もくじ
どんなクルマ?
ー ジュリア 遊びすぎないゆえの「品」
ロードテスト(4) アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ ★★★★★★★★★☆
どんな感じ?
ー 「スーパー」の立ち位置 他との違いは?
ー 2.0ℓ直4は好印象 操舵、初期がやや機敏
「買い」か?
ー 狙う層は存在感を放つ「少数派」
スペック
ー アルファ・ロメオ・ジュリア・スーパーのスペック
どんなクルマ?
ジュリア 遊びすぎないゆえの「品」
ジュリアはちょい前の流行りに乗せれば「シン・アルファ・ロメオ」というところ。「シン」は「新」であったり「真」であったり、と言葉遊びをしても詮ないが、ジュリアによって新しいアルファ・ロメオは幕開けした。
ジュリア初対面の印象は「意外と真面目」である。これまでのアルファ・ロメオが不真面目という意味ではない。カテゴリーの基本あるいはセオリーとかプロトコールに忠実という意味だ。
セダンとかサルーンは後席乗員に対する気配りも原則のひとつ。後席乗員のためにキャビン後半のボリュームは大きくなり、乗降性を考慮してドア開口形状を頭抜け良く設計する必要もある。スポーツ&スペシャリティに傾倒して後席頭上を潰し、前傾深いリアピラーにすれば、それは4ドアクーペである。
シン・アルファの約束事のひとつに前後輪荷重50:50がある。もちろんこれはFRと組み合わせた上で優れた運動性を得るのが目的。つまり、スポーティはジュリアにとっても大きな特徴のひとつだが、スタイルやパッケージングは端正なセダンとして仕立てられている。
個人的な嗜好と思われるかもしれないが、プロトコールを護ることで得られた品のよさもシン・アルファを特徴付ける側面のひとつなのかも知れない。
もっとも、全長4645mmのFR車であり、セダンらしくまとめても後席居住スペースはそう広くない。収まりのいいシート形状など設えはプレミアムセダンらしいにしても、大柄な成人男性の4名乗車では必要十分レベル。
この辺りは同セグメントを代表するCクラスも同様であり、ジュリアが劣っているわけではない。FRセダンではコンパクトなサイズを考えれば高く評価すべきだろう。
どんな感じ?
「スーパー」の立ち位置 他との違いは?
試乗したスーパーはジュリアの標準設定となるモデルである。
走行ハードウェアはベーシックと同じで、2ℓターボと8速ATの組み合わせ。スポーツ志向ならDCT、と考える向きもあるが、上級クラスではトルコン/遊星ギアのATが標準。変速の滑らかさや駆動系のダンピング効果をすれば「プレミアム」にはやはりトルコンATが似合いだ。
ジュリア・スーパーとくれば往年の名車復活で無条件大歓迎となりそうだが、実際にジュリアの魅力を味わう上で実質的なエントリーモデルとなる。
ベーシックとの違いは内外装及び装備関連。これで100万円近い価格差は大きすぎるようにも思える。しかし、ACC(全車速型)と車線逸脱警報、死角車両認識はスーパー以上に標準でベーシックには設定がないなど簡略仕様の感が強い。
内装も一目でそれとわかるほど差がある。
本革の質感や加飾パネルの違いは内装のプレミアム感に大きく影響し、見比べるとベーシックは普及仕様の感は否めない。付け加えるならベーシックは受注生産であり、生産/運送のため発注から納車まで相当な時間が掛かるとのこと。
2.0ℓ直4は好印象 操舵、初期がやや機敏
走り出せばエンジンは穏やかで力強く、軽く回り、変速はトルコンスリップをほとんど感じさせない小気味よさ。走行モードを「D(ダイナミック/スポーツ)」にセットすれば高回転を積極的に使ったパワー志向の制御となるが、吸排気音やエンジンフィールも含めてこれ見よがしなスポーツ性の演出は控えられている。ハイアベでも上品なパワーフィールである。
フットワークも概ね上品な味付けなのだが、ちょっと癖がある。荒れた路面でも粗さを感じる振動は少なく、高速コーナーでも落ち着いた挙動は高性能と快適性のバランスを取った大人っぽい味付け。
軽やかさを備えたしっとりとした乗り味は好感が持てるのだが、ハンドリング面で操舵初期の回頭反応が唐突なのが引っ掛かる。違和感を覚えたのはそこだけだが、そこだけだからこそ気になってしまう。
好意的に解釈すれば切れ味のよさであり、アクセルを開けながらステアリングを切り込むような乱暴な運転にも追従してくれる。しかし、操舵感やラインコントロールの据わりは今ひとつ。走行モードを操保舵力が軽い「N(ナチュラル/ノーマル)」や「A(アドバンスド・エフィシェンシー/エコ)にセットしている状態では神経質と思えるほど。操保舵力が重めの「D」モードで何とかバランスするが、ここは上品とも言い難い。スポーティなハンドリングを初期ゲインで演出しすぎと思えた。
まあ、スポーティキャラをどっしり安定のアウトバーンツアラーで押してくるドイツ勢に対して軽快なフットワークのアルペンツアラーで対抗しているとすればアルファ・ロメオの存在意義も高まる。ちょっと遣り過ぎの感も初めの一歩を印象付けるには悪くないだろう。
「買い」か?
狙う層は存在感を放つ「少数派」
アルファ・ロメオは全車本国(イタリア)生産で、全世界に展開する。とは言えメルセデスやBMWのようにシェアを争うような戦略ではない。欠かすことのできない強烈な存在感を放つ少数派が狙いと思われる。
ジュリア・スーパーはそのとおりのクルマだった。デザインも走りもドイツ勢と違ったテイストを持ちながら、プレミアムセダンらしさではきっちりと同カテゴリーに収まる。ケレンに奔らずに正道の中で独自性をアピールしている。
従来のアルファ・ロメオというと、悪女に溺れるような感覚があった。それに惹かれる気持ちは痛いほどわかるが、同じくらい一般性に欠いている。しかし、ジュリアはアルファ・ロメオ流と正統派がきちんと融合され、プレミアムセダンユーザーの多くに受け入れられる要素も備えていた。
550万円弱という設定はメルセデス・ベンツC200アバンギャルドやBMW 320iスポーツと同価格帯。安全策がメルセデスやBMWなのは間違いない。ただ、お堅いのもいいがもう少し艶っぽさが欲しい、なんて考えるとジュリアが俄然魅力的に見えてくるわけだ。
アルファ・ロメオ・ジュリア・スーパーのスペック
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