この記事をまとめると
■サポカーは高齢者向け施策と捉われがち
高齢者が家族にいるなら絶対ミニバン! 足腰が弱くても乗り降り「楽ちん」な5台とは
■しかし意外にスポーツモデルなども多い
■その理由やサポカーの定義について解説する
意外にスポーツモデルも多い!
読者の皆さまにおかれましては、サポカー制度にはそれほど馴染みを感じづらいかと。なにせ、安全運転サポート車(通称セーフティ・サポートカー、略してサポカー)は先進安全技術の衝突被害軽減ブレーキを搭載したクルマですから、腕自慢のアナタなら「冗談やめて!」となるはず。それゆえ、高齢者向け施策と捉われがちですが、やっぱりドライバーサポートはないよりあった方がはるかに安全! すなわち、サポカー制度は腕自慢の若者にだって有効なものなのです。
というわけで、国内各社がラインアップするサポカーリストを見ていると「おや!」と目を見開かされました。だいたい各社とも高齢者が「ほのぼのドライブ」キメちゃう軽自動車とかPHEV的な車種がラインアップしているかと思いきや、なんとスポーツモデルもちゃっかり揃っているではありませんか! え? 安全運転をサポートするクルマでしょ? ぶっ飛ばしちゃっていいの? なんだかお尻のあたりがムズムズしてきました。
たとえば、スバルの「WRX S4」は、ラリー仕込みのシャシーに伝家の宝刀2.4リッターボクサーエンジン+ターボを搭載した国内屈指のやんちゃセダン。一方で、衝突被害軽減ブレーキはもちろん、おなじみの360度センシングが可能な新世代アイサイトや高度運転支援システムのアイサイトXを装備するなど安全サポートもバッチリ。オートマチックという条件こそつきますが、これお年寄りだけに乗せとく手はないでしょう。
スバルといえば、アイサイト搭載グレードのみが対象となりますが、あの「BRZ」だってサポカー対象。これまた2.4リッターボクサーエンジンを低く搭載することで、スポーツカーにとって理想的な低重心化を実現した「走り屋」マシン。スマートかつ、マッシブなデザインワークは男性ドライバーのみならず、女性にも好評なもの。スバルお得意のアイサイトによる衝突被害軽減や、ステアリング連動ヘッドライトなど、今どきのクルマらしく安全性能も折り紙つき。こちらもオートマ限定とはいえ、BRZの6速ATは「スポーツ」や「スノー」モードが選べるほか、進化したアダプティブ制御のおかげでドライバーの意思をリニアに伝える優れモノですぞ。
スープラの最上級グレード「RZ」もサポカー
BRZとくれば、トヨタからリリースされている兄弟車「GR86」(RZ 6速AT)もまたサポカー入りしております。フロントマスクやお値段といった違いはともかく、興味深いのは足回りのセッティングがスバルとGRでは全く違うのだそうです。
4輪がきれいに路面をトレースして、ハイスピードコーナリングでも安定感を保って駆け抜けられるのがBRZだとすれば、GR86は少しアクセルを抜いただけでドリフトモードが楽しめるという性格。「おいおい、サポカー限定免許のジジイがコーナー攻めてんぞ」と峠小僧が目を丸くしている様子が浮かぶようです。
圧巻は同じくトヨタのスープラ(RZ 6速AT)! なんと、国内最高峰スポーツカーすらもサポカー認定を受けているのです。しかも、最上級グレードのRZですから、驚かれる方も少なくないでしょう。とはいえ、プリクラッシュセーフティ(低速から高速までレーダーとカメラでクルマや歩行者を検知して衝突回避を支援)やブラインドスポットモニター(車線変更時の後方確認をアシスト)など、腕っこきのドライバーでも安心してアクセル全開にできる装備満載です。嫁のいいなりになっている息子の「父さんもそろそろサポカー限定免許にしたらどう?」などという甘言で、うっかり免許返納してしまった金満ジジイでも、スープラころがせるなら不満もないでしょう。
このほかにも、スズキの傑作コンパクトスポーツ「スイフトR」や、世界中が認めたマツダ「ロードスター」、リニューアルしたばかりの日産「フェアレディZ」など、そうそうたるクルマがサポカー認定を受けています。となると「またまた国の政策でお年寄りが踊らされてるんじゃないの?」という疑念もわくかもしれません。それはそれとして、読者諸兄だって「ばあさん、そろそろ免許返納してサポカーにすべえかね」なんて状況がやってくるはず。グズグズ言わないで、近い将来、サポカー制度に便乗してポルシェやマセラティが安全マシンをリリースしてくるのを楽しみに待とうではありませんか!
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みんなのコメント
役人のやる事は下らない
視界とか、自動車を安全に走らせる上で重要な部分が全く評価されずに、補助金対象車とか馬鹿げている。