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さみしすぎる!! さよならも言わずにひっそり去っていった名車たち(涙)

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さみしすぎる!! さよならも言わずにひっそり去っていった名車たち(涙)

 どんなものにも始まりがあれば終わりがある。もちろん、クルマも例外ではなく、鳴り物入りのデビューを飾った、一世を風靡したにもかかわらず、ひっそりと生産終了していた……というクルマは数えきれない。今回は、特に「去り際がさみしすぎる!!」と感じずにはいられないクルマをピックアップしてみたい。

文/関谷明日香、写真/トヨタ、ダイハツ、日産、ホンダ、FavCars.com

さみしすぎる!! さよならも言わずにひっそり去っていった名車たち(涙)

晩年がさみしすぎた!! コンパクトカーの概念を覆した名車 「日産 マーチ」

8年半ぶりにフルモデルチェンジをした4代目。かわいらしい印象が強かったマーチから一新、力強くスタイリッシュなスタイルへとチェンジしたものの……

 マーチは、初代モデル(1982年~1992年)、2代目モデル(1992年~2002年)、3代目モデル(2002年~2010年)、そして現行となる4代目モデルは2022年で12年目を迎えるという、日産のロングセラーモデルのひとつ。そんなマーチが、悲しいことに2022年8月をもって生産終了となった。

 初代は近藤真彦さんをイメージキャラクターに据え、「マッチのマーチ」のCMも大きな話題となるなど、鳴り物入りのデビューを果たし、セールス的にも大成功を収めた。

 初代の人気を凌駕したのが1992年1月に登場した2代目で、安かろう悪かろうというコンパクトカーの概念を覆したと言われるほどの大ヒットモデルとなった。その人気はとどまることを知らず、1998年には派生モデルとして、ハイトワゴンのキューブが誕生している。こちらもヒットモデルとなった。

 しかし、その後の3代目、4代目は思うように販売台数を伸ばすことができず……。そんな状況のなか、日産はマーチと同じ5ドアハッチバックであるノートにe-Powerを搭載するなど、コンパクトカー戦略を刷新。しかし、マーチにはこれといった変更は加えられないまま時は過ぎていった……。

 そして、ついに日本では姿を消すことになってしまった。一世を風靡したコンパクトカーにもかかわらず、ラストの限定車などといった有終の美を飾るような施策もなく……。コンパクトカーの概念を覆した名車の去り際としてはあまりにさみしすぎる!

 しかし! ほんの少し明るいニュースも。メキシコでのマーチの人気は根強く、e-Power搭載モデルも発売間近となっている。今後、マーチが逆輸入車として凱旋してくる……かもしれないことをちょっと期待したい。

ホンダの技術力の高さを見せつけた革新的HVだったが……「ホンダ インサイト」

初代は燃費性能を最優先、2代目は低価格でハイブリッド車の普及を目指した。そして最後となった3代目は、ミドルサイズの4ドアセダンの上質でスポーティなハイブリッド車に生まれ変わった

 1999年に登場して以来、ホンダのハイブリッド専用車として3世代に渡って国内販売されてきたインサイト。

 1999年にデビューした初代は燃費性能を追求。オールアルミ製モノコックを採用し、ボディにもアルミとプラスチックを使用するなどして、820kgというハイブリッドカーとしては驚異的な軽量化を実現。そのおかけで、当時の量産車としては最高となる35km/L(10・15モード)を達成。ホンダの技術力の高さを世に示した。

 2代目はハイブリッドの車の普及を目指して価格を抑え、ボディタイプも5ドアファストバックスタイルへ。デビュー直後は好調だったが、ライバルだった3代目プリウスに押され、販売台数は低迷し、2018年にフルモデルチェンジが実施され、3代目へ。

 この3代目は「コストパフォーマンスに優れたエコカー」から「高機能かつ上質なスポーティセダン」へとコンセプトを大きく変更。それに伴い価格もアップ。最も安いグレードなら200万円を切る価格設定だった先代とは異なり、3代目はなんと200万円台のグレードすらなく、すべて300万円以上という価格設定に。結果としてこの方向転換が仇となってしまった。さらに国内のセダン低迷のあおりも受け、2022年8月末で生産が終了となった。

