新モデル多数 アルフィエーリに「フルEV」も
マセラティは5年以内に野心的なニューモデルを複数投入し、ポルシェやテスラに対抗していく予定だ。ニューモデルには待望のスーパーカー「アルフィエーリ」、スモールSUV、フルEVの4モデルが含まれる。
フィアット・クライスラー・オートモービルズが主催したキャピタル・マーケット・デイの中で、マセラティCEOのティム・クニスキスは次のように述べている。
「販売されるモデルを見れば、マセラティはポルシェやテスラに戦いを挑んでいるように見えるかもしれません。われわれはこの戦いに勝利するため、他のメーカーが対抗できないやり方で挑もうと思います」
フルEVも含め、フェラーリによって作られたパワートレインを採用するのが、マセラティだけの強みだとも話している。
新ラインナップのトップに君臨することになるアルフィエーリには、クーペとコンバーチブルが用意される見込みだ。クニスキスによれば、新規設計のアルミニウム・スペースフレームに、完全モジュラー構造のシャシーが組み合わされ、3種類の「プラグインハイブリッドを含めた最先端パワートレイン」が搭載される。ひとつは完全なEVモデルとなり、3つのモーターと4輪駆動システムでトルクベクタリングを実現する。800Vバッテリー技術も投入されるはずだ。
クニスキスが言うには、「いまだかつてないほどのラグジュアリーとパフォーマンスの融合」を実現し、0-100km/h加速は2秒ほど(これは最も過激なテスラ・モデルSと競合する)、トップスピードは299km/hに達するという。
アルフィエーリ・コンセプトは2014年に初めて登場した。このモデルはV8を搭載し、2016年に生産開始予定とされていた。しかし、CO2排出量や燃費に関する政府からの圧力が高まり、V6の方が望ましい状況になってしまった。したがってアルフィエーリのハイブリッドバージョンは、レバンテにも用いられたフェラーリ製3.0ℓV6ユニットをベースに作られるだろう。
レバンテより小型 スモールSUV
クニスキスは他にも、レバンテの下に位置する新しいSUVの存在に言及した。レバンテの登場によって、マセラティの年間販売台数は2014年の3万台から2017年には5万台にまで引き上げられた。この成功に加えてさらにスモールSUVを投入することで、さらなる飛躍を目指すのだという。2022年までにマセラティ単体で販売台数10万台を達成するのが目標だ。
新たに投入されるフルEVの4モデルも、マセラティがテスラを狙い撃つ新戦略のひとつだ。新モデル群は、「マセラティ・ブルー」の名のもとで販売される。前述したフルEVのアルフィエーリやそのカブリオレの他にも、次期クアトロポルテやレバンテの電動バージョンがパワートレインを共有して登場するだろう。
これらのモデルにはプラグイン・ハイブリッドモデルも用意される。マセラティの計画では、できるだけ多くのセグメントやカテゴリでPHVバージョンを提供することになっていて、2022年までに計8種のプラグイン・ハイブリッド車が登場予定だ。
加えてマセラティは、ギブリを2022年までにモデルチェンジする。一方で他のモデルはそのままアップデート。このモデルチェンジでは、レベル3の自動運転装備も導入される予定で、これによりある状況下ではクルマの自律走行が可能になるという。
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