現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > SUVだけど4WDは必須じゃない!? 最近流行りの「クロスオーバーSUV」って何?

ここから本文です

SUVだけど4WDは必須じゃない!? 最近流行りの「クロスオーバーSUV」って何?

掲載 更新 19
SUVだけど4WDは必須じゃない!? 最近流行りの「クロスオーバーSUV」って何?

■乗用車にSUVテイストを加えたのが「クロスオーバー」

 いまでは主要なカテゴリーとなったSUVですが、最近では細分化が進み、「コンパクトSUV」や「クーペ風SUV」なども登場しています。そして、それらに加えて増えているのが「クロスオーバーSUV」と呼ばれるモデルです。

爆売れ確実! トヨタ新型「シエンタクロスオーバー」発表!

 じつはこのクロスオーバーには明確な基準などはなく、ふたつのジャンルを掛け合わせたモデルといった意味で使われることが多いようです。

 クロスオーバーSUVはどんなモデルを指すのか、そしてどんなメリットがあるのでしょうか。

 かつてはトラックなどでも用いられる頑丈な「ラダーフレーム構造」を用いた本格的なオフロード走行もできる4WD車を「クロスカントリー(クロカン)」や「RV(レクレーショナル・ヴィークル)」と呼んでいました。

 しかし、頑丈だけど重いラダーフレーム構造では、衝突安全性や燃費といった環境性能など、時代のニーズに対応できなくなり、そこで、見た目はクロカンっぽいけれど乗用車と同じ「モノコック構造」で軽量(乗用車に近い車重)、かつ舗装路でも快適な4WD車として登場したのがSUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)でした。

 一方で「クロスオーバー」は、SUVのメリットである4WDと高い最低地上高を、乗用車スタイルのまま採用したモデルを指しています。

 その多くは、ステーションワゴンスタイルのボディを、ちょっとした悪路でボディ下部を擦らない程度までリフトアップ。

 非日常感を演出するオーバーフェンダーやルーフレールなどを追加することで、SUV感を演出したのがそもそもの成り立ちです。

 これがネーミング的にもスタイル的にも流行り出し、多様なモデルが登場しているというのが現状なのです。

 以上を踏まえると、クロスオーバーと名乗るにはいくつかの大きなポイントがあります。

 まずは「ステーションワゴンに近いボディ形状(モノコック構造)」、「200mm前後の最低地上高」、「SUVらしいアウトドア感を演出するオーバーフェンダーやルーフレールを装着」ということが挙げられます。

 あくまで舗装路をメインに走行する乗用車がベースというのも外せないポイントで、駆動方式は4WDが好ましいものの、最近では2WDのラインナップしかないクロスオーバーSUVも存在します。

■いま一押しのクロスオーバーSUVにはどんなモデルがある?

 クロスオーバーSUVは、ふたつのジャンルのイイトコ取りをしているので、魅力的なクルマがたくさんあります

 そのなかでも、注目すべきクロスオーバーSUVにはどんなモデルがあるのでしょうか。

●スバル「XV」

 ワゴンボディを用いてSUV感のあるパーツを装備したのがスバル「XV」です。

 ベースの「インプレッサ」よりアウトドア向きだけど、「フォレスター」ほどSUVでもないという絶妙なサジ加減こそクロスオーバーだといえます。

 現行モデルは2017年に登場した3代目で、都会的で洗練されたデザインが特徴ですが、SUVとしての悪路走破性と高い安全性を兼ね備えたクロスオーバーへと進化しています。

 ボディサイズは全長4485mm×全幅1800mm×全高1550mm(1.6i-Lアイサイト)と、高さ制限がある立体式駐車場も利用できるサイズに抑えていることから、都会での使用をメインに開発されていることがわかります。

 搭載されるエンジンは、1.6リッターガソリンと2リッターハイブリッドの2種類。シンメトリカルAWDに加え、悪路での走破性を高める電子制御システム「X-MODE」を搭載するなど、じつは高い四駆性能を備えているのがポイントです。

 もちろん運転支援システム「アイサイト」も全車標準搭載され、都会にもアウトドアにも
に最適なモデルに仕上がっています。

●マツダ「CX-30」

 最近のマツダ車は美しいスタイルのモデルが多く、「魂動デザイン」というデザインコンセプトで統一感を持たせています。

 なかでもコンパクトSUVの「CX-3」とミドルサイズSUVの「CX-5」の間を埋める「CX-30」は美しいスタイルが特徴です。

 全長4395mm×全幅1795mm×全高1540mmというサイズで、全長の割には幅が広く設定されました。

 一方、最低地上高はベースの「マツダ3」より35mmアップした175mmを確保。オフロードよりオンロード向きであり、立体駐車場にも入る1550mm以下の全高にとどめています。

