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ポルシェ初のEVスポーツカー「タイカン」!他メーカーが諦めていた2速変速機を採用

掲載 更新 12
ポルシェ初のEVスポーツカー「タイカン」!他メーカーが諦めていた2速変速機を採用

スポーツカーとしての資質の高さ

 2015年のフランクフルトモーターショーでコンセプトカーの「ミッションe」が発表されて以降、ポルシェが市販EV(電気自動車)を開発していることはアナウンスされていた。それゆえEVの「ポルシェ・タイカン」の発売自体に大きな驚きはないものの、導入された技術はポルシェならではの革新に満ちたものだった。そこでタイカンの何がスゴいのかを少しだけかいつまんでみてみよう。

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 まずはポルシェ・タイカンのおおまかな概要から。前述の通り、ポルシェ・タイカンは電気モーター駆動のEV。パナメーラと同様の4ドア4人乗りというパッケージングながら、テールに向かってなだらかなカーブを描きながら落ち込んでいくルーフラインは、ポルシェの代名詞である911と共通で、ひと目でポルシェとわかるデザイン。

 前後に1つずつモーターを搭載。それぞれが前輪・後輪を駆動するデュアルモーターの4WDだ。ポルシェが用意する3つのグレード、「S」「ターボ」「ターボS」のうち、最もハイパフォーマンスな「ターボS」の最高出力が460kW(625馬力)で、これは2.5秒間だけ有効となるオーバーブースト時は560kW(761馬力)まで増大。瞬間的ではあるが、史上最強のポルシェ911とされるGT2 RSの700馬力を上回るのだ。その速さは推して知るべしだろう。

 そんなタイカンのスゴいところがスポーツカーとしての資質の高さだ。最高速度こそ260km/hだが、スイッチオンで最大トルクを発するEVのメリットを活かした0-100km/h加速はわずか2.8秒。これはブガッティ・ヴェイロンやマクラーレンP1と同じ数値で、ランボルギーニ・アヴェンタドールよりも速い。

 さすがに車両重量約2300kgのタイカンが、これらスーパースポーツに総合的な速さで敵うことはないが、それでもタイカンはニュルブルクリンク北コースを7分42秒で走り、フル電動4ドアスポーツカーの記録を更新。スポーツカーとしてのバランスのよさと潜在能力の高さを証明している。

EVとしては異例となる2速変速機を搭載

 そして、タイカンのスポーツカーとしての資質以上に革新的でスゴいのが、EVとしては異例となる2速変速機だ。トルクバンドの太いEVは街乗りのほとんどをひとつのギヤでまかなえてしまうため、他のメーカーはEVに変速機を用意することはしてこなかった。

 じつはかつてはテスラも変速機を開発していたが、どうしてもモーターが瞬間的に発する強大なトルクに耐えられる変速機を用意することができず、それは今でも実現していない。しかし、ポルシェは諦めなかった。EVに変速機があれば、電費でも最高速でも有利になることは明らかで、どちらもポルシェは譲らなかったわけだ。かくしてタイカンには変速機を搭載。EVに変速機、これはもしかしたら今後のEVのトレンドを変えてしまうもしれないほどのインパクトなのだ。

 もうひとつ、変速機以外にもタイカンのスゴさを感じられるのがEVシステム電圧だ。単純にシステム電圧は、電圧が大きくなればなるほど充電に必要な時間が短くなる。一般的なEVのシステム電圧は400V、対するタイカンは800V。これによりタイカンは350kWまでの充電出力に対応し、わずか5分で100kmを走行するのに必要な電気をチャージする。

 残量5%のバッテリーを80%まで充電するのに必要な時間も22分30秒とこれまでのEVとは比較にならないほどの急速充電を可能にしている。EVにとって充電時間の長さはネガティブな要因だけに、800Vのシステム電圧は素直にうれしい。が、これにはオチがある。

 それはインフラの整備だ。350kWの急速充電機の設置が追い付いていないのだ。現状の日本においては急速充電機CHAdeMOの出力はほぼ50kW。せっかくタイカンが350kWの充電出力に対応しているのに、その能力をフルに発揮させることはできない。

 ポルシェジャパンは全国のポルシェセンターと公共施設を中心に150kWのCHAdeMOの設置を進めるというから、限定的ではあるが、当面は150kWでの充電で我慢することになる。なるべく早くにタイカンの能力のすべて発揮される環境が整うことを願うばかりだ。

 とかくスーパースポーツEVとして、パフォーマンスばかりに注目されがちなタイカンであるが、じつはそれ以外のところもスゴいということを知っておくと、いかにタイカンが革新的なEVであるかが実感できるというもの。やっぱりポルシェはスゴいメーカーだ。

PORSCHE TAYCAN TURBO S(ポルシェ タイカン ターボS)

価格未定

全長×全幅×全高:4963×1966×1378mmホイールベース:2900mm最高出力:460kW(625馬力)ローンチコントロール時オーバーブースト出力:560kW(761馬力)ローンチコントロール時最大トルク:1050N・m0-100km/h加速:2.8秒最高速度:260km/h

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みんなのコメント

12件
  • 皆さんまーいいじゃないですか。
    頑張って、記事書いたんだから、
    だってAuto Messe Webさんですよ。
    レーシングカーとチューニングカーの違いも分からない人たちだから。
    頑張った、頑張った
  • 800V充電凄さ以上に怖さを感じる。
    万が一感電したら即死レベル。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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