予想を下回る価格で落札
2024年3月1日~2日、RMサザビーズがアメリカ・マイアミで開催したオークションにおいてアキュラ「NSX-T」が出品されました。出品車両は、アメリカ市場で最後の年に販売されたモデルで、6速MTを持つモデルの中の1台。走行距離は4万2088kmと少ないのも魅力的な1台です。
約5500万円! ホンダ「NSX-R GT」が予想以上の落札価格。スプーンがレース参戦20周年を記念して製作したマシンでした
マイナーチェンジで排気量を3Lから3.2Lに拡大
ホンダが1990年から2005年まで販売したミッドシップ・スポーツの「NSX」は、そのパフォーマンスの高さからホンダのフラッグシップ・モデルとして位置づけられる存在となった。V6 DOHC VTECの機構を持つ3Lのパワーユニットをリアミッドシップし、さらに軽量なアルミニウム製ボディを採用するなど、まさに当時のホンダが持つ最高技術の集大成ともいえたモデルだ。
そのスポーティなエクステリアや、機能性に優れたインテリアを含め、世界に誇ることができるスーパーカーとしてNSXが(正確には初代NSXが)生を受けたことを記憶している人もきっと多いだろう。
実際の販売は日本と、高級ブランドのアキュラから販売されたアメリカ、カナダの各市場がメインとなる。シリーズ途中でNSXには何回かのマイナーチェンジが行われるが、アメリカ市場では前期型とされるNA1型、そしてエンジンが3Lから3.2Lに拡大された後期型のNA2型を含めて、トータルで2007年までに8999台のNSXがデリバリーされている。
今回RMサザビーズのマイアミ・オークションに出品車として姿を現したのは、2004年式のアキュラ「NSX-T」。NA2型へのマイナーチェンジを終了し、搭載エンジンも3.2L仕様となったNSX-Tは、アメリカ市場では最後の年に販売された186台中の30台目のモデルで、6速MTを持つモデルの中の1台だ。
ボディはタルガトップを備えるラグジュアリーな雰囲気だが、スーパースポーツとしてのパフォーマンスは、直接のライバルとして開発時から強く意識してきたフェラーリの「328」をも超えると評価も受けた。
2001年にはやはりマイルドなマイナーチェンジが行われ、出品車の写真からも分かるように、リトラクタブル方式のヘッドランプに代わって、固定式のキセノンHIDユニットを採用。リアではツインエキゾーストからクワッドエグゾーストに仕様を変更、同時にスポイラーのデザインも改められた。リアタイヤはさらにワイド化され、サスペンションのセッティングにも改良の手は及んでいる。
ちなみにアメリカ市場ではクーペの販売が中止されたため、それ以降はタルガトップボディが唯一の設定となった。搭載される3.2Lエンジンの最高出力は290psとなる。
魅力的なシルバーストーンメタリックで仕上げられた、2004年式アキュラNSX-Tは、現在までの走行距離が4万2088km。2003年11月にニュージャージー州イースト・ブランズウィックのオープンロード・アキュラに新車で納車されて以来、オニキスブラックのレザーインテリアやパーフォレイテッドレザー張りのスポーツシートなどのコンディションも十分に魅力的なコンディションを保っている。
RMサザビーズのエスティメート(推定落札価格)は20万~25万ドル(邦貨換算約3000~3753万円)と提示されたが、残念ながらその落札価格は13万4400ドル(邦貨換算約2017万円)という数字で落ち着いた。これを安いと見るか、あるいは妥当な価格と見るかは、人によって意見の分かれるところだろう。
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