シリーズ終盤戦となる第8戦を前に、南米アルゼンチンが誇る最高峰のハイテクFFチャンピオンシップ、TC2000に世界的ビッグネームのゲスト参戦が決定。カレンダーにおいて“クラシック”に位置付けられる祭典『ブエノスアイレス200km』に向け、トヨタ陣営のTOYOTA GAZOO Racing YPFインフィニアがペアドライバーを発表し、レギュラーを務める不動のエースでシリーズ5冠王者のマティアス・ロッシにはホセ-マリア・ロペスを。僚友マルセロ・チャロッキのペアには、今季限りでABB FIAフォーミュラE世界選手権のニッサン陣営から離脱したサッシャ・フェネストラズが起用されている。
同国東部、メソポタミア地方に位置するエントレ・リオスにて今季第8戦を開催したTC2000だが、そのアウトドローモ・デ・コンセプシオン・デル・ウルグアイのレースウイークを前に、ファクトリーチームの運営母体であるTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナは、トヨタ・カローラTC2000に“世界選手権帰り”のふたりを搭乗させるとアナウンスした。
ついにトヨタのエースが覚醒。カローラGRS TCRの開発担当ロッシが連勝達成/TCR南米第7戦
今季のWEC世界耐久選手権では、木村武史とともにアコーディスASPチームからLMGT3クラスに参戦しているロペスは、言わずと知れた2021年のル・マン24時間レースの総合優勝経験者であり、WTCC世界ツーリングカー選手権では3冠を誇る“ハコ使い”でもある。
このふたりが最後にペアになったのは、そのル・マン制覇を果たした2021年シーズンで、通算18回出場のロッシは3勝目を、同9回目の参戦となる“ペチート”ロペスは2勝目を目指すことになる。
一方のチャロッキは、彼の地にて「100%コルドバ出身コンビ」と称されるフランス系アルゼンチン人を迎え入れ、フェネストラズにとってはニッサン・フォーミュラEチームに加入する以前のこちらも2021年シーズンに、ジュリアン・サンテロと組んで先代のトヨタ・カローラをシェアして以来の出場となる。
首都ブエノスアイレスが誇るアウトドローモ・オスカー・ファン・ガルベスにて10月5~6日の週末に争われる第18回大会は、各車両をレギュラーとゲストの2名がドライブし、90分間続くレースで交代を義務付けられつつ勝負を繰り広げる。どちらのドライバーをスターターに据え、フィニッシャーにどの程度の距離を任せるか、戦略的な判断がチームに委ねられる。
さらにレースウイークのハイライトとして、この週末はTCRサウスアメリカ・シリーズに加え、隣国ブラジルが誇るSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”が越境し、今回は併催イベントとしてタイムスケジュールを共有。どちらもシリーズ第9戦としてカレンダーに組み込んでいる。
そのためルーベンス・バリチェロやリカルド・ゾンタ、ネルソン・ピケJr.にフェリペ・マッサなどF1経験者を筆頭に、シリーズ3連覇も経験するWECレギュラーのダニエル・セラや、キャリア5冠の“帝王”カカ・ブエノなど、レジェンド級のスタードライバーがブエノスアイレスに集結することになる。
日本でもスーパーGTのGT500クラスで活躍したフェネストラズにとって、こうしたゲスト参戦の活動が今後のキャリアにどう影響を及ぼすか。今後は日本のシーン復帰も噂されるだけに、その去就が気になるところだ。
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