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【最新モデル試乗】大ヒット中! なるほど納得、トヨタ・シエンタ人気の秘密

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【最新モデル試乗】大ヒット中! なるほど納得、トヨタ・シエンタ人気の秘密

新型は「シカクマル」がモチーフ。ボディは5ナンバー規格を守った

 シエンタが3rdモデルに進化した。シエンタはトヨタ最小3列シートミニバン。新型は歴代モデルで評価されてきた5ナンバーサイズのコンパクトボディを継承しながら、デザイン/メカニズムのすべてを刷新した新世代だ。

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 エクステリアは、ボクシーだけど優しさを感じる「シカクマル」がモチーフ。ストレートに作るとビジネスライクに見えてしまうが、前後サイドのプロテクションモールがツール感を上手く演出している。フランス車に似ているという意見もあるが、筆者はルーツの1台であるファンカーゴのイメージを継承したグッドデザインだと感じた。

 インテリアも「シカクマル」をモチーフに、機能的な空間を演出。カジュアルさを重視したファブリック巻きのインパネやざっくりとした風合いのシート地に加えて、充実した収納スペースがうれしい。ただし、運転席側のみで助手席側には未装着の2列目用USB電源付きスマホポケットや位置が低めのボトルホルダー、リアドアのアームレスト未装着で体が保持しにくい点など、いくつか気になる部分もある。

 ボディサイズは全長×全幅×全高4260×1695×1695mm(FF)。長さ、ホイールベースともに変更はない。3列シートの7人乗り仕様は2列目シートのスライド量アップ(+80mm)で足元スペースがグッと広くなったのが朗報。着座位置を高めたシアターレイアウトで開放感は高い。3列目は「緊急用」という位置づけこそ従来と共通だが、足を入れるスペースがしっかり確保され、実用性がアップした。ちなみに2列シートの5人乗り仕様も用意されており、こちらはリアシートをたたむと超フラットな最大2045mmの空間が生まれる。アウトドアを積極的に楽しむ車中泊派にも最適である。
 新型のポイントは旧型から20mm増した全高。これは子供が立てるフロア高の実現だけでなく、荷室に27㌅の自転車を倒さずにそのまま収納するために必要な数値だったという。

元気で溌剌とした走りが好印象。安全装備はトヨタ最新

 パワートレーンは直列3気筒1.5リッター自然吸気+ダイレクトCVTと、同エンジン+モーターを組み合わせたハイブリッドの2タイプ。純エンジン車は、3000rpm以上回すとノイジーだが、NAながらも実用トルクが太いユニットとCVTの巧みな制御により、一般道ではそこまで回す状況は少ない。したがって静かに力強く走る。

 ハイブリッドのパフォーマンスは余裕を感じるレベル。ハイブリッドシステムインジケーターが「ECO」ゾーンのままでも交通の流れをリードできる。しかもエンジン回転はガソリン車より抑えられているので、静粛性はいっそう高い。
 燃費は一般道~首都高を大人3名乗車でそれなりに元気に走らせた状況で、ガソリンは15~16km/リッター、ハイブリッドは23~24km/リッターを記録。前面投影面積が大きい上に車両重量1300kg台のクルマとしては素晴らしい数値だ。

 フットワークはどうか? プラットフォームはヤリスと同じGA-Bで、リアセクションとリアサス(トーションビーム式)はミニバン専用設計。ボディは構造用接着剤の一部に高減衰タイプを採用することで、振動低減に加えて剛性バランスにもこだわった「しなやか」ボディを採用する。
 ハードの刷新+第3世代EPS制御採用のステアリング系は、実に扱いやすい。軽い操舵力ながら操作に対する正確性や直結感は見事だ。ハンドリングは決して機敏ではないものの操作に対して忠実に反応する。ロール量は旧型とほぼ共通。決定的な違いはコーナリング時の姿勢である。従来型はフロント2輪で強引に曲がろうとして、結果的に思いどおりに曲がらなかった。対して新型は、4輪を上手に使いながら自然かつ素直に曲がってくれる。スポーティな味付けではないが、基本性能を鍛えた成果で、誰でも気負いなく高性能を実感できる走りに仕上がっている。5ナンバー規格に収めたボディサイズに加えて、最小回転半径5mと、絶対的に優れた取り回し性も運転のしやすさにプラスをもたらしている。

 快適性もハイレベル。凹凸乗り越え時の入力の少なさはもちろん、抑え込むのではなく逃がすようなショックの吸収性により、優しく、しかもフワフワではない乗り心地を実現している。車両重量や前後の重量バランスの違いからか、足の動きは、純エンジン車はスッキリした印象、ハイブリッドはシットリ感が際立つイメージである。

 運転支援デバイスは第3世代となる最新のトヨタセーフティセンスをコンパクトクラス初搭載。リスクを先読みして運転操作をサポートする「プロアクティブドライビングアシスト」は、先行搭載したレクサスNXやノア/ヴォクシーよりも制御は滑らかに感じた。
 全車速追従機能付きクルーズコントロールは電子シフトを採用するハイブリッドZに限り停止保持機能付き。メカシフトの他グレードは停止保持機能なしだ。

 新型シエンタは、見た目は小柄で優しいけれど、中身は真面目で芯の通った強さを持つ「理想のお父さん」のような1台である。価格は旧型比でアップしているが、性能向上や装備充実を考えると、むしろお買い得に感じる。

トヨタ・シエンタ 主要諸元

グレード=ハイブリッドZ(7名乗り)
価格=THS 291万円
全長×全幅×全高=4260×1695×1695mm
ホイールベース=2750mm
トレッド=フロント:1490/リア:1480mm
最低地上高=140mm
車重=1370kg
エンジン=1490cc直3DOHC12V(レギュラー仕様)
最高出力=67kW(91ps)/5500rpm
最大トルク=120Nm(12.2kgm)/3800~4800rpm
モーター最高出力_=59kW(80ps)
モーター最大トルク=141Nm(14.4kgm)
WLTCモード燃費=28.2km/リッター(燃料タンク容量40リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:27.1/29.8/27.6km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=185/65R15+スチール
駆動方式=FF
乗車定員=7名
最小回転半径=5.0m

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みんなのコメント

18件
  • シエンタもカローラと同じ。アレがコレがと宣伝合戦するからどんどんおかしな「スゴい所」が増殖しちゃうんだよ。
    じゃぁ先代ってそんなに問題だらけだったのか?と思う。
  • トヨタの新型が出るとマスコミが販促に必死なんだよなw
    やっぱトヨタは怖ぇんだw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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