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ベントレー・コンチネンタルGTのスイートスポットの広さは驚くほどである

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ベントレー・コンチネンタルGTのスイートスポットの広さは驚くほどである

新プラットフォームを得て、これまで以上にスポーツカーとしての性能を増したコンチネンタルGT。一方でこれまでどおり期待されるグランツアラーとしての性能も維持しているのだろうか?REPORT◉大谷達也(OTANI Tatsuya)PHOTO◉市 健治(ICHI Kenji)/三橋仁明(MITSUHASHI Noriaki)N-RAK PHOTO AGENCY※本記事は『GENROQ』2019年3月号の記事を再編集・再構成したものです。

まるでライトウェイトスポーツカーのように

サンタガタの世界観をしっかりと継承したスーパーSUV、それがランボルギーニ・ウルスだ

 箱根のワインディングロードを最新のベントレー・コンチネンタルGTで存分に走り回った。それは文字どおり贅沢なひとときだった。

 最初は全幅が2mに迫る巨体を気遣って、抑え気味のペースで走行していた。いうまでもなく箱根にはタイトで幅の狭い道が少なくない。だから、せいぜい6割程度のスピードに収めていたのだが、それでもまったくストレスを覚えない。いや、ゆっくりと流す走りがむしろ心地いいといったほうがいいだろう。それは、ドライビングに没頭していない分、しつらえのいいインテリアを愛でたり、窓の外を流れる景色を静謐なキャビンから眺める心の余裕が生まれるためだが、それと同時に、ゆっくり走らせても乗り手に心地いい時間をもたらす懐の深さをコンチネンタルGTが備えているからでもある。

 ゆったりしたストローク感のあるサスペンションが路面からの入力を鷹揚に受け流し、排気量6.0ℓW12エンジンはボトムエンドから溢れるようなトルクを生み出す。ステアリングからのインフォメーションは限定的だが、それがまたドライバーをリラックスさせる作用を生む。間違っても、クルマのほうから「さあ、踏め!もっとスピードを出せ!」と誘惑するタイプではない。


 ひとしきり走ったところで、もう少しペースを上げてみる。限界の8割ほどだろうか。するとコンチネンタルGTはそれまで想像できなかったほどの俊敏さを発揮し、タイトコーナーでも狙ったラインをピタリとトレースするレスポンスの良さを示し始めた。心なしかステアリングインフォメーションも豊富になったようだ。おかげで、それまでは巨大に思えていたボディがふたまわりほどもコンパクトになったかのように感じられたのである。

 これに気をよくして高速コーナーが続くサーキットで限界まで攻め立ててみたのだが、これが圧巻だった。アクティブアンチロールバーの効果なのか、ハードコーナリングでもロール量はしっかりと規制されており、4輪が均等に接地していることが実感できる。しかも、限界を迎えても4輪が適度な接地感を保ってバランスよく流れるため、オーバーやアンダーに陥ることもなく、まるでライトウエイトスポーツカーのような反応を示すのだ。


 その秘密は新型コンチネンタルGTに搭載された様々な可変制御技術にあるに違いない。エアサスペンションはスプリングレートの制御幅が広い3チャンバー式に進化し、前述したアクティブアンチロールバーと組み合わされる。そして4輪駆動システムには油圧多板式クラッチを用いた電子制御式を採用、従来は前後40対60で固定式だった前後のトルク配分を38対62から0対100の範囲で可変できるようになった。先代のトルコン式ATからDCTに改められたギヤボックスも、よりスポーティな走りを実現するのに貢献しているはずだ。

 こうしたテクノロジーを採用することで、新型コンチネンタルGTはどんな速度域でもファン・トゥ・ドライブが堪能できる、恐ろしくスイートスポットの広いグランツーリズモに仕上がったのである。

SPECIFICATIONS ベントレー・コンチネンタルGT
■ボディサイズ:全長4850×全幅1954×全高1405mm ホイールベース:2851mm
■車両重量(EU):2244kg
■エンジン:W型12気筒DOHCツインターボ 圧縮比:10.5:1 総排気量:5950cc 最高出力:467kW(635㎰)/6000rpm 最大トルク:900Nm(91.8kgm)/1350~4500rpm
■トランスミッション:8速DCT
■駆動方式:AWD
■サスペンション形式:Ⓕダブルウイッシュボーン Ⓡマルチリンク
■ブレーキ:Ⓕ&Ⓡベンチレーテッドディスク
■タイヤサイズ:Ⓕ265/40ZR21 Ⓡ305/35ZR21
■パフォーマンス 最高速度:333km/h 0→100km/h加速:3.7秒
■環境性能(EU複合モード) 燃料消費率:12.1ℓ/100km CO2排出量:278g/km
■車両本体価格:2568万円

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