■「スープラが最後のピュアエンジンスポーツカー」と多田CEは語っていた
2019年9月に、トヨタがスバルへの出資比率を高め、業務資本提携を次のフェーズとすることが発表されました。トヨタが議決権ベースで20%になるようスバルの株式を取得することで関係強化を図るということが注目の発表でしたが、さらに新たな業務提携の内容についても公表されています。その中で気になるのは『TOYOTA 86 / SUBARU BRZ 次期モデル共同開発』という一文でしょう。いろいろと噂になっていましたが、ついに86/BRZのフルモデルチェンジが決定したというわけです。
ここで気になるのは、次期86/BRZがどのようなパワートレインを採用するのか、ということです。従来通り、スバルが生産を担当するのであれば水平対向エンジン一択となるのは間違いありませんが、気になるのは電動化トレンドがどのように影響するのかということ。
というのも、トヨタがBMWと共同開発したGRスープラのデビュー時に気になる話を聞いているからです。ご存知のようにトヨタ86の開発時におけるチーフエンジニア(CE)であり、GRスープラの開発でもCEとして指揮した多田哲哉さんは「おそらくスープラが最後のエンジンだけで走るスポーツカーになる」と発言しています。つまり、次期86/BRZはなんらかの電動化技術を盛り込んだハイブリッド・パワートレインになるであろうと予想できるのです。
すでにトヨタのハイブリッドシステムをスバルの縦置きトランスミッション内に収めたプラグインハイブリッドカー「クロストレック ハイブリッド(北米のみ販売)」は存在していますし、そのシステムをスバルのラインナップに拡大することは今回の発表でも触れられています。ですから水平対向エンジンを利用した縦置きハイブリッドは増えていくと考えられます。
また、86/BRZについては、とくに「86」という名前を使っている限りにおいて、FRレイアウトであることは商品企画として外せない要素といえます。トヨタはクラウンやレクサス系でFRハイブリッドのノウハウを豊富に持っていますから、次期86/BRZをフルハイブリッドにするということも可能でしょう。一方、スバルとしても独自のマイルドハイブリッドシステムを持っています。そのシステムであればMTとの組み合わせも可能になりますから、そちらを選択するという見方もできるでしょう。はたまた、簡易的なマイクロハイブリッドにする可能性も否定できません。
しかしながら、時代の環境ニーズを考えるとトヨタハイブリッドシステムを使ったフルハイブリッドのスポーツカーになると予想するのが自然に思えます。
ハイブリッドカーの走りといえば、モーターのトルク特性によるレスポンスのよい発進性やシームレスな加速感が魅力です。そして、こうした特徴はスポーツカーとしても走りのアドバンテージに活かせるはずです。はたして、次期86/BRZはどのような“ハイブリッド・スポーツカー”になるのでしょうか。少なくとも、環境や自動運転が重視される時代に身近なスポーツカーである86/BRZが存在しつづけるということが明言されたのはクルマ好きにとっては嬉しいニュースといえるのではないでしょうか。
※画像は現行86/BRZにつながったFRパワートレインを示すコンセプトカーのもの
文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)
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