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サイモン・ワグナーも『シュコダ・ファビアRSラリー2』にスイッチ。イギリス王者もERC昇格か

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サイモン・ワグナーも『シュコダ・ファビアRSラリー2』にスイッチ。イギリス王者もERC昇格か

 2023年は3月11~12日の週末に開幕を迎えるERCヨーロッパ・ラリー選手権でのチャンピオンシップ制覇に向け、オーストリア出身のサイモン・ワグナーが体制を強化。来季より本格デリバリーが始まる真新しいシュコダ・モータースポーツ製の新型モデル『ファビアRSラリー2』にスイッチし、ERCでのチャンピオン獲得に意欲を燃やしている。

 また、2022年は『フォルクスワーゲン・ポロGTI R5』をドライブし、BRCイギリス・ラリー選手権を初制覇したオシアン・プライスも、2023年はERCに昇格して複数ラリーへのチャレンジを検討している。

チェコ出身23歳のエリック・カイス、2023年は新型『シュコダ・ファビアRSラリー2』にスイッチ/ERC

 2021年、そして2022年と連続してオーストリア国内選手権のタイトルを獲得した29歳のワグナーは、ともにチャンピオンに輝いた先代ファビア・ラリー2エボに別れを告げ、来季1月に開催されるオーストリア北部フライシュタットを拠点とする国際イベント『イェンナー・ラリー』に、新型『シュコダ・ファビアRSラリー2』を投入。3月から始まるERCキャンペーンの全8戦で、最新モデルをドライブする。

「シーズン序盤の結果に満足しているなら……そうだね。来季こそは完全なチャンピオンシップを戦い、最終的な栄冠を追い求めるべきだよね」と、新年度への意気込みを語ったワグナー。

「もちろん結果次第だけどね。最初の4~5戦は確実に出場することになる。もし、シーズンを表彰台(ドライバーズランキング上位)で終えるチャンスがあれば、このプランに固執し、それ(タイトル)を目指したいと思っている。新しいマシンとミシュランタイヤという、可能な限り最高のパッケージが整っているからね」

 来季もハンガリーに拠点を置くユーロソル・レーシングが、ふたたびラリーの実戦部隊を担う体制となるが、2022年は4戦に出場したワグナーは、グラベルの『アゾレス・ラリー』と、こちらはターマックの『バルム・チェコ・ラリー・ズリーン』でともに表彰台を獲得し、サーフェスを問わずに完全な競争力を証明するペースを披露してみせた。

 そのワグナーは旧型となる“エボ”から、新型“RS”へのステップアップについて問われると、そのでき栄えに「非常に感銘を受けた」ことを認める。

「つまり、クルマの90%はまったく新しいものになっているんだ。プラットフォーム自体が新型で、全体的に大きくなってはいるが、古いものとよく似ているところもある。シュコダは本当に素晴らしい仕事をしたと思うよ」と、このオフには元ERC王者アンドレアス・ミケルセンの手で実戦デビューも果たした“RS”を評するワグナー。

■欧州最高峰チャレンジを狙うプライス。慣れ親しんだステージなら「競争力を発揮できる」
「確かにこのクルマは開発中に多くの走行距離を走破したようだね。ただ誰もが知っているように、すでに7~8年はかけて開発されたものより優れた新しいモデルを、たった1年で構築することは容易ではない」と続けたワグナー。

「この世界で大成功を収めたファビア・ラリー2エボに対し、この新しいクルマはもっと良くなるとは確信しているが、シーズン中にどれだけ改善できるかを見なければならない、とも思っている」

 一方でウェールズ出身のプライスは、ここ数年のBRCで印象的な戦果を残してきたが、2022年は年間4勝を挙げてついに念願のタイトルを獲得。前出のワグナーと同じく現在29歳のプライスは、イギリス王者の称号を手にさらなる上昇軌道を継続することを熱望しており、2023年に向け欧州最高峰の選手権にチャレンジするという野心を抱いている。

「ブリティッシュ・チャンピオンシップで優勝することは、僕にとってここ何年かで最大の挑戦だった」と、家族経営の建設会社を手伝いながら競技生活を送っているプライス。「明らかに今は、そのボックスにチェックを入れた段階で、次に来る質問は『来年、僕は何をすべきだろう?』ということになる」

「何年もBRCに携わってきたし、少しトリッキーな状況だけど本当に新しいことに足を踏み入れる時がきたと思う。僕自身は前に進み続けたいと思っているし、その点でもERCは非常に魅力的に見える。WRCに倣ったコンセプトで運営され、良い競争があり、素晴らしいラリーがあり、すべてが揃っている。もちろん世界選手権は最終的な目標だけど、現実的になる必要もある」と続けるプライス。

 控えめな言葉に終始したBRCチャンピオンだが、2017年のラリー・フィンランドではWRC2で総合4位に入賞した経歴も持ち、ある程度慣れ親しんだステージを使用するラリーなら「メインカテゴリーでも競争力を発揮できるのでは」とも見ている。

「本当にどんなことでもそうだね。以前にそこに行ったことがあるなら、それは有利に違いないんだ。当時は(前輪駆動の)R2規定モデルだったけど、ポルトガル(ファフェ)には行ったことがある。そこに行き、地形を知っていることだけでも明らかな利点だよ」とプライス。

「レベルが違うことは分かっているし、毎年のように出場している選手たちも大勢いるが、そのような特定のラリーで何ができるかを見てみたい。たとえ3戦か4戦だけでも、すべてを整えて『よし、そこに集中する』と言ったほうが現実的だし、手を広げてやりすぎるのではなくね。そうすれば報われると思うんだ」

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