フェラーリがあるとんでもない会社に入社
先日、私が約13年間編集長を務めてきたフェラーリ専門誌『SCUDERIA』の取材で、296GTBとプロサングエという最新のフェラーリ2台を連れ出す機会があった。ご存知のように前者はV6ツインターボ、後者はV12自然吸気とパワーユニットが全く違うのだが、改めて、いずれも素晴らしいスーパースポーツたちだった。理想はこれを両方とも所有することだろう。個人的にはGTBではなくGTSであれば、なおよしである。
【画像】後に振り返った時に必ずキーとなるフェラーリ、F80とドーディチ・チリンドリ 全174枚
私が自動車メディアの世界に入った(=ネコ・パブリッシングに新卒で入社した)のは1997年4月のことで、当時新車のフェラーリはF355、550マラネロ、456GTAというラインナップだった。そしてネコ・パブリッシングの看板ともいえるカー・マガジンの誌面では、入社直後の号でスポーツカー8台を一気にレポート車として導入! そのうちの1台が550マラネロだった。
フェラーリがあるなんて、とんでもない会社に入社したと驚愕したのをよく覚えている。その後、レポート車は550マラネロから355F1へと入れ替わり、その頃にはカー・マガジン編集部所属になっていたので、動かす機会も何度かあった。最初は確かどこかまで運搬する仕事だったと思う。
世田谷の編集部を出発して第三京浜を慎重に、慎重を重ねて走りながら、何せ1973年生まれの元スーパーカー少年であるから、それは感激でしかなかった。これがフェラーリなのか……! と。その一方で、簡単に『動かせてしまった』ことも驚きだった。操作方法を理解し、車高の低さなどサイズさえ気を付ければ、普通に走っているぶんには当時乗っていたフィアット・バルケッタとさほど変わらないなぁと(若干語弊あり)。
360モデナはフェラーリ民主化の象徴
エンツォ・フェラーリというカリスマが亡くなり、1990年代前半からルカ・ディ・モンテゼーモロがフェラーリを率いたあたりから、フェラーリは乗りやすさや日常での使いやすさも考慮し始めた。私はこれを『フェラーリの民主化』と呼んでいるが、1999年に『イノベーション』をキーワードに登場した360モデナが、ゴルフバッグをシート後方に搭載できることを謳ったのは歴史的転換点だと思っている。
そして今改めて思うのは、最新モデルの296GTBやプロサングエが、その方向性をより進化させているということだ。もちろんサーキットで全開にすれば途方もない速さを見せるが、そういったパフォーマンスを使わない街中で初めて乗ったとすれば、私がかつて355F1で感じたように、簡単に動かせてしまうことを驚くであろう。
幼少の頃より憧れの存在であったフェラーリを、専門誌編集長という立ち位置で約13年も見られたことは、大きな財産だ。それ以前もカー・マガジンやROSSOの編集部員として、21世紀のフェラーリは全てリアルタイムで取材してきた。
そういった積み重ねを、2025年はAUTOCAR JAPANでより強くアウトプットしていきたい。というのも、SCUDERIAの編集長を12月26日発売のNo.146をもって退任したからだ。このコラムをお読みの方で、もしSCUDERIA読者の方がいらっしゃれば、ご愛読に感謝申し上げたい。
実は2024年から2025年にかけたフェラーリは、1999年の360モデナ登場に並ぶ、歴史的転換点にあると思っている。『新型12気筒』のドーディチ・チリンドリと『新型スーパーカー』のF80は、デザインも技術も、後に振り返った時にターニングポイントと言えるモデルになるはずだ。その理由はSCUDERIA No.146をお読み頂ければ伝わると思うので、ご興味ある方はぜひ。
自動車を愛する人々から見たときにどう感じるか
というわけで、8月1日にAUTOCAR JAPANへ移籍してから始めた『新米編集長コラム』は、年内最後の1本となった。個人的には移籍も移住もあり激動の数ヵ月となったが、この数ヵ月だけでも、自動車業界では激震と呼べるニュースがいくつもあった。
2025年のAUTOCAR JAPANは、そういった事象を、自動車を愛する人々から見たときにどう感じるか、何を知りたいかという視点を忘れずに作っていきたいと思う。この年末年始もいろいろな記事がアップされるので、どうぞご注目を。2024年のご愛顧に心より感謝申し上げます。皆さま、よいお年をお迎えください。
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