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【試乗】運転がうまくなる体幹チューニングを施す 2019ワークスチューニンググループ合同試乗会-STI編-

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【試乗】運転がうまくなる体幹チューニングを施す 2019ワークスチューニンググループ合同試乗会-STI編-

自動車メーカー直系チューニングブランドであるNISMO(日産)、TRD(トヨタ)、無限(ホンダ)、STI(スバル)の4社で構成される「ワークスチューニンググループ」。ふだんはサーキットでしのぎを削る4社だが、“サーキットの外”では、互いに競合しない立場にある。そこで、モータースポーツやスポーツドライビングの振興を目的に、毎年各地でサーキット試乗会などの活動を合同で行っている。

その活動の一環としてメディア向けの合同試乗会を実施。各社こだわりのアイテムを装着したマシンを一気に試す機会を設けている。2019年は、前回まで2年連続で開催された群馬サイクルスポーツセンターから「ツインリンクもてぎ」の北ショートコースに場所を代えての開催となった。

【試乗】RC20GT由来のシビックタイプRパーツを試す 2019ワークスチューニンググループ合同試乗会-MUGEN編-

STI編

キーワードは“体幹チューニング”
STIでは「スバリスト」と呼ばれるコアなファンだけでなく、スバル車を愛用するすべてのユーザーに向けて、もっと安全に、もっと楽しく、「運転が上手くなる」機会を提供したいという思いからパーツの開発に取り組んでいる。STIパーツを装着することで「運転が上手くなる」ことを分かりやすく表現するフレーズが“体幹チューニング”だ。ヒトの体幹を鍛えると身体の軸がブレなくなり、姿勢もよくなって、身体を思いどおりに動かせるのと同じように、クルマの土台であるプラットフォームを、STIパーツを装着することによって強靭でしなやかに鍛え上げることで、安定した気持ちのいい走りができるという発想だ。

新開発パーツを加えたフォレスター
フォレスターX-BREAKは従来から販売しているフレキシブルタワーバー、フレキシブルドロースティフナーに加え、フロントのサブフレームを固めるサポートフロンキットの3点で体幹チューニング。合わせて、空力を解析し、走行安定性向上に確実に効く「高級スポーツウェア」であるエアロパッケージ(フロントリップスポイラー、フロントサイドアンダースポイラー、サイドアンダースポイラー、エアロガーニッシュ、リヤサイドアンダースポイラー)を装着。

センター出しの快音が印象的なインプレッサ
インプレッサスポーツ2.0i-Sアイサイトには、フレキシブルタワーバー、フレキシブルドロースティフナー、ラテラルリンクセットに加えて、フォレスターと同様に新製品のサポートフロントキットを装着。センターデュアル出しのパフォーマンスマフラーは、澄んだボクサーサウンドを奏でる人気のアイテムだ。

試乗コースのもてぎの北ショートはストレートにパイロンを置いて「体幹チューニングを体感しやすい」レイアウトにしている。スラロームでは切り返しの応答性や微小舵を当てたときのレスポンス、曲率半径の小さなコーナーではノーズの入り方や旋回性能、タイヤの接地感などが確認できる。

接地性を高め、よく曲がるようになる
フォレスターはSTIパフォーマンス装着車とノーマルのX-BREAKを比較試乗した。ウエットで滑りやすい路面状況、高重心にも関わらずSTIパフォーマンスパーツ装着車は接地感が極めて高い。パイロンスラロームでの切り返しではロールの発生/収束が穏やかで、そのままコーナーに入るとイン側のタイヤがしっかりと路面を捉えている。同じコースをノーマルと乗り比べてみると、明らかにノーマルはロールが大きく、スラロームでの切り返しの追従性はSTIパフォーマンス装着車よりもワンテンポ遅れる感じ。コーナーではSTIパフォーマンス装着車が「よく曲がる」印象なのに対し、同じペースでノーマルを走らせるとアウト側に膨らんでいく。

