現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クーペなのに重厚な雰囲気が斬新!? 昭和のラグジュアリークーペ3選

ここから本文です

クーペなのに重厚な雰囲気が斬新!? 昭和のラグジュアリークーペ3選

掲載 更新 15
クーペなのに重厚な雰囲気が斬新!? 昭和のラグジュアリークーペ3選

■パーソナルカーとして人気があった豪華なクーペを振り返る

 かつて国内の自動車市場で、クーペは若い世代から絶大な人気を誇っていました。しかし、2ドア車は使い勝手が良いとはいえず、ニーズの変化から世界的にも数を減らしている状況です。

スープラ並みに速いセダンがあった? 絶滅寸前なスゴいセダン5選

 しかし、大型のボディで高額なラグジュアリークーペは、いまも高級パーソナルカーとして一定の市場規模を維持しているため、日本車ではレクサス、輸入車ではBMWやメルセデス・ベンツ、ベントレーなどから販売されています。

 ラグジュアリークーペは日本でも人気が高かった時代があり、1970年代から1990年代までは数多くのモデルが販売されていました。

 そこで、昭和の時代を彩った国産ラグジュアリークーペのなかから、とくに重厚なモデルを3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「クラウン ハードトップ」

 トヨタは1955年に「トヨペット クラウン」を発売。まだ一般庶民がマイカーを持つことは夢のような時代に高級車として販売され、まさに国産高級車の草分け的存在でした。

 その後、クラウンは代を重ねるとニーズの変化に対応し、1967年発売の3代目では、クラス初となるクーペボディの2ドアハードトップをラインナップ。

 1968年に加わった「クラウン ハードトップ」は、セダンの旧態依然とした丸目4灯のフロントフェイスと異なり角目2灯のモダンなデザインとされ、全体のフォルムは大柄なボディサイズを生かした伸びやかなスタイルを採用。

 ルーフはセダンよりも短いショートルーフで、傾斜角度を寝かしたリアウインドウから大きくオーバーハングしたトランクにつながるラインが斬新です。

 エンジンはセダンと同じく2リッター直列6気筒を搭載。トランスミッションは3速ATと4速MTが設定されました。

 1971年に4代目クラウンが登場し、1979年発売の6代目までクーペがラインナップされましたが、7代目以降は廃止され、ラグジュアリークーペは1981年にデビューした「ソアラ」が引き継ぐことになり、ハイソカーブームから大ヒットすることになります。

●日産「セドリック 2ドアハードトップ」

 クラウンに対抗するかたちで日産はアッパーミドルクラスのセダン、初代「セドリック」を1960年に発売しました。

 そして、1966年に日産とプリンスは合併し、後に姉妹車となったセドリック/グロリアへと繋がります。

 1971年に発売された3代目では2ドアクーペの「セドリック 2ドアハードトップ」が登場し、次世代の4代目にもラインナップされました。

 1975年に登場した最終型の2ドアハードトップは、フロントフェイスがセダンの4ドアハードトップと変わらないデザインですが、かなり押し出し感を強調しており、高級パーソナルカーとしての威厳が感じられます。

 また、キャビンから後ろはセダンのデザインをベースにクーペ専用のデザインとされ、曲線を多用したプレスラインがアクセントになって、抑揚がある重厚感を演出。

 内装はセダンに準じた意匠を採用し、リアシートのスペースも広く、居住性は犠牲になっていません。

 エンジンはスムーズさに定評があった2リッターと2.8リッターの直列6気筒「L型」を搭載。当時は3ナンバーの自動車税が高額だったことから、2リッター車が販売上のメイン機種だったようです。

 前述のとおり4代目をもって2ドアクーペは廃止となり、その後、日産の本格的なラグジュアリークーペは1986年発売の2代目「レパード」に引き継がれました。

■スポーツカーから一転してラグジュアリーカーとなったマツダ車とは!?

