現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > バブル崩壊後のマツダ「クロノス」の悲劇とは?「カペラ」後継機種として華々しくデビューする予定が残念な結果に

ここから本文です

バブル崩壊後のマツダ「クロノス」の悲劇とは?「カペラ」後継機種として華々しくデビューする予定が残念な結果に

掲載 52
バブル崩壊後のマツダ「クロノス」の悲劇とは?「カペラ」後継機種として華々しくデビューする予定が残念な結果に

なめらかな曲線が美しいクロノス

1990年代初頭に訪れたマツダの経営危機。その元凶として語られることも多い車種が「クロノス」だろう。バブル崩壊直後の1991年10月に登場したクロノスは、それまでのマツダの看板車種のひとつである「カペラ」の後継車種として華々しいデビューを飾るハズだったモデルだ。結果的に知名度のあるカペラの名前を捨ててしまったことで、販売面で苦戦を強いられることとなってしまったクロノスだが、果たしてクルマとしての実力はそこまで酷評されるものだったのだろうか?

1992年は国産車の「大殺界」だった!? 「クレフ」「エメロード」「MX-6」「アスコットイノーバ」残念な短命車9選

全幅1770mmの3ナンバーに大変身

まずエクステリアだが、カペラのように5ナンバーに固執することなく、全幅1770mmのワイドなボディとなった。それまで主流だった角ばったデザイン(先代のカペラも同様だった)から、なめらかな曲線を多用したグラマラスなデザインへと一変。

ただキャビンは当時流行していた4ドアハードトップ車のように低められることはなく、大人4人がゆったりと乗れる居住性を兼ね備えていた。

またボディサイズが拡大し、側面衝突に対応するためのサイドインパクトビームなどがドアに内蔵されていながらも、軽量化も同時に実施することでカペラに対する重量増は最小限に留められていたのも美点と言えるだろう。

当時のV6としては最小排気量のエンジンだった

搭載されるエンジンも、デビュー当初は新開発のV型6気筒の1.8Lと2Lのみのラインナップで、同クラスのライバル車種にはないゆとりを表現し、1.8Lエンジンは当時のV6としては最小排気量であることも特徴となっていた。

のちに4WDモデルを追加した際に直列4気筒2Lエンジンを搭載し、1992年3月にはカペラ時代にも設定されていたPWS(スーパーチャージャー)付き2Lディーゼルなども追加されるが、あくまで本質はV6エンジンということで、1992年5月には200psを誇る2.5L V6エンジン搭載車も追加設定された。

このV6エンジンは当時の新開発エンジンということもあり、シルキーな回転フィールと意外にも低回転からトルクのある乗り味は好事家からは一定の評価を集めたのだが、当時はバブル崩壊後で急激に消費が冷え込んでいったタイミングであり、優雅さや余裕、ゆとりといったワードが歓迎されなくなりつつあったのもクロノスの販売が低調となった要因のひとつであることは間違いないだろう。

また当時同時に推し進められていたマツダ5チャネル戦略により、クロノス派生の兄弟車が乱発されてしまったのも不幸の要因のひとつ。バブル景気が続いていればさまざまな需要に対応できていたかもしれないが、バブル崩壊後のタイミングでは「どのクルマを買えばいいのかわかりにくい」というネガティブ要素が先に来てしまったのも不幸というほかない。

