現在発売されている2018年9月号で、めでたくも創刊500号(別冊号含む)を迎えたオプション。クルマいじり=違法改造だった時代に創刊された、アンダーグラウンドな世界を伝える雑誌がまさか40年も続くとは…創刊時の関係者は思ってもいなかっただろう。
意外にもそのルーツはオートスポーツ誌だった!?
意外な事実かもしれないが、オプションの直系のルーツはモータースポーツ誌のオートスポーツ。創刊前の1980年に、三栄書房が新企画(新雑誌)立ち上げのトライアルとして、オートスポーツの増刊号を手がけたのがきっかけだ。
元々となるオートスポーツに対しての追加アイテム(新車を買うときのオプションパーツ)という意味合いからオプション。こうして、オートスポーツ・オプション(AUTO SPORTS Opt.)が増刊号として誕生した。
創刊初期は、F1やWRC,アメリカンモータースポーツまで取り上げていたがその方向性に本体、オートスポーツを越える手応えがなかったが、3号目に特集した『“ハコ”こそわが命・大流行のチューニング極致特集号』に大きな反響があった。
生粋のレーシングカーではなく、市販車をベースにしたハコ車(改造車)によるレース、マイカーにも転用できる(できそうな)魅力に溢れていたのだ。
これをきっかけに、当時盛り上がりの機運を見せたいたストリートの改造車(チューニング)をターゲットにした雑誌として舵を切り、1981年に現在の『オプション』のタイトルで独立創刊。走り屋のためのカーマガジンとしてのスタートした。
走り屋=暴走族、世間はそう見たが決してそれだけではなかった
当時、自動車の改造は法的、世間的にはほぼ許されなかった時代。レースを模したチューニングも、現在のように一般的ではなくあくまでアンダーグラウンドなもの。
一般的には暴走族も走り屋も同類に見られていたが、決してそれだけではなかった。
たとえば、今では伝説ともなっている『東名レース』。スピードに取り憑かれたクルマ好きが愛車に改造を施し、毎週末、深夜の東名高速で競走を繰り広げていた。また、全国各地の埠頭や工業地帯ではドラッグレースになぞらえたゼロヨンなども。
そういった、ちょっと怪しい雰囲気の中、スリルを追い求めるクルマ好きたちの生態に迫ったのがチューニング雑誌オプション。その走り屋たちの追い求めるロマンに迫り、チューニングの手法を解説しながら、カーライフを広げることを追求した。
また、一方ではテストコースに車両を持ち込み、正規のテストとして最高速などチューニングカーの運動性能を計測。さらに、東京オートサロン(初期のイベント名は東京エキサイティングカーショー)などのイベントを提唱し、チューニング=カスタム、カスタム=文化という図式を世に広めてもいった。
こうして歩み続けて行く中で、日本のチューニングは高い技術を要した文化として世界中に知られる要になり、国内でも大人の趣味として認知されるようになっていった。
独立創刊から37年間、自動車の環境は常に変わり続け、今大きな転換期を迎えている。しかし、それでもチューン&カスタムの文化は衰えはしない。
クルマを通して人生を満喫する、そのための情報を送り続けるのがオプションの使命として、次の500号に向かいたい。
創刊500号記念ツーリング
現在発売中の2018年9月号が、創刊500号(増刊号も含む)。表紙や告知に使われているのは、創刊時の『東名レース』をオマージュして、撮影会の前に行われた『新東名ツーリング』の1コマ。
創刊500号ということで、新旧世代のチューニングカーを集め富士スピードウェイのパドックで大撮影会を開催。そこには、創刊時期からのレジェンドや、日本のチューニングを世界に知らしめた立て役者、さらに次世代を担う若手チューナーたちも集まった。
オプション創刊500号 記念号、ぜひ一読してもらいたい。
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