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30歳以下のコンクール・デレガンス 後編 スピットファイアMkIII/BMW Z1 ほか

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30歳以下のコンクール・デレガンス 後編 スピットファイアMkIII/BMW Z1 ほか

フォード・ギャラクシー500(1964年)

オーナー:カリム・デミン氏

<span>【画像】アンダー30クラスのコンクール・デレガンスの様子 BMCミニとBMW Z1 全55枚</span>

淡いブルーグリーンのボディが多くの人を引き付け、見事にアメリカン・マッスル・カテゴリーで優勝したのが、カリム・デミン氏がオーナーの1964年式フォード・ギャラクシー500だ。数年を費やして探し出した愛車だという。

「ずっと探していました。しっかりしたシャシーとボディを備えていることを優先してね」。と話すカリムは26歳。レーシングカーのメカニックで、オイルまみれの部品は慣れたモノだという。

「カリフォルニアで見つけたクルマで、売り手はエンジンが完全に死んでいると話していました。ワークショップで2晩ほどかけて、エンジンは復活。でもギアが入らず、その時の興奮は一瞬にして打ち砕かれました」

最悪の事態を恐れつつ、幸運を祈ったカリム。試しにオートマチック・フルードを交換し、ボンネットもないまま試運転してみると、ギアが入るようになっていたという。「正解のクルマを買ったと、その時思いました」

「それから、くたびれた塗装を剥がしてワックスをかけ、インテリアの交換部品を探しました。今では、毎日の足代わりに乗っています」

メルセデス・ベンツ190E 2.3-16(1987年)

オーナー:マーリン・マコーマック氏

かつてアイルトン・セナもドライブした過去のある、スモークシルバーの190E コスワースをMTで乗りたいという願望を長年抱いてきた、マーリン・マコーマック氏。27歳の時に、忘れられたジャーマン・レジェンドを所有する機会が巡ってきた。

「このメルセデス・ベンツは、ロンドンのタワー・ブリッジの駐車場に6年も停められっぱなしだったと、友人から聞いています。2cmくらいボディに埃が溜まっていて、セルフレベリング・サスペンションが駄目になっていました」

マーリンは徹底的なメンテナンスを施し、毎日乗れるクルマへ仕上げることを決めた。「メカニズムは良好でした。サーキット走行は別のクルマで楽しむつもりだったのですが、話が帳消しに。結局、このコスワースの190Eで走っています」

「エンジンからバルブが抜け、コースに落ちたこともありましたね。メルセデス・ベンツの専門家に見てもらい、可能な限りOEM部品を使用して、エンジンをリビルド。新古部品も探して使っています。クルマをベストな状態に戻すために」

その結果、マーリンの190Eは素晴らしいコンディションを奪還。その希少性は、彼の想像以上だったとも話していた。

ポンティアック・ファイヤーバード・トランザム(1979年)

オーナー:ドミニク・テンプル氏

欧州で開かれるコンクール・デレガンス・イベントでは、めったに見かけることのないポンティアック・ファイヤーバード・トランザム。25歳だという、ドミニク・テンプル氏の愛車だ。

このトランザムは1979年式で、香港へ納車されたという珍しい1台。右ハンドル車でもある。「香港で幼い頃を過ごしていて、このクルマの存在は以前から知っていました。最終的に2015年に買うことができたんです」

しかし、ドミニクは古いアメリカン・マッスルカーにはあまり興味を持っていなかったとも話す。「実際、こんなクラシックカーは探していませんでした。MGBのようなスポーツカーを考えていたんですよ」

「でも、トランザムが売りに出ているのを知り、見逃すことができなかったんです」。そう話すドミニクは、結果的に3番目のオーナーとなった。

「素晴らしい経験を与えてくれます。完璧なクルマと呼ぶには程遠いですが、多くの人は楽しそうに眺めていきますね。それがうれしい」。1970年代のアメリカン・マッスルカーは、本人も楽しませているようだ。

ミニ1275 GT(1980年)

オーナー:トム・クラーク氏

クラシックカーという趣味の世界へ、幼い頃から無意識のうちに一歩を踏み出していたという人も少なくない。トム・クラーク氏のガレージにミニが収まることも、運命だったのだろう。

「自分の名付け親が、わたしにミニ1275 GTのミニカーを買ってくれたんです。それ以来、どこへでもそのミニを持ち歩いていました。クルマはミニ以外、考えられませんでしたね」。21歳のトムが経緯を振り返る。

大好きなおもちゃの、実物大のクルマを探すことに決めたトムは、オークション会場へ足を運んだ。1275 GTが出品されていた場所へ。祖父がトムに残したお金で、弱冠10歳の彼はオリジナル・ミニのオーナーとなった。

このミニはワンオーナー車で、走行距離は僅か4万5000kmほどだ。「レストアの際に、もとのデニムブルーに塗り直しています。新車時のオプションだったライトブルーのガラスと、完璧にマッチしていると思います」

「デッキチェアのシートはオリジナル状態。エンジンはミニを専門に扱うオセリ社へリビルドを依頼し、戻ってきたばかり。ここでクルマを展示できて良かったです。素晴らしい反応で、うれしくなりました」

ライレー12/4 スペシャル(1936年)

オーナー:ロリー・ウッドハウス氏

戦前モデルのカテゴリーで見事勝利を掴んだ、1936年式ライレー12/4 スペシャル。オーナーのロリー・ウッドハウス氏は、フライング・スコッツマンやシャムロック・ラリーといった英国のモータースポーツ・イベントへ、このクルマで参加してきた。

彼が所有してから数年が経つ。ライレーはピカピカに磨くためではなく、走り込むためのクルマだと考えている。「この12/4は、ファルコン・サルーンとして当初作られました」

「1960年代に駄目になり、その後スペシャル仕様へレストアされています。1970年代から1980年代にかけては、ライレー・モータークラブへ加わって積極的にイベントへ参加していたようです」

「わたしは2017年に手に入れました」。と話すロリーは26歳。ライレー12/4をフルレストアし、モータースポーツ・イベントへ参戦できる状態へ仕上げたという。このクルマを選んだのは、家族からの影響が強いようだ。

「素晴らしいクルマです。エンジンはパワフルすぎず、メカニズムは比較的シンプル。MTにはプリセレクターが備わっていて、変速も難しくありません。長距離でも快適に運転できますよ」

必要になれば、修理も簡単だという。「特に、ハンマーがあると便利ですね」

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