●マツダ「コスモAP/コスモL」

 マツダは1967年に、世界初の量産ロータリーエンジン搭載車である「コスモスポーツ」を発売。近未来のクルマをイメージさせる斬新なデザインのスポーツカーで、高性能なエンジンにふさわしい外観となっていました。

 その後、改良されながらコスモスポーツは1972年まで販売され、同時にマツダはロータリーエンジン車の拡充をおこないます。

 ロータリーエンジン車のフルラインナップ化を進めるなか、1975年にコスモスポーツの名を受け継ぎ、誕生したのが「コスモAP」です。

 初代のピュアスポーツカーのイメージから一転して、コスモAPは高級なスペシャリティカーへと変貌をとげ、ボディはセンターウインドウを持つ2ドアピラードハードトップを採用。

 フロントフェイスは丸目4灯のヘッドライトに縦ラインのラジエーターグリルを組み合わせ、重厚感のある雰囲気を演出しています。

 エンジンはトップグレードに1.3リッターの2ローターロータリー「13B型」を搭載し、ほかにも1.2リッターロータリーの「12A型」、レシプロエンジンの2リッターと1.8リッター直列4気筒が設定されました。

 ちなみに車名の「AP」とは、他社に先駆けて昭和51年排出ガス規制をクリアさせたことから、「アンチ・ポリューション=AP=公害対策」に由来しています。

 1977年には「ランドウトップ」というレザー張りの屋根を採用した「コスモL」を追加し、さらに高級感をアピール。コスモはもともとアメリカ市場を意識して開発されたモデルで、ランドウトップもアメリカのラグジュアリークーペで人気があったことから、採用に至ったようです。

 コスモAPは、1981年に角目4灯のリトラクタブルヘッドライトを採用したユニークな3代目へとモデルチェンジし、1990年には伝説的なモデルのユーノス「コスモ」へと受け継がれました。

※ ※ ※

 本文中にも登場したソアラ、ユーノスコスモなどに加え、ホンダ「レジェンドクーペ」、スバル「アルシオーネSVX」など、1980年代から1990年代にかけては、いまも語り継がれるような名車といえる2ドアクーペがデビューしました。

 小型のクーペは高い運動性能からスポーティモデルとして人気がありましたが、大型のクーペはそのボディサイズを生かした優雅で美しいデザインが特徴です。

 しかし、今後ラグジュアリークーペは減ることはあっても増えることは無いと思うと、寂しい限りです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