 2019年のデビュー当時のパワートレインは、2リッターガソリンと1.8リッターディーゼルでしたが、2020年に2リッターマイルドハイブリッド(SKYACTIV-X)を追加。

 2リッターガソリンと2リッターマイルドハイブリッドは6速MTも選べるなど、ドライバーズカーとしての性格も色濃く出ています。

 CX-30はオフロードよりワインディングのほうが似合いますが、多少の悪路でも問題なく走行できます。しかもMTで乗れるという希少性も加味すれば、魅力的な1台だといえそうです。

●ホンダ「フィット クロスター」

 ホンダ「フィット」のバリエーションのひとつとして設定されたのが「フィット クロスター」です。

 フィット クロスターは、専用のフロントグリルや前後バンパー、サイドガーニッシュ、ホイールアーチプロテクターなどを装備。

 ベースのフィットが5ナンバーサイズなのに対し、全幅1725mmに拡大されたフィット クロスターは3ナンバーサイズとなっています。

 ただし3ナンバーとはいっても専用装備によって少し幅が広くなっただけで、良好な取り回しに影響が出ることはほとんどありません。

 パワーユニットはフィットと同じで、1.5リッター+2モーターの「e:HEV」と1.3リッターガソリンエンジンの2種類を用意。どちらでもFFか4WDが選択できます。

 フィット クロスターがクロスオーバーSUVといえる理由は最低地上高です。16インチに上位互換されたタイヤとサスペンションのセッテイングによる足回りは、ベースモデルより25mm高い160mm(4WDは155mm)。

 アウトドアにも強いSUVであれば最低地上高は200mm程度が理想ですが、わずかのアップに留めたのは、あくまで都市型コンパクトカーとしての使い勝手を優先させた結果でしょう。

