マツダからついにあの高級SUV「CX-80」の国内仕様が発表された。やはりと言うべきか、その完成度の高さは外観からでもよく分かる。CX-60をベースにさらに押し出しが強くなった外装と快適な2列目シートが超絶魅力なので早速見ていこう。
※本稿は2024年8月のものです
文:ベストカー編集部/撮影:奥隅圭之
初出:『ベストカー』2024年9月26日号
待望の[新型CX-80]は超上質! エンジンも判明!! マツダ力作のフラッグシップSUVの[実力]って?
【画像ギャラリー】実はこの高級感かなり苦労したのよ! マツダ渾身のCX-80を隅々まで見て(27枚)
■ベースはCX-60だが随所で差別化
2024年8月22日、ついに日本仕様が発表されたマツダ CX-80
2024年4月に欧州向けモデルの詳細が明らかとなったマツダの新型クロスオーバーSUV「CX-80」の日本仕様が8月22日についに発表となった。
マツダのラージ商品群の4番目となるモデルは、CX-8が築いた3列シートSUVという独自の商品性を引き継ぎつつ、フラッグシップとしてのポジションを確立していくことになる。
CX-80の主査である柴田浩平氏の説明によると、マツダがCX-80で追求したコンセプトは3つ。「力強くダイレクトで一体感のある走り」、「豊かさを感じさせる優雅で美しいデザイン」、「乗員を新しい体験へ誘う高い機能性」だ。
まず「力強くダイレクトで一体感のある走り」についてだが、パワートレーンは各仕向地のニーズに合わせるために、2.5Lガソリン、3.3Lディーゼル、3.3Lディーゼル+マイルドHV、2.5Lガソリン+プラグインHVという4種類を設定。
国内仕様のCX-80へのガソリンモデル設定については資料で言及されていないが、ディーゼルモデル3種については設定が確実だ。
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■高級感を追求したCX-80
マツダ CX-80。チーフデザイナーの玉谷聡氏は「限られた条件で、いかにCX-80のコンセプトをデザインに落とし込めるかに苦心した」と語っていた
乗り味については、CX-60との棲み分けを行うということで、スポーティな走りを求めるCX-60、高級感のある上質な乗り心地を追求するCX-80といった感じになる。
足回りなどに関する情報は明かされなかったが、スポーティさを演出するためにCX-60のリアに採用されているピロボールブッシュは、乗り心地を重視したものに変更される可能性がありそうだ。
ふたつ目の「豊かさを感じさせる優雅で美しいデザイン」だが、エクステリアデザインはCX-60をベースとしているが、Bピラー以降のデザインを変更することで、CX-80らしい豊かさや優雅さをどう表現できるか苦心した、とチーフデザイナーの玉谷聡氏は語っている。
玉谷氏いわく、北米で発売されたCX-90のようなワイドボディのクルマは、デザインをするうえで非常に選択肢が多くやりやすいそうだが、今回のCX-80のようにCX-60の車幅を変更せずにホイールベースを長くすると、デザインのバランスが難しくなる。
そうした制約の中で、違和感なくフィニッシュさせることに注力したという。
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■CX-60とCX-80の比較
マツダ CX-80(右・手前)とCX-60(左・奥)。商品開発本部主査の柴田浩平氏がCX-60に続き、CX-80も担当している
上のCX-60との比較写真を見るとわかりやすいが、ベースとなったCX-60はタイトなキャビンと強いボディでスポーティさを表現している。
ウィンドウグラフィックスの上側のラインはリアに向かってスピード感を持って下がっていき、逆にベルトラインはBピラーから後ろで持ち上がっている。これによりタイトなキャビンを演出しているのだ。
対するCX-80は、ウィンドウグラフィックスの上側ラインをできる限り下げず後方まで引っ張っている。ベルトラインも後方まで直線的に突き抜くことで、豊かな空間を演出している。
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■拡大された空間とバリエーション
インパネおよび前席のインテリアデザインはCX-60と同じ。プレミアムモダンを表現する加飾を随所に採用している
空間的な話に移るが、CX-80のホイールベースは3120mmある。これはベースとなったCX-60に比べて250mm長く、同じ3列シートだったCX-8と比べても190mm長くなっている。
直6エンジンを搭載してボンネット長が長くなっているため、この数字がすべて快適性の部分に振られているわけではないが、CX-8に比べて室内空間は確実に広くなっている。
高さ方向について見てみると、座面に腰かけた状態で腰から天井までの高さを測定したヘッドルームの数値は、2列目でCX-8の988mmに対して996mm(プラス8mm)。3列目はCX-8の886mmに対して915mm(プラス29mm)と広くなっている。
また3列目シートでは、拡大したリアドアの開口部や平坦かつわかりやすいステップでアクセス性を改善。シート形状も見直し、シートに深く着座することができるようにしたことで、姿勢が安定し、より疲れにくくなったそうだ。
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■2列目シートはまさかの電動
写真はセンターコンソールを備えたキャプテンシート。シートバリエーションは3種ある
そんな拡大された室内空間のインテリアだが、前席部分についてはベースとなったCX-60と同様のデザインを採用。独自性を打ち出しているのは2列目以降となる。
2列目はライフスタイルに合わせたシートバリエーションを選択できるように3種類を用意(グレードによる)。座席間にコンソールがあるセパレートタイプのキャプテンシートを筆頭に、キャプテンシートのコンソールがなくウォークスルーができるもの、そして3人掛けとなるベンチシートとなる。
キャプテンシート(電動)については、2列目シートを倒すことができないが、ベンチシートタイプは2列目を完全に倒すことができるので、フルフラットにして大きな荷物を積んだり、車中泊に活用することが可能だ。
荷室容量(フロア下容量含む)は3列目使用時で258L、3列目格納時で687L、2-3列目格納時で1221Lと家具やサーフボードもすっぽり収まるサイズとなっている。
CX-8からの乗り換えや、CX-60では手狭と感じていたユーザーにはベストなモデルと言えるだろう。
気になるCX-80の登場時期だが、8月22日に発表したものの、発売については2024年秋ごろからになるとアナウンスされている。注目して待ちたい一台だ。
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CXー60の時のように、被害者が出なければいいけど。