このように、冷静に考えてみるとクロノス自体は魅力的なモデルに仕上がっていたものの、登場した時代背景によって不人気車となってしまったとも言え、「クロノスの悲劇」とは、クロノスによってもたらされた悲劇というよりは、クロノスが被ってしまった悲劇と受け取ることもできるのではないだろうか。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【インド】全長5m級! トヨタ新型「カムリ」発表! 伝統の「FF最大・最上級セダン」が登場! 斬新“サメ顔”採用した「11代目モデル」の姿とは!
【インド】全長5m級! トヨタ新型「カムリ」発表! 伝統の「FF最大・最上級セダン」が登場! 斬新“サメ顔”採用した「11代目モデル」の姿とは!
くるまのニュース
KDDI、SF新チーム『KDDI TGMGP TGR-DC』のメインスポンサーに就任。人財育成を支える
KDDI、SF新チーム『KDDI TGMGP TGR-DC』のメインスポンサーに就任。人財育成を支える
AUTOSPORT web
[カーオーディオ・素朴な疑問]パワーアンプ編…「クロスオーバー機能」って何? 使う利点は?
[カーオーディオ・素朴な疑問]パワーアンプ編…「クロスオーバー機能」って何? 使う利点は?
レスポンス
Juju、SF参戦を通して“クルマづくり”で成長見せる。話題を呼んだ強気のバトルは「郷に入れば郷に従え」の考えも
Juju、SF参戦を通して“クルマづくり”で成長見せる。話題を呼んだ強気のバトルは「郷に入れば郷に従え」の考えも
motorsport.com 日本版
布製チェーンの装着体験もできる!プロスタッフ、カーケミカル製品を展示販売でアピール…東京オートサロン2025
布製チェーンの装着体験もできる!プロスタッフ、カーケミカル製品を展示販売でアピール…東京オートサロン2025
レスポンス
トヨタGR、2025年も『もっといいクルマづくり』に向けS耐とニュルへ挑む。プロ11名を発表
トヨタGR、2025年も『もっといいクルマづくり』に向けS耐とニュルへ挑む。プロ11名を発表
AUTOSPORT web
【中国】ホンダ新型「イエ P7」公開! パワフルな「4WD」採用の「超スポーティSUV」! クーペ風な流麗ボディが美しい「新モデル」登場
【中国】ホンダ新型「イエ P7」公開! パワフルな「4WD」採用の「超スポーティSUV」! クーペ風な流麗ボディが美しい「新モデル」登場
くるまのニュース
鮮やかな赤のコスモスポーツや白のトヨタ2000GTなど…アクト冬フェス~クリスマスファイナルクラシックカーミーティング
鮮やかな赤のコスモスポーツや白のトヨタ2000GTなど…アクト冬フェス~クリスマスファイナルクラシックカーミーティング
レスポンス
【愛犬家必読】車内のしつこい動物臭を消す方法は? ペットによる車内の汚れや抜け毛を一気に解決! プロ直伝のクリーニング方法とは
【愛犬家必読】車内のしつこい動物臭を消す方法は? ペットによる車内の汚れや抜け毛を一気に解決! プロ直伝のクリーニング方法とは
Auto Messe Web
TOYOTA GAZOO Racing、2025年もTGR-DCを通じ若手を育成。中村仁の海外挑戦も明らかに
TOYOTA GAZOO Racing、2025年もTGR-DCを通じ若手を育成。中村仁の海外挑戦も明らかに
AUTOSPORT web
高速道路「深夜割引の見直し」が“延期”へ システム整備に時間 「申し訳ない」
高速道路「深夜割引の見直し」が“延期”へ システム整備に時間 「申し訳ない」
乗りものニュース
トヨタ、2025年全日本ラリーへ向け体制拡大。DAT搭載GRヤリスのJN-2出走や、平川真子起用を発表
トヨタ、2025年全日本ラリーへ向け体制拡大。DAT搭載GRヤリスのJN-2出走や、平川真子起用を発表
AUTOSPORT web
EVとかガン無視だけど「これでいいんだ日産」! 北米のSEMAショーに出した4台の激熱カスタムに「売っちゃえ日産」!!
EVとかガン無視だけど「これでいいんだ日産」! 北米のSEMAショーに出した4台の激熱カスタムに「売っちゃえ日産」!!
WEB CARTOP
スタッドレスタイヤ装着するなら「アルミホイール」が最適! なぜ「スチールホイール」はNGなの? “鉄製”がオススメできない理由とは?
スタッドレスタイヤ装着するなら「アルミホイール」が最適! なぜ「スチールホイール」はNGなの? “鉄製”がオススメできない理由とは?
くるまのニュース
トヨタGRが2025年SF参戦体制発表。人材育成目的の新チーム、新外国人3名含む13台に
トヨタGRが2025年SF参戦体制発表。人材育成目的の新チーム、新外国人3名含む13台に
AUTOSPORT web
「F1表彰台」「インディ500を2度優勝」の佐藤琢磨の息子「凛太郎」のF4挑戦はいかに! 最速の遺伝子をもつルーキーの闘いを追った
「F1表彰台」「インディ500を2度優勝」の佐藤琢磨の息子「凛太郎」のF4挑戦はいかに! 最速の遺伝子をもつルーキーの闘いを追った
WEB CARTOP
パイオニア、ミラー型ドライブレコーダー「VREC-MS700D」を2025年1月発売
パイオニア、ミラー型ドライブレコーダー「VREC-MS700D」を2025年1月発売
日刊自動車新聞
【カナダ】5リッター「V8」搭載! レクサス新「IS」登場! 鋭いヘッドライトが超カッコイイ! 480馬力超え&鮮烈イエローの「IS スペシャル アピアランス パッケージ」加国で発表
【カナダ】5リッター「V8」搭載! レクサス新「IS」登場! 鋭いヘッドライトが超カッコイイ! 480馬力超え&鮮烈イエローの「IS スペシャル アピアランス パッケージ」加国で発表
くるまのニュース

みんなのコメント

52件
  • この悲劇+販売チャンネルを増やしすぎて車種の棲み分けが、ややこしくなり、やがて失敗。
  • ドイツやベルギーなど、欧州での評価は高かったですよね。

    本当は下手に兄弟車を増やさずに、クロノス1本で行った方がビジネス的には正しかったんだろうけれども、兄弟車をたくさん作った事によりマツダのデザイン力が向上した側面もあるから、歴史的には意義があったとも言える。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

194.2233.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
クロノスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

194.2233.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村