摩耗性、耐サイドカット性を考慮して、舗装路系のものよりはるかに頑丈です。それゆえ重量が重くなる傾向にあり、それによって起こるバネ下重量の増加でどうしても乗り心地が悪くなります。
オフロードで優れたトラクションを発揮するためのトレッドパターンもその一因で、硬さやロードノイズに繋がってしまうのですが、新世代のBFグッドリッチのM/Tは、見た目から想像するより遙かに快適です。
ここまでのオフロード性能は本当に必要なのか!? ルビコンは、購入後にほとんどモディファイをしなくもいいほどの充実したエクステリアと、メーカーだからこそ工場ラインで付けられるメカが特徴ですが、それでも「買う必然性ってある?」と思う方も多いのではと思います。
林道などの荒れた道でも快適な乗り心地を実現 昨今の日本では自然災害の頻度が高まり、大地震による被害が危惧されています。そのような状況下で、ルビコンのような多様性を持ったSUVは、最悪のシチュエーションでも心強い相棒となるはずです。また、ガソリンがレギュラー仕様というのもうれしいかぎりです。
いつ来るか分からない災害のためのクルマを選ぶのはナンセンスだという考えもありますが、東日本大震災以来、キャンピングカーの販売台数が伸び続けているといいます。「いざ」を考えて愛車を選ぶのは、決して荒唐無稽とは言えない時代なのです。
そうした側面を抜きにしても、ルビコンは毎日を非常に楽しくしてくれるクルマです。使わずとも「すごいオフロード性能を持っている」と考えれば、秘めた冒険心がウズウズしてくるはずです。
ちなみにルビコンのエンジンは3.6リッター V型6気筒のみですが、アメリカ本国では2リッター直列4気筒ターボも用意されています。
「ハードなオフロードでは2リッターはパワー不足だし、ターボでは扱いにくいのでは?」といわれますが、まったく逆です。最大トルクでは遙かに3.6リッター V型6気筒を凌いでいますし、低回転から過給するダウンサイジングターボは、非常に自然なフィーリングのまま回転が上がっていきます。アクセルコントロールという点でも、初心者には2リッター車の方がラクな気がします。
税金の面からしてもそのメリットは大きく、日本でも2リッターターボが導入されるのを期待したいです。
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