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鈴鹿サーキットでGTE主催のGT300専有テストがスタート。CNFは対応進むも課題も残る

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鈴鹿サーキットでGTE主催のGT300専有テストがスタート。CNFは対応進むも課題も残る

 5月8日から、三重県の鈴鹿サーキットで、スーパーGT GT300クラスに参戦する21台の車両が参加し、スーパーGTに参戦するチームによって構成される組織であるGTエントラント協会(GTE)が主催する専有走行が行われた。第3戦鈴鹿まで準備期間が延長されているカーボンニュートラルフューエル(CNF)のテストのほか、多くのチームが第3戦に向けたタイヤテストを行った。

 2023年からスーパーGTでは、ハルターマン・カーレス社製のカーボンニュートラルフューエル『GTA R100』を全車に導入を目指していた。2030年にシリーズ全体のCO2排出量50パーセント削減を目指す環境対応ロードマップ『スーパーGTグリーンプロジェクト2030』の第一歩とも呼べるものだが、GT500クラスでは事前に各メーカーが対応を行い、第1戦から実戦投入されている。

【タイム結果】GTエントラント協会主催 GT300鈴鹿専有走行テスト 1日目

 一方、さまざまな車種バラエティがあるGT300クラスでは、エンジン形式もさまざまだが、これに対応するべく2022年第5戦鈴鹿の後に当初CNFテストが予定されていたものの、世界情勢の影響で到着が遅れ、2022年第8戦もてぎの翌日にテストを実施。その後、全車が初めてCNFを使用したのは3月11~12日の岡山公式テストとなった。

 ただここでは、一部のターボ車を中心に通常の燃料では起きない事象が数多く発生し、3月25~26日の富士公式テストでは一部車両が通常燃料を使用。4月3日の時点で、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは、GT300では導入に向けた準備期間を延長し、6月の第3戦鈴鹿から導入することを発表していた。

 今回鈴鹿サーキットで行われたGTEの専有走行テストは、そんなGT300車両へのCNF対応のためのもの。5月3~4日に富士スピードウェイで行われた第2戦から日も浅いが、富士で車両整備を行い、そのまま持ち込んだチームなど27台中21台が参加した。

 ただ、事前に各チームにCNF使用について確認したところ、2日間フルで使用する予定のチームもあった一方で、2日目のみの使用、もしくは一切使用を予定していないチームもあった。GT500と異なり、GT300ではもしエンジンに不具合が発生した場合はチームが修理費を負担しなければならず、万が一を想定しているようだった。

 迎えた5月8日の走行初日は、事前に雨の予報も出ていたものの、晴天に恵まれ10時からセッション1がスタートした。開始から30分ほどでDOBOT Audi R8 LMSがストップしたことから赤旗が出されているが、すぐにコースに戻った。午前は途中、デグナーでコースアウトもあったSUBARU BRZ R&D SPORTが1分57秒556でトップタイムをマークしている。

 14時からのセッション2は晴天が続いていたが、風が強いなかで行われた。開始から10分ほどというタイミングで、午前トップタイムのSUBARU BRZ R&D SPORTがヘアピンでストップ。チームの小澤正弘総監督によれば原因はまだ調査中とのことだが、エンジン補機類周辺とのトラブルとのことで、その後は走行ができなかった。セッション2の赤旗はこの1回のみで、リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが1分57秒977を記録しトップタイムとなっている。

 この日はターボ車を中心にCNFで走行していた車両が複数台あったが、岡山公式テストに比べると対応は進んでいるようで、初日はCNFに関する大きなトラブルなどは聞かれなかった。なお、CNFについてはGT500クラスでは匂いを改良したものがすでに使用されているが、今回GT300車両が使った燃料は岡山公式テストで使われたものと同じもので、やはりこれまで同様、前走車から発せられる匂い、ピット内での刺激臭などの声が多く聞かれている。

 また、ブローバイの影響かコース上のグリップが下がっていくという声も聞かれており、実際にベストタイムはセッション序盤~中盤が多いほか、午後よりも午前の方がベストタイムは速い。なお、CNFを使用しなかったチームは、第3戦に向けたタイヤテストを精力的にこなしていた。

 カーボンニュートラルフューエル使用に向け、各車両の対応が進んでいることが感じられたが、多様なエンジン形式をもつGT300では、CNFにはまだ課題もわずかに残っていることが感じられる初日となった。今後、GTEでは各チームの声を集め第3戦鈴鹿に向け検討を行っていくことになりそうだ。テストは9日まで行われる予定で、観覧も可能だ。

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