スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第5戦『SUZUKA S耐』は9月18日、三重県の鈴鹿サーキットで14時から公式予選が行われ、ST-XクラスのFloral UEMATSU FG 720S GT3(植松忠雄/澤圭太/川端伸太朗/井出有治)が総合ポールポジションを獲得した。
2021年のスーパー耐久も残り2戦。チャンピオン争いも絞られはじめる第5戦の舞台は、2020年は開催されなかった鈴鹿サーキットだ。ハンコックタイヤでの鈴鹿でのレースは各チームとも初めてだが、木曜の特別スポーツ走行こそドライでの走行が可能だったものの、金曜の専有走行は、グループ2の1回目以外は台風14号接近のためウエットとなっていた。
【順位結果】スーパー耐久シリーズ2021第5戦鈴鹿 公式予選
9月18日(土)の予選日は、台風の影響も鑑み、前日の段階で午前のスケジュールが中止となり、予選も1時間遅らせた14時からスタートすることになったが、朝方こそ雨が降り続いていたものの、昼ごろから天候は大きく好転。台風一過の爽やかな晴れ間が広がるなか、14時から公式予選がスタートした。なお、通常はAドライバー予選からスタートするが、コンディションが夕刻に向けて好転していく事前の予報だったため、ブロンズのAドライバーの危険を避けるためBドライバー予選から先に行われた。
■ST-Z、ST-4はGR Garage水戸インターがダブルポール
今回MP Racing GT-Rが参戦を取り止めているST-Xクラスは、Bドライバー予選で澤圭太駆るFloral UEMATSU FG 720S GT3が2分02秒482という圧倒的なタイムをマーク。DAISHI GT3 GT-Rの青木孝行が続くが、Bドライバー予選でもFloral UEMATSU FG 720S GT3の植松忠雄が2分05秒005を記録しポールポジションを奪う。
このFloral UEMATSU FG 720S GT3にはライバル勢も“お手上げ”の声が多かったが、「木~金の走行ではあまり手ごたえはなく、他チームも同様の認識とは思いますが、高負荷がかかる鈴鹿で、タイヤに確信がありませんでした。ただ、クルマも鈴鹿に特性が合っていますし、タイヤのスクラブを事前にしていたのが大きかったと思います」と語るのはBドライバーの澤。
「決勝は違うストーリーになるとは思いますし、タイヤには優しいはずなので、有利なところはあると思います。最終戦を迎える前に、トップで終えたいですね」
2番手につけたのはPC Okazaki 911 GT3R。現在ランキング首位のD'station Vantage GT3は、2019年の開催時は優勝を飾っているが、ウエイトが響いたか3番手となった。
ST-Zクラスは、スポーツ走行、専有走行からGRスープラGT4勢が好調で、FABULOUS GRMI GR SUPRAGT4が速さをみせる。この日が誕生日でもある久保凜太郎がBドライバー予選で2分11秒719をマークすると、Aドライバー予選でも鈴木宏和が2分13秒209とこちらもトップタイム。細川慎弥と坪井翔がアタックし、ST-4クラスで林テレンプ SHADERACING 86との僅差の争いを制したGRGarage水戸インター GR86とともに、チームでのクラスダブルポールポジションを獲得した。
「GRスープラは今回、BoPの面でチャンスはあると思っています。今季、2台揃ってのポールポジションは3回目で、もてぎでも良いところは言っていましたが、決勝はかなり苦しくなります。給油に時間がかかるので、ピットの度に遅れてしまうんです」と久保。
「今回は僕自身も鈴鹿は得意としていますし、スピードがあることは証明できたので、それを使って戦っていきたいです。28歳初ポールを獲れましたし、2番手にも差をつけられたので、個人的にも嬉しいポールですね」
ST-Zの2番手にはD'station Vantage GT4がつけた。星野辰也のアタック中に「少し行きすぎた」とコースアウトもあったが、ダメージはなし。3番手にはアスラーダ Ver.Supraがつけている。ST-1クラスは飯田太陽と加藤寛規がアタックしたシンティアム アップル KTMがポールポジションで、ST-Z勢を上回る総合6番手に。ST-TCRは芳賀邦行と蘇武喜和がアタックしたおとぎの国 CIVIC TCRがポールとなった。
■ST-3は僅差の争いをエアバスター Winmax RC350 TWSが制する
ST-2クラスは、新菱オート☆NEOGLOBE☆DXL☆EVO10、新菱オート☆VARIS☆DXL☆EVO10が予選ワン・ツー。KTMS GR YARISが3番手につけたが、ランサー勢のストレートスピードが速く、今季3勝のKTMS GR YARISでもタイムの面では及ばなかった。
ST-3クラスは、Bドライバー予選こそHELM MOTORSPORTS RC350の高橋知己が2分18秒396をマークし、エアバスター Winmax RC350 TWSの大島和也を僅差で上回るが、Aドライバー予選ではエアバスター Winmax RC350 TWSの冨林勇佑が2分18秒194をマーク。HELM MOTORSPORTS RC350の平木湧也を上回り、合算では0.232秒差でエアバスター Winmax RC350 TWSがポールポジションを獲得した。
ST-5は、odula Star5 Roadsterが前戦に続く今季3回目のポール獲得。TRES☆TiR☆NATSロードスター、odula TONE MOTULロードスターとマツダ・ロードスター勢上位を占めている。ST-Qクラスに参戦する2台は、ORC ROOKIE Racing GR SUPRAが総合9番手、ORC ROOKIE Corolla H2 conceptは総合35番手となった。
木曜~金曜の走行に比べ、一気に気温、路面温度が上がり、またBドライバーから先にアタックする通常ではない予選となったことから、対応に苦慮したチーム、ドライバーも多かった様子だ。また、澤のコメントにもあったとおり、鈴鹿はタイヤへの負荷が大きいコース。9月19日(日)11時30分からの決勝のコンディションも気になるところだ。
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