アメ車といえば、クルマでもバイクでも大排気量……そんなイメージがあるかと。ちなみに、大型バイクの代名詞ともいえるハーレーダビッドソンの最大排気量は今や2000ccに到達しています!
しかし意外かな、アメ車=大排気量の方程式から外れるメーカーもあるのです。そうそう、EVには排気量がありませんし。
さて、世界各国のバイクメーカーが自社製品を売り込むべくイタリア・ミラノに集結する「EICMA」が2023年11月に開催されましたが、その会場から取材班が見た「大排気量じゃないアメ車」を紹介していきましょう。
【画像9点】ハーレーみたいだけど125cc? アドベンチャーのEV? 珍しいアメリカ製バイクを写真で解説
編集部註:「EICMA」とはEsposizione Internazionale Ciclo Motociclo e Accessoriの略で、モーターサイクルとアクセサリーの国際見本市の意。イタリア・ミラノで例年11月に開催され、通称「ミラノショー」とも呼ばれる世界最大級の二輪モーターショー。見本市という性格から、コンセプトモデルなどより、実際に市販される新型車の発表や展示が多い。
UM「世界40ヵ国に展開、クルーザーからオフロードまで多様な車種をラインアップ」
「UM」は1999年にアメリカ・マイアミで設立されたバイクメーカーで、2000年には中国、台湾、韓国のバイクメーカーと提携してグローバルに展開。今では世界40ヵ国で販売しているが、残念なことに日本は含まれていない。
2017年にはヨーロッパへ進出。アメリカのほかイタリア・トリノにグローバルな開発・デザイン部門を置き、マーケティングも行う。また、ポルトガルにパーツ流通センターと販売拠点も構えている。ラインアップは125ccから300ccの小排気量車で、クラシックスタイルのロードバイクを中心にスクーターやモダンネイキッド、オフロード車も手がけている。
「RENEGADE」(レネゲード)はアメリカンクルーザーで、エンジンは9.5psを発生する125cc空冷単気筒OHC2バルブと、28psの292cc水冷単気筒DOHC4バルブがある。
「レネゲートスポーツ125」はシンプルな装備でスタンダードなモデル。「レネゲートクラシック300」はスクリーンとサイドバッグを備える王道的クルーザーで、リヤビューカメラも備える。
「レネゲートST300」はニューモデルで、バットウィングフェアリングとサイドバッグ、リヤビューカメラに加えて、Bluetoothスピーカーも装備するバガースタイルだ。
「DSRラリー300」もニューモデルで、292cc水冷単気筒DOHC4バルブエンジンと、フロント21インチ、リヤ17インチホイールを組み合わせるデュアルパーパスモデルだ。車重は136kgで、11.2LのビッグタンクとTFTメーターを備える。
「DSR EX 300」はラリーとエンジンやフレームを共通とするエンデューロモデルで、リヤホイール径は18インチ、燃料タンクは6.3Lとなり車重は124kgだ。
ZERO MOTORCYCLES「日本未発売のEVアドベンチャーや、斬新なロードスポーツコンセプトを披露」
「ZERO MOTORCYCLES」(ゼロモーターサイクルズ)は、アメリカのEVメーカーで、ビューエルやビクトリーから移籍したエンジニアを抱え、マン島TTやパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムへの参戦経験もある新進気鋭のメーカーだ。
日本ではジーム(XEAM)が輸入元となり、SR/F、SR/Sといった高性能スポーツEVなどを販売している。
そんなゼロモーターサイクルズから、日本ではまだ販売されていない2024年型モデルと、出展されたコンセプトモデルを紹介。「DSR/X」は、SR系コンポーネントを使ったアドベンチャーツアラーだ。最高出力100ps、最大トルクは229Nm、最高速180km/hという性能を有し、車重は247kg。ボッシュ製IMUによるコーナリングABS、トラクションコントロールなどの電子制御デバイスも備える。気になる航続距離は一般道で288km、高速道路で172kmだという。
コンセプトモデル「SR-X」は、チャレンジングでアーティスティックなカウルがインパクトを放つ。ベース車両はおそらくネイキッドスタイルのSR/Fと思われるが、この外装だけでも印象は大きく変貌する。市販化されればスポーツEVのイメージをプラス方向へ変えていくことだろうし、認知も高まるにちがいない。
レポート&写真●山下 剛 編集●上野茂岐
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