 インサイトの実質的な後継車は発表されたばかりの新型シビックe:HEVとも言われている。今後はシビックe:HEVの動向に注目したいところだ。

スーパーハイトワゴン同士の共食いに負けた!? 「ダイハツ ウェイク」

スマートアシスト搭載モデルなども登場したものの、大きな変更は実施されぬまま生産終了に。キャラの強さはピカイチだった。今ならまだ手に入れられるかもしれない

 ウェイクは2014年11月に登場。「視界の良さ」と「荷室の広さ」を追求したワンボックス軽自動車だ。何より話題となったのは、1835mmという驚異の車高。当然キャビンスペースは広々で、日常使いからレジャーまで、多用途に使える新ジャンルのスーパーハイトワゴンとして注目を浴びた。

 ウェイクは登場してから最初の数年は一定の販売台数を保ち続けてきたが、年々販売台数が落ち、一度もフルモデルチェンジをしないまま2022年8月にて生産終了、在庫がなくなり次第販売終了となった。

 ではなぜ生産終了となったのか? その理由は比較的高めの価格設定に加え、車両重量が大きいことによる燃費の悪さなど、それなら「タント」やフルモデルチェンジしたばかりの「アトレー」のほうが総合的にいいのでは? というユーザーからの視点が販売不振につながったのだろう。

 ここだけの話、営業マンはウェイクとタントを比べてウェイクの劣っている部分を説明し、タントをアピールして販売につなげるとか……。ちょっとさびしい話だ。個人的にはウェイクのテレビコマーシャルは好きだったなぁ。

海外進出の失敗が痛手となった!? 「日産 キューブ」

四角かった歴代のキューブから少し丸みを帯びてリニューアルし、グローバルカーへ。2018年にはグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞するなど、デザイン性が高く評価されていた

 キューブの初代モデルは、1998年にマーチの派生モデルとして誕生した。当時はエポックメイキングなクルマとして注目を集め、同年の新車販売台数は、巨人、カローラに次ぐ2位の座を獲得するなど、ロケットスタートを決めたモデルだ。

 2002年に発売された2代目は、日産の真骨頂であるパイクカーの系譜を継ぐ個性的なデザインが注目を集め、国内外で高い評価を受けた。実際、2003年から2004年には年間の国内累計販売台数は約14万台と、キューブ史上最大のヒット作となった。

 そして、2008年から現行型の3代目の販売がスタート。しかし、マーチと同様、10年以上もフルモデルチェンジもされずと、ある意味、放置状態に……。

 今の時代自動車メーカーが確実に利益を上げ生き残るには、同一車種を国内のみならず海外での販売も視野に入れ、販売台数を増やす必要がある。発売当初は、海外でもそれなりの話題となったキューブだったが結果的には海外ニーズには合わず、残念ながら成功しないまま海外展開は終了。

 一昔前に比べ国内自動車市場のみで勝負するには厳しいのが実情。海外進出に失敗したキューブは利益のあがらない存在と見なされ、放置状態になってしまったのだ。

 そして、初代モデルの登場から21年後の2019年12月末をもって、ひっそりと生産終了となった。あまりにひっそりすぎて、知らなかった! という人も多かったというあまりにさみしい撤退となった。

由緒あるトヨタの血統がまたひとつ消えた…「トヨタ プレミオ/アリオン」

カリーナからバトンを渡されたアリオン。スポーティセダンの系譜は受け継がれ愛されてきたが国内のセダン離れも影響し生産終了という憂き目に……

 トヨタは2021年3月末でプレミオ/アリオンを生産終了した。

 ご存じの方も多いと思うが、プレミオはコロナ、アリオンはカリーナの後継モデル。プレミオ/アリオンが生産終了ということは栄光のコロナ&カリーナの流れが途絶えたとも言えるのだ。トヨタに貢献し続けてきた5ナンバーセダンの名車が密かに消えていくのは、コロナ、カリーナの輝いていた時代を知っている世代としては悲しい限りだ。

 プレミオ/アリオンは5ナンバーサイズのコンパクトボディながら、外装・内装は高級感のある造りを持ちつつも、100万円台から購入できると価格は手頃。コストパフォーマンスの高いセダンとして、堅調な売れ行きをみせていた。

 そんなプレミオ/アリオンもセダン人気低迷に加え、2016年のマイナーチェンジ以降、話題になるような機能、装備のグレードアップが図られることがなかったこともあり、徐々に販売台数は減少。ついに姿を消すこととなった。

 かつては国産メーカー各社の主力商品であった5ナンバーサイズのセダンも、2022年現在新車で購入可能なものはカローラアクシオを残すのみとなってしまった。

 ユーザーから見ると、販売好調、人気だったのでは? なクルマも人知れず生産終了になることも少なくない昨今。個人的には、今回のような不遇なクルマが時代に合った新型となって復活してくれることを願ってやまない!

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  • ウェイクとインサイトはそもそも売れてないから当たり前かと。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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