F1サンパウロGPスプリント予選速報|マクラーレンが1-2。RBローソンがSQ3進出の一方で角田裕毅18番手
F1サンパウロGPスプリント予選速報|マクラーレンが1-2。RBローソンがSQ3進出の一方で角田裕毅18番手
motorsport.com 日本版
ついに[日本上陸]! 水素CR-Vがオンリーワンすぎる件
ついに[日本上陸]! 水素CR-Vがオンリーワンすぎる件
ベストカーWeb
ヤマハ新型『YZF-R9』は3色展開で「扱いやすいモデル」に。2025年からWSSPでも導入/全日本ロード
ヤマハ新型『YZF-R9』は3色展開で「扱いやすいモデル」に。2025年からWSSPでも導入/全日本ロード
AUTOSPORT web
[売り上げ絶不調車]の汚名返上!! 先代の失敗を見事リカバリーしたクルマたち
[売り上げ絶不調車]の汚名返上!! 先代の失敗を見事リカバリーしたクルマたち
ベストカーWeb
フェルスタッペン、今季6基目のホンダエンジンを投入し、日曜日の決勝レースで5グリッド降格……ペレスはシャシーを交換
フェルスタッペン、今季6基目のホンダエンジンを投入し、日曜日の決勝レースで5グリッド降格……ペレスはシャシーを交換
motorsport.com 日本版
キャデラック、『XT6』など中軸SUVの2車種が価格改定。『XT5』は仕様変更も
キャデラック、『XT6』など中軸SUVの2車種が価格改定。『XT5』は仕様変更も
AUTOSPORT web
ノリス最速。下位に沈んだレッドブルは爪を隠す? 代役ベアマン3番手。角田裕毅12番手|サンパウロGP FP1
ノリス最速。下位に沈んだレッドブルは爪を隠す? 代役ベアマン3番手。角田裕毅12番手|サンパウロGP FP1
motorsport.com 日本版
2025年3月に運転免許が変わる! ぜったい覚えたい[マイナ免許証]の長所と短所
2025年3月に運転免許が変わる! ぜったい覚えたい[マイナ免許証]の長所と短所
ベストカーWeb
F1サンパウロFP1速報|ノリスが最速。ラッセル、代役参戦ベアマンが続く……角田裕毅12番手
F1サンパウロFP1速報|ノリスが最速。ラッセル、代役参戦ベアマンが続く……角田裕毅12番手
motorsport.com 日本版
WEC最終戦バーレーンが開幕。プジョー94号車がFP1最速、タイトル争いはポルシェ好調
WEC最終戦バーレーンが開幕。プジョー94号車がFP1最速、タイトル争いはポルシェ好調
AUTOSPORT web
ブラジルでF1の放映権争いが勃発。大手テレビ局2社が来季2025年の契約を主張
ブラジルでF1の放映権争いが勃発。大手テレビ局2社が来季2025年の契約を主張
AUTOSPORT web
【衝撃価格】240万円切り!? 人気すぎ[ジムニー]生産追い付かず”5ドア”はいつ来る? 日本導入が厳しいワケ
【衝撃価格】240万円切り!? 人気すぎ[ジムニー]生産追い付かず”5ドア”はいつ来る? 日本導入が厳しいワケ
ベストカーWeb
ロールス・ロイスの「ロールズ」と「ロイス」の才能を結びつけた男…スピリット・オブ・エクスタシーを発案した「クロード・ジョンソン」とは
ロールス・ロイスの「ロールズ」と「ロイス」の才能を結びつけた男…スピリット・オブ・エクスタシーを発案した「クロード・ジョンソン」とは
Auto Messe Web
シューマッハー残留か、マコウィッキ加入もあるか。アルピーヌの2025年ラインアップはまもなく確定へ
シューマッハー残留か、マコウィッキ加入もあるか。アルピーヌの2025年ラインアップはまもなく確定へ
AUTOSPORT web
SPKのeスポーツチームが2024年もトップリーグで激闘! 強力なドライバー陣で頂点目指す
SPKのeスポーツチームが2024年もトップリーグで激闘! 強力なドライバー陣で頂点目指す
くるまのニュース
361psの「RWD」がベスト? 最新 ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 精緻な操舵感へ惹かれる
361psの「RWD」がベスト? 最新 ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 精緻な操舵感へ惹かれる
AUTOCAR JAPAN
高級セダン乗りに吉報! 人気の「ウェッズスポーツSA-27R」に19&20インチが追加で大口径車にベストマッチです
高級セダン乗りに吉報! 人気の「ウェッズスポーツSA-27R」に19&20インチが追加で大口径車にベストマッチです
Auto Messe Web
もうひとりのキーマン。ホンダ好結果の要因。小椋藍への期待/MotoGPの御意見番に聞くタイGP
もうひとりのキーマン。ホンダ好結果の要因。小椋藍への期待/MotoGPの御意見番に聞くタイGP
AUTOSPORT web

みんなのコメント

15件
  • 高級車と言えばアメ車風のデザインが主流だった。
    特に330セドリックのシートはソファーのようで
    アメ車そのもの。
  • クラウンは、2台2ドア仕様がありましたね。一台の愛称はクジラクラウンと言ってましたね。

    マツダのコスモAPは、リアテールが、ユニークなL字形をしてました。

    2ドアクーペ各メーカー作らないくなりしたね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索
クラウンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0890.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村