シエンタ トヨタ内の役割は?
ハイトパッケージングにセンターピラーレスのスライドドアを採用した「ラウム」、左側ドアを大開口スライドドアとした「ポルテ」。
【画像】新型シエンタ 5人乗り/7人乗り 比べる【お好みは2列車or3列車?】 全56枚
3列シートとスライドドアにより多用途性が向上した「シエンタ」とともに、トヨタのユニバーサルデザインコンセプトを象徴するモデルだったが、すでにラウムとポルテはラインナップから整理されている。
この抜けた2モデルを補完するのもシエンタである。
さらに主適応用途別ラインナップの面ではワゴン型ミニバンのウィッシュやプリウスαの後継にも位置付けられ、派手やかさはないもののファミリー&レジャー向けトヨタ車ではカバーレンジの広いモデルとなっている。
プラットフォームは、ヤリスやアクアにも採用されるGA-B。パワートレインも同系統で1.5L 3気筒のガソリン車とハイブリッド車が設定される。
ハイブリッド車はシエンタでは贅沢仕様といった感じで、前記した現行型の位置付けではウィッシュやプリウスαの後継的役割。
試乗した内燃機車はシエンタ本来の車格やコンセプトに沿ったモデルであり、タウン&レジャー向けの実践力とコスパがセールスポイント。経済的負担少なく生活を豊かに愉しくするためのモデルである。
120ps/14.8kg-m どんな感じ?
搭載するのは熱効率向上型の新世代エンジンとして開発されたダイナミックフォースエンジン。大容量クールドEGR、強タンブル流吸気、急速燃焼などの技術が導入されている。
ボア×ストロークやヘッド/クランク周りの基本構造は、RAV4等に採用されている2Lと共通。
つまり、4気筒2Lから1気筒減らして3気筒1.5Lに仕立て直したエンジンと理解してもいい。
燃費向上を主眼としているため誇るようなパワースペックではないが、実用性能と燃費を高水準で両立させる制御が妙味。
巡航回転数を2000rpmとして、緩加速では比較的浅いアクセル踏み込みで手応え良く速度を乗せていく。低中速域ならちょっとくらい元気に加速させても3000rpmを超えるかどうかで済ませる。
加速しながらじわじわとアップシフトする等のCVTならではの変速制御の効果も大きいのだが、スロットルの大開などのエンジンとCVTの統合制御が巧み。踏み込み直後のトルクの立ち上げが早く、それも“スペック以上の力感”に繋がっている。
ただし、最大トルクは14.8kg-mであり、発生回転数は5000回転前後。高速域での追い越し等の急加速では高回転を多用し、1.5L車なりの動力性能になってしまう。
一般的なドライブの使い方なら、運転状況の八割方はスペック以上の力強さ、二割は1.5Lでは仕方ない、といった感じだ。
1.3t級の車重とプラットフォーム
付け加えるなら「力強い」と感じさせる領域で走らせているなら燃費にも優しく、ドライバビリティの面でも実用性能と燃費が上手に両立されている。
ヤリスやアクアと同系プラットフォームといっても車体はヤリスより一回り大きく、車重の嵩むハイブリッドのアクアよりも200kg近く重い。
GA-Bプラットフォームでは最も負担の大きなモデルである。だからといってサイズや重さに負けているとも思わない。というか勝負していない。
シエンタは初代からタウンユースにも気軽な運転感覚と穏やかな乗り心地を特徴とする。乗り味もユニバーサルデザインなのだ。
フットワークの軸脚は低中速域のバランスのよさに置かれ、運転していても高性能とかクルマ好きの求めるファントゥドライブは一切ない。
ならば高速走行やコーナリングは苦手か?
得意とは言えなくても、不安を感じたり速度や舵角の修正補正操作が忙しいわけでもなく、何とはなしに“収まるところに収まる”ようなタイプ。
いい意味で操る手応えがない。気楽に穏やかにドライブするにはちょうどいい。
乗り心地・シートの数について
乗り心地は和み系だが、揺れ返し等の収束性が今ひとつ。
ドタブルとした振動や突き上げはあまりなく、乗る人に優しい乗り心地だが、粘りとか据わりに欠けている。
サス周りだけでなく車体全体で減衰感が乏しく、浮ついた感じが少々気になる。
もっとも、それも含めてファミリーユースのスペシャリストでもあるシエンタらしい。
市場でのライバル車としてはコンパクトサイズの3列シートという点でフリードが挙げられるが、こちらは1BOX型ミニバンの系統。
一方、シエンタは多用途型とはいえ、荷室に補助席を備えたステーションワゴンというタイプである。
代を経る毎にサードシートの居住性を改善しているが、サードシート収納がシエンタの標準と考えるべき。ちなみに2列シート仕様もラインナップする。
内燃機車か、ハイブリッド車か
同グレードにおける上位モデルとして設定されるハイブリッド車とガソリン車の価格差は約35万円。
最上級のZ系では「ACCの停車保持」の有無の違いがあるが、基本装備設定は共通である。
WLTCモード燃費の差は、ハイブリッド車の約10km/L減。この燃費差で価格差を埋めるには、ガソリン単価が160円/Lとして11万km以上の走行距離が必要となる。
ハイブリッド車には高速・山道での動力性能のアドバンテージや燃料価格高騰にも安心というメリットがあり、圧倒的にガソリン車が経済的とも言い難い。
ただ、グレード間価格差は「X」に対して「G」が約30万円高、「Z」が約50万円高であり、ガソリン車なら同予算でハイブリッド車より1ランク上のグレードを選択できる。
グレード別の装備内容に関しては使い方次第だが、長距離用途の機会が少ない、または買い換えまでの距離がそれほど伸びないなら、ガソリン車を選択して上位グレードの選択やOPの充実を図るのも費用対効果では得策だ。
シエンタZ(5人乗り) スペック
価格:252万円
全長:4260mm
全幅:1695mm
全高:1695mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費:18.4km/L(WLTCモード)
CO2排出量:126g/km
車両重量:1280kg
パワートレイン:直列3気筒1490cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:120ps/6600rpm
最大トルク:14.8kg-m/4800-5200rpm
ギアボックス:CVT
乗車定員:5名
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