プレミアム・スポーツのフラッグシップタイヤ「ポテンザ S007A」の実力vol.2
ボテンザS007Aの試乗会は、栃木県那須のブリヂストン プルービンググラウンドと、その周辺の一般道で行なわれた。プルービンググラウンドでは、ポテンザS001とポテンザS007Aの新旧比較テストも行なったので、さっそくレポートしよう。<佐藤久実/Kumi Sato>
最初のメニューは散水してかなりヘビーウェットのコースで、ウェットハンドリングを確認。試乗車は、ジャガーXE。装着タイヤサイズは、S001、S007Aともに225/45R18だ。はじめに、旧モデルであるポテンザS001で走行。コースはアップダウンやアンジュレーションがあり、さらに散水しているため場所によって水深も異なる。だから限界域近くで走っていると、コーナーによってアンダーステアやオーバーステアも見られた。が、ジャガーXEはサルーンカーであり、ステアリングの手応えもあるため、比較的安心して走れた。
続いてS007A装着車に乗り換える。ブリヂストンによればウェット性能はこれまでのS001と同等とのこと。2ラップずつしか走行できていないこともあり、正直、明確な性能差は体感できなかった。定量的なテストをできるコースではないが、新旧のタイヤはまったく同じキャラクターという印象でもなかった。絶対的なグリップはともかく、全般的にオーバーステアが少なく、安定感の高さを感じられた。
続いてはドライのハンドリング路でのテストだ。ここではアウディA4とトヨタ86でテストを行なった。最初の車両はアウディA4で、装着タイヤサイズは225/50R17。ここで、タイヤチョイスの難しさを実感した。アウディA4とS001、残念なほど相性が悪いのだ。A4はドイツプレミアムブランドの名に恥じない良いクルマだし、S001も長年の実績あるスポーツタイヤ。ところが、これが組み合わされると実に印象が悪い。
まずコーナーでステアリングを切り込むも手応えが薄く、初期応答も悪い。サルーンカーのゆとりとはいえない感じで、操舵の切り足しや戻しがあったりでステア操作がスムースではなくなる。結果的に、クルマの姿勢もますます作りにくくなるという負のスパイラルにハマって行く。そのせいもあるのだろうか、グニャグニャと剛性感もなく、足元のしっかり感や安心感もなかった。
一方、S007A装着車に乗り換えると、明確な違い、そして明らかな進化が感じられた。A4がクルマ本来のキャラクターを発揮しながら生き生きと走る。ステアリングの手応えがあり、切り始めの初期から穏やかながらも応答するため、コーナー進入で姿勢が作れて無駄な操舵がない。クルマもタイヤもお互いに、特性を発揮している感じで、ドライバーにとっても乗りやすく快適だった。
次に乗ったのはトヨタ86。アウディA4とはまったくキャラクターの異なるクルマだが、こちらは新旧タイヤともに相性は良い。とはいえ、特性の違いは感じられた。S001はコーナーの入り口でステアリングを切り込むと、シャープにノーズが入り込み、ヨーが発生し、そのフロントに追従するように自然な動きでリヤもロールしていく。
一方、S007Aはドライバーの入力に対し、フロントからリヤへの伝達が早く瞬時に向きが変わるような印象。一体感があり、まるでクルマのボディ剛性が上がったかのような感覚だ。旋回性能が高いので、結果的に立ち上がりでアクセルも早く開けられる。テストコースで速度制限もあったため、正確なタイム差はどの程度なのかわからない。もちろん、絶対的なグリップも向上しているが、応答性やコントロール性が良くなった分、速さにつながるというのが体感的な印象だった。
86に対してはS007Aはややオーバークオリティとも言えるタイヤチョイスではあるが、「大人のスポーツ」を楽しみたい方にはオススメだ。
テストコースでは、主に限界域でのグリップやハンドリング特性が確認でき、S001に比べてS007Aの進化を実感できた。
さて、午後は一般道試乗で快適性を確認した。試乗車はメルセデス・ベンツEクラスとジャガーXEで、装着サイズはEクラスが225/55R17、ジャガーXEは225/45R18だった。
ラグジュアリーなEクラス、プレミアムながらもスポーティ感を強めたジャガー。それぞれのクルマのキャラクターを尊重しつつ、S007Aは縁の下の力持ちとしての役割を発揮した。
荒れた路面でも角がなく快適な乗り心地だ。その一方で、良くも悪くも路面からの入力がダイレクトに伝わる。この辺りがタイヤチョイスのポイントになるのではないだろうか。サルーンカーとはいえ、しっかりした手応えやドッシリしたグリップ感、そしてキビキビとスポーティに走りたい志向の方にとってはスポーツタイヤのS007Aがオススメ。
一方、より快適性重視ならプレミアム志向をチョイスとなるだろう。新しくなったポテンザS007Aは、さらに高いドライ性能を得て、クルマを気持ち良く走らせてくれるタイヤだと思った。
※関連記事:ブリヂストン ポテンザS007への採用技術を詳細チェック
ブリヂストン 関連情報
ブリヂストンタイヤ 公式サイト
ブリヂストン 公式サイト
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「なんで“鳴らした”!?」 後続車の「クラクション」に“イラ”っと! 一度は感じる「ブレーキ問題」! 見直すべき“ブレーキ技術”とは
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?