ステランティス・ジャパンは2023年1月26日、アルファロメオ・ブランドで初となるマイルドハイブリッド(MHEV)を搭載したCセグメント+の新型SUV「トナーレ」を発表した。なお発売は2月18日が予定されている。
トナーレをプレゼンしたステランティス・ジャパンの打越晋社長とアルファロメオ・ブランドのジャン・フィリップ・インパラートCEOトナーレ ハイブリッドはアルファロメオとしては6年ぶりのニューモデル。ステルヴィオの下に位置するSUVで、グローバル戦略モデルでもあり、アメリカではダッジ・ホーネットの車名で販売されている。ステランティス・グループの14ブランドの中で、アルファロメオは2027年までに全モデルが電動化されることになっており、トナーレはその第1弾だ。車名はイタリア北部のトナーレ峠にちなんで命名されている。
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なお、トナーレは当初は2021年度中に発売される予定であったが、世界的な半導体不足と、より高い性能とするため2022年まで延期された経緯がある。
トナーレは、ジープ・コンパス用のSCCSクロスオーバー「スモールワイド」プラットフォームの大幅な改良版を採用。また、ヨーロッパとアメリカ仕様は、マイルドハイブリッド・モデルとともにアルファロメオとして初のプラグインハイブリッドを設定している。15.5kWhのリチウムイオン電池を使用し、48kmのモーター走行距離を実現しているが、今のところ日本導入はなさそうだ。
トナーレのパワートレインは、新開発の1.5L直列4気筒直噴で可変容量ターボ装備のエンジン(最高出力160ps、最大トルク240Nm)、48Vモーター(最高出力20ps、最大トルク55Nm)を内蔵(P2ポジション)した7速デュアルクラッチ・トランスミッション(7速DCT)、エンジン始動と回生ブレーキ機能を担う12Vのベルト・スターター・ジェネレーター(P0ポジション)、容量0.77kWhのリチウムイオン・バッテリーで構成されている。つまり2モーターのマイルドハイブリッドということだ。
新開発のエンジンはコンパクトな燃焼室、高圧縮比で、吸排気可変バルブタイミングによるミラーサイクル運転、強タンブルポートによる急速燃焼を実現するなど最新の高効率エンジンになっている。
低速時(15~20km/h前後まで)の走行はモーターで行ない、モーターの負荷が高まるとエンジンが起動し、加速をアシストする。また、アクセルをオフにすると燃費向上に寄与するコースティングモードに切り替わってエンジンは停止し、減速時には制動エネルギーから電気を生み出す回生充電が行なわれる。
動力性能は0-100km/h加速8.8秒、最高速度209km/h以上とされている。またWLTCモード燃費は16.7km/Lで、約20kmのEV走行が可能である。
ボディサイズは、全長4530mm、全幅1835mm、全高1600mmのコンパクトなボディで、ワイドトレッド、高いシャシーの剛性、専用の前後ストラット・サスペンションの採用などにより、アルファロメオならではの俊敏なハンドリング性能、リニアな応答性、そして快適な乗り心地を実現している。ステアリングのロックtoロックは2.3回転ときわめてシャープだ。
センターコンソールに備わるALFA DNAドライブモード・システムは、エンジンやトランスミッションのレスポンス、サスペンション設定の切り替えにより、走りの性格を任意に変更できるほか、ESC(横滑り防止装置)をOFFにすることも可能だ。
デザインは、ヘリテージと先進性を融合したアルファロメオらしさが強調されている。初採用となるマトリクスLEDヘッドライトを装備し、カメラによる前方認識や車速、走行状況に応じて、照射範囲や照射距離を自動で最適化し、視認性を飛躍的に向上させた。
また、シンボリックなヘッドライトを装備していた往年のスポーツカー「SZ」などから着想を得てデザインされた、3連のU字型デイタイムランニングライトが、アルファロメオの新たなシグネチャーとして個性を主張している。
サイドは往年のジュリア GTを想起させる、シンプルながらも官能的なショルダーライン。リヤのサイドガラスは、スポーティでありながらエレガントさを感じさせ、8C コンペティツィオーネを想起させる。リヤデザインにも3連型のLED式コンビネーションランプを採用し、強い個性を放っている。
インテリアは、ブランドのレースの歴史を直感させるドライバー中心のコクピットだ。ブラックを基調とし、触感にもこだわった上質なマテリアルが乗員を包み込む。ダッシュボード中央の10.25インチのタッチスクリーンは、様々な車載機能を直感的に操作することができる。またメーターパネル部には12.3インチの大型デジタルクラスターメーターを採用し、優れた視認性を実現。
そして最新世代のインフォテインメントシステムを備えているのも特長だ。ナビゲーションシステムは、日本のアイシン製ナビゲーションシステムを採用し、地図コンテンツなどの機能や使い勝手を高めている。オンライン機能も備え、施設名称による検索や天気予報、ガソリン価格、駐車場満空情報や渋滞情報(VICS)などが利用できる。
さらに、アルファ ロメオとして初めて、車載通信モジュールを全グレードに標準搭載。これにより、タッチスクリーンによる操作のほか、スマートフォン専用アプリ「My Alfa Connect(マイ・アルファ・コネクト)」やWEB専用ポータルサイトを介して、ナビゲーションの目的地設定、ガソリン残量やタイヤ空気圧、走行距離などの車両コンディションの確認や自車位置情報の閲覧が可能になっている。このアプリでは、停車位置から最終目的地まで、徒歩ルートを含む経路案内が可能だ。
その他ではNFT(ブロックチェーンを採用した非代替性トークン)を史上初搭載しており、スマホアプリから走行距離などのデータを登録することで改ざん不可能なデータとして記録され、車両を手放す際は、次のユーザーも安心して車両情報を管理できるようになっている。
安全面においては、全グレードが4つのカメラで捉えた車両周辺の映像をモニターに映し出し、駐車時や狭い場所での安全なハンドル操作をサポートする360度カメラや、高速道路で車線中央の走行をアシストするレーンキーピングアシストなど、先進の装備を備えている。
グレードは2グレードで、フルADAS(先進運転支援システム)をはじめとする充実した装備のスタンダードモデル 「Ti」と、ダークフロントグリルや専用20インチ・アルミホイール、ステアリングヒーター、レザーシート(電動調整シート・シートヒーター・ベンチレーション付)、ハーマン・カードン・プレミアムオーディオシステムなどにより、ラグジュアリーな導入記念モデル 「Edizione Speciale (エディツィオーネ・スペチアーレ)」 をラインアップ。なお、「Edizione Speciale」完売後は「ヴェローチェ」が導入予定となっている。
価格
トナーレ Ti(受注生産モデル):524万円(税込)
トナーレ Edizione Speciale:578万円(税込)
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