 また車高が高いSUVは良好な視界がメリットですが、逆に高重心となり高速道路やコーナーなどで不安定な挙動になりがちです。

 その点フィット クロスターなら低重心で安定した走行性能はそのままで、都市での使用を念頭に置いたクロスオーバーSUVという仕立てになっています。

※ ※ ※ ※

「SUVは欲しいけど大きいのはイヤ、でも窮屈なのもイヤ、それでいてカッコ良さも欲しい」という人にとって、クロスオーバーSUVは最適なモデルでしょう。

 人とは違うクルマに乗りたい人には、もっともおすすめのジャンルだといえます。

こんな記事も読まれています

電動化の[新型ロードスター]でもこだわりたい”人馬一体”感!! でもやっぱり内燃機関でしょ!!!!
電動化の[新型ロードスター]でもこだわりたい”人馬一体”感!! でもやっぱり内燃機関でしょ!!!!
ベストカーWeb
スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第7戦SUGOは小出峻がポール・トゥ・ウインで今季2勝目
スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第7戦SUGOは小出峻がポール・トゥ・ウインで今季2勝目
AUTOSPORT web
宮田莉朋、2番手チェッカーもペナルティで後退。マルタンスが今季初優勝/FIA F2第6戦レース1
宮田莉朋、2番手チェッカーもペナルティで後退。マルタンスが今季初優勝/FIA F2第6戦レース1
AUTOSPORT web
角田裕毅、F1スペインGPは為す術なく19位がやっと「うまくいかなかった理由を理解すべく、全てを分析しなきゃいけない」
角田裕毅、F1スペインGPは為す術なく19位がやっと「うまくいかなかった理由を理解すべく、全てを分析しなきゃいけない」
motorsport.com 日本版
雨でびしょ濡れ! タッチパネルがめんどい! オッサンが最新式のクルマにキレる「ハイテクトラブル」急増中!
雨でびしょ濡れ! タッチパネルがめんどい! オッサンが最新式のクルマにキレる「ハイテクトラブル」急増中!
ベストカーWeb
ル・マンでサーキットの救急車に乗ることに! お土産は「カルフール」のレース関連グッズ、特にエコバッグがオススメです【みどり独乙通信】
ル・マンでサーキットの救急車に乗ることに! お土産は「カルフール」のレース関連グッズ、特にエコバッグがオススメです【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
“尋常じゃない上げ幅”のTEAM MUGENにどう対抗? セカンドロウの坪井翔&牧野任祐が得た手応え/第3戦SUGO
“尋常じゃない上げ幅”のTEAM MUGENにどう対抗? セカンドロウの坪井翔&牧野任祐が得た手応え/第3戦SUGO
AUTOSPORT web
フロントロウ独占の裏に“共闘”アリ。TEAM MUGEN陣営が振り返るそれぞれのアジャスト/第3戦予選
フロントロウ独占の裏に“共闘”アリ。TEAM MUGEN陣営が振り返るそれぞれのアジャスト/第3戦予選
AUTOSPORT web
F1 Topic:マクラーレンのモーターホームで火災発生。搬送者が出るなか、代表が被害状況把握に務める
F1 Topic:マクラーレンのモーターホームで火災発生。搬送者が出るなか、代表が被害状況把握に務める
AUTOSPORT web
フィアット600 詳細データテスト 500より増した実用性と快適性 フィアットらしい元気さは不在
フィアット600 詳細データテスト 500より増した実用性と快適性 フィアットらしい元気さは不在
AUTOCAR JAPAN
F1スペインGP決勝速報|フェルスタッペンがノリスとの接戦制す。RB角田裕毅は19位と苦戦
F1スペインGP決勝速報|フェルスタッペンがノリスとの接戦制す。RB角田裕毅は19位と苦戦
motorsport.com 日本版
フェルスタッペン、猛追ノリスを退け掴んだ今季7勝目に喜び爆発。角田裕毅は終始苦戦19位|F1スペインGP決勝
フェルスタッペン、猛追ノリスを退け掴んだ今季7勝目に喜び爆発。角田裕毅は終始苦戦19位|F1スペインGP決勝
motorsport.com 日本版
今見ても美しい!! 5ドアクーペルックのBMW3シリーズ320iグランツーリスモ試乗プレイバック
今見ても美しい!! 5ドアクーペルックのBMW3シリーズ320iグランツーリスモ試乗プレイバック
ベストカーWeb
豪華装備のダイハツ「アトレー」は街乗りもアウトドアも両立! ケイワークスならではのハイエンドマルチ軽キャンパーとは
豪華装備のダイハツ「アトレー」は街乗りもアウトドアも両立! ケイワークスならではのハイエンドマルチ軽キャンパーとは
Auto Messe Web
「1つ以外は」最新ミニに求めるすべて! 1.5L 3気筒の新型クーパー Cへ試乗 活発な子犬のよう
「1つ以外は」最新ミニに求めるすべて! 1.5L 3気筒の新型クーパー Cへ試乗 活発な子犬のよう
AUTOCAR JAPAN
ベントレー「ベンテイガ」に世界5地域からインスピレーションを得た限定シリーズが登場! マリナーが仕立てた極上旅を表現した5台とは
ベントレー「ベンテイガ」に世界5地域からインスピレーションを得た限定シリーズが登場! マリナーが仕立てた極上旅を表現した5台とは
Auto Messe Web
アクシデントで途中終了に終わったSF第3戦。優勝の野尻智紀が安全対策に警鐘鳴らす「起こるべくして起きた印象。準備が足らなかったのでは」
アクシデントで途中終了に終わったSF第3戦。優勝の野尻智紀が安全対策に警鐘鳴らす「起こるべくして起きた印象。準備が足らなかったのでは」
motorsport.com 日本版
【正式結果】2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO 予選
【正式結果】2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO 予選
AUTOSPORT web

みんなのコメント

19件
  • 4WDであることよりスタッドレスタイヤであることのほうが重要。
  • この手の車で本格的な悪路を行こうと思う人なんてそんなにいないと思うし、雪の降る地方でもFFに乗っている人が結構いるだろうし。
    年明けから2月ごろの大雪の時には結構SUVが動けず立ち往生している横を四駆の軽トラとか箱バンが普通に難なく走っている光景もあったし。
    そもそもクロスオーバーSUVって言っても結構範囲があいまいで、それこそハッチバックにそれっぽいパーツをつけたりボディカラーを施しただけでもそういう扱いなんだから。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

305.1367.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

146.9352.2万円

中古車を検索
CX-30の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

305.1367.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

146.9352.2万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村