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【竹岡圭 K&コンパクトカー ヒットの真相】ホンダe「RR独特のドライビングファン、航続距離もOK」

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【竹岡圭 K&コンパクトカー ヒットの真相】ホンダe「RR独特のドライビングファン、航続距離もOK」

能ある鷹は爪を隠す。非凡な先進性能がキュートなルックスで楽しめる

「小さいからって安価なクルマを作ったわけではありません。小さな高級車を目指しました」と、ホンダの開発の方にいわれたのを覚えています。

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 それもそのはず。最高出力が113kW(154ps)、一充電航続距離が259kmとしているHonda e アドバンスで495万円(編集部注:当初あったベースモデルは現在カタログモデルから消えました)。いくら315NmのV6・3リッターエンジン並みのビッグトルクを持つ電気自動車といわれたところで、4名乗車のコンパクトカーとしては、正直なところ高価ですよね。

 でも、しっかりとこのクルマの魅力を把握して、購入時に補助金があるとか、税金が安くなるとか、そういったサポートがなくても(あるに越したことはないけど)、よくよく考えればこれは価値ある価格だということに気づいた方が購入されているということで、ジワリジワリと売れ続けているのがスゴイことなんです。

 その魅力、まずクルマ好きの方には、RRというレイアウト、このRRの走り味が面白いということで刺さった方もいらっしゃるようです。モーターなのでアクセルペダルをグッと踏み込むといきなりMAXトルクが発揮できることもあり、背中をドーンと押されるような加速力は確かに爽快そのものです。

 3895mmの全長に対し、1750mmの全幅というスペックで、トレッドが広く安定感も高い、最小回転半径4.3mと小回り性も高いと、その気になればかつて遊園地にあったアトラクション、マッドマウスを彷彿とさせるような痛快な走りだって可能だったりと、かなりユニークですからね。

 また、デザインも大きな惹きつけポイントです。生命力あふれる丸いお目々を生かしたデザインは、なんとなくペット感があります。圧巻は5基のスクリーンを水平に配置した、世界初のワイドビジョンインストルメントパネルを採用したこと。

 12.3インチスクリーンを2基並べているところには、左右で異なる情報を表示できたり、それを左右入れ替えることもできたり。もちろん、つなげてドーンと表示することも可能で、さまざまなアプリがの中から水族館を選ぶと、画面を長押しすることでお魚に餌をあげることもできちゃったりします(笑)。

 そんな、先進性あふれる大画面に木目を組み合わせたモダンリビングのようなインテリアは、くつろぎ感も満点です。

 さらには、最近の気候変動なども鑑みて、V2H性能に魅力を感じる方も多いと思います。いってみれば「走れる充電池」なわけですから、いざというときも頼りになりますからね。

 実は個人的にイチバン驚いたのは、東京から白馬までドライブしたとき。なんと、もっとたくさん電池を搭載した大型SUVと充電回数が同じだったんです! この要因は、室内がコンパクトだから空調しやすいことに加えて、ACオンでも航続距離がほぼ変わらないエアコンの協調制御力の高さと、ボディサイズと形状による空力のよさだと思いました。Honda eのヒットの真相は、能ある鷹は爪を隠す実力の高さにあるようです。

ホンダ e「ヒットの真相」

1)リアモーター・リア駆動というクルマ好きに刺さるRRレイアウトを採用。BEVでも走りの楽しさにとことんこだわっている
2)モダンでシンプルなエクステリアデザインと、ワイドビジョンで先進性を感じさせるインテリアデザイン。見ていてワクワクする
3)実用的な航続距離は意外に長い! また、V2HやV2Lに対応しており、日常使いに便利かつ緊急時にも安心して使え

■主要諸元

グレード=アドバンス
価格=495万円
全長×全幅×全高=3895×1750×1510mm
ホイールベース=2530mm
トレッド=フロント:1510×リア:1505mm
最低地上高=145mm
車重=1540kg
モーター種類=交流同期電動機
型式=MCF5
最高出力=113kW(154ps)
最大トルク=315Nm(32.1kgm)
バッテリー種類=リチウムイオン電池
バッテリー容量=35.5kWh
WLTCモード一充電走行距離=259km
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションバー
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=フロント:205/45ZR17/リア:225/45ZR17+アルミ
駆動方式=リアモーター・後輪駆動
乗車定員=4名
最小回転半径=4.3m

●今回の試乗車のグレードは、ホンダe アドバンス。ボディカラーはメテオロイドグレーメタリック(op3万8500円)。ディーラーopは、ドライブレコーダー(4万9500円)とフロアカーペットマット(3万8500円)を装備し、オプションを含む車両価格は507万6500円。現在、国からのクリーンエネルギー自動車導入促進補助金は55万5000円で、その他に自治体の補助金が適用される場合がある。東京都の場合、個人で給電機能ありだと45万円。補助金合計は105万5000円になる。別売りのV2Hシステムを利用すれば、ホンダeを蓄電池のように利用できる

たけおかけい
各種メディアやリアルイベントで、多方面からクルマとカーライフにアプローチ。その一方で官公庁や道路会社等の委員なども務める。レースやラリーにもドライバーとして長年参戦。日本自動車ジャーナリスト協会・副会長。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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みんなのコメント

19件
  • ホンダはもっと尖った車を出せと言いつつ、実際出したら買わないのがホンダファン。
  • めちゃ好きなんだけど、そんなに高い車とは知らなかった。
    面白さとしては抜群なんだけど、価格を考えると、他のが候補に入るなぁ。。
    デザインから何から好きだけどな。。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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