「イイ音」が意のままの走りを盛り上げる
インプレッサスポーツは乗り心地のよさが印象的。コーナーの縁石に乗っかってもボディが揺すられず、ばね下ですべての入力を受け止めている感じだ。ステアリングの舵角に比例した素直な旋回フォームが作れて、四輪すべてが高い接地感を保ったままコーナーをクリアできる。そんな「意のまま」に操れる喜びを盛り上げるのが、アクセル開度に比例して快音を奏でるパフォーマンスマフラー。「イイ音」の秘訣を開発スタッフに尋ねると「厳しい加速騒音規制に対応させながら、高音を吸収する吸音材をなくして、排気管の共鳴音も生かして音作りをしました」とのこと。加えて、メインマフラーから左右対称にパイプを取りまわし、テールエンドで一体になる「魅せるパイプレイアウト」が心憎い。STIでは初のセンター出しで、このデザインを成立させるためにノーマルバンパーのボトム部分に装着するガーニッシュキットを設定した。

サポートフロントキットの開発の狙いをキーマンに聞く
フォレスターとインプレッサスポーツの走りをレベルアップさせる、新製品のサポートフロントキットを設定した狙いについて、スバルテクニカインターナショナル取締役 開発本部長の森 宏志氏にうかがった。

インプレッサスポーツもフォレスターもSGP(スバルグローバルプラットフォーム)で、発売初期からフレキシブルタワーバーとフレキシブルドロースティフナーをSTIの定番アイテムとして設定した。「車体の剛性は非常に高くなっていますが、実験メンバーから『ステアリングのセンター付近をもう少しシャキッとさせたい』という声が上がりました。剛性面においてはSGPの効果が出ているのですが、微小舵からの応答性ついては、まだ改善の余地があるなと思いました」と、SGPの第一印象を語る森氏。

注目したのが、車体のフレームと足まわりをつなぐ「クロスメンバー」。クロスメンバーの上には水平対向エンジンとトランスミッションが縦に搭載され、高さ約200mmのメンバーのなかにステアリングギヤボックスが収まり、メンバーの下を排気管が通るという位置関係。クロスメンバーの前部にサポートフロントキットを装着すると、ステアリングの支持剛性がアップする。フレキシブルドロースティフナーも併せて装着することで操舵時に生じるクロスメンバーの歪みを抑制し、微小舵から高負荷のかかる高速コーナリングまで、操舵に対するレスポンスを高めてくれる。

「ステアリングを切って、ラック&ピニオンで横力を出すとタイヤにコーナリングフォースが発生します。そこに行き着くまでにステアリングギヤボックスのクランプスティフナーが反力を受けて、それがクロスメンバーを介してボディに伝わる…この間に操舵とクルマの動きにタイムラグが生じます。そこで、ドロースティフナーで車体とクロスメンバーに間に適度なテンションをかけておくことでシャシーの「しなり」や「歪み」が補正され、ハンドルを切った瞬間にヨーが発生します」と、その効果を説明する。

レースで培ったノウハウを市販車に落とし込む
フレキシルブタワーバーは「内輪のコーナリングフォースを上手に使ってスムーズに旋回させる」という発想。コーナリング中に荷重が偏る外輪だけに依存せず、内輪側のコーナリングフォースも使って両輪でクルマを曲げる。「単にボディを固めるだけならリジッドのタワーバーという方法もありますが、それだと外輪がギャップに乗り上げたときに内輪も一緒にトラクションが抜けてしまいます。フレキシブルタワーバーのよさは外圧に対して突っ張るのではなく、適度に〝いなす〞ことで内外輪ともに接地性を確保できることなんです」と森氏。路面状況が目まぐるしく変化するラリーやニュルブルクリンク24時間レースの知見が豊富で、レースカー・コンプリートカー・パーツを同じコンセプトで開発しているSTIらしい考え方だ。

<文=湯目由明 写真=山内潤也>

STI(スバルテクニカインターナショナル)
https://www.sti.jp

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