日産・スカイライン
1974年、19歳で免許をとり、初めて手に入れた車が72年型スカイライン2000GTだった。スカイラインとしては3代目。すでに次の「ケンメリ」が出ていたが、セダンらしいボクシーなスタイルのほうが好きだった。旧車の世界だと3代目は「ハコスカ」と呼ばれているが、現役のころにそんな呼び名はなく、もっぱら「スカG」として親しまれていた。
3代目は、スカイラインとしては最後のキャブレターエンジンである。ぼくの車は2000GT−X。ながーい直列6気筒エンジンにイスラム教のモスクのようなカタチのSUキャブレター2基を備え、シングルキャブのGTより10psパワフルだった。
だが、日産の中古車センターで見つけた時、ひとつ問題があった。AT車だったのだ。まだAT限定免許なんてものは考える人すらいなかった時代である。当然、自動車学校の教習車はMTだった。逆に言うと、”走り”で売るスカGのATモデルというのは稀少価値があったのかもしれないが、駆け出しのカーマニア(死語?)には許せなかった。
でも、目の前にあるのはGTよりはるかに数が少ない130psのGT-Xである。店の人にイチかバチかで聞いてみた。「これ、マニュアルに載せ換えてもらえませんか?」。すると、答はイエスだった。少しお金と時間はかかったが、なんとMTに換装してくれたのである。繰り返すが、ディーラーの中古車センターである。今ではとても考えられないことだろう。いい時代だったのだと言いたい。ただし、GT−Xが5段だったのに対して、付いてきたのはGTと同じ4段MTだった。もしまだどこかに4段マニュアルの白い72年型スカイラインGT−Xがあったら、それ、ぼくのですから。
そのスカGには本当によくお世話になった。怖いもの知らずでよく遠出もした。買ったのは秋だったが、その冬にはスノードライブに出かけた。関越道はまだ全通していなかった。東京から国道17号を北上して新潟へ出て、日本海沿いに山形県まで走った。一緒に行った大学の友人は冬の日本海が似合うカッコイイやつだったのに、免許を持っていなかった。帰路は渋川から100km以上延びるスキー帰りの大渋滞にはまったが、ツラかった記憶はまったくない。
失敗もした。ほやほやの初心者だったころ、近所の踏切に入ろうとしたところで、クラッチミートをミスってエンストしてしまった。すると、警報機が鳴り始めた。すぐにリスタートを試みたが、ちょっとカブり気味のSUツインL20型エンジンは何秒間か再始動を拒んだ。ほどなく遮断機の棒が下りてきて、ボンネットの上にボンと着地した。やっとエンジンはかかったが、バックはできなかった。フェンダーミラーの根元に首尾よく遮断棒がひっかかり、それ以上、後退することができなかったのだ。「大学生の乗り回すスカG、踏切で事故」という新聞の見出しが頭をよぎった。
でも、ことなきを得る。踏切待ちをしていたおじさんが遮断棒を持ち上げてくれたのである。
(この記事はJAF Mate Neo 2015年5月号掲載「ぼくは、車と生きてきた」を再構成したものです。記事内容は公開当時のものです)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
8年ぶり全面刷新! 日産新型「小さな高級車」登場! 全長4.3mに「クラス超え上質内装」とめちゃ“スゴいシート”採用! ちょうどイイサイズの「新型キックス」日本には来る?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
レクサス新型「“和製”スーパーカー」に反響多数! V8×超美麗ボディに「いつ登場する!?」「憧れる」の声も! 噂の「LF“R”!?」に期待高まる
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
前はキャブレターだぞ