■RAV4アドベンチャーにハイブリッドがなかった理由
新型ランドクルーザー(300系)のオフロード試乗会場に意味アリ気に展示されていたのが、トヨタハイブリッドのシンボルマークを付けたRAV4アドベンチャーだ。
RAV4ハイブリッド アドベンチャーはこの9月、欧州で2022年モデルとして先行発表されている。だが、展示車は完全な日本仕様。つまり、国内向けのプロトタイプである。
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【画像】RAV4はやっぱりこの顔だよね…人気のアドベンチャー
RAV4の国内販売比率はガソリン車がハイブリッド車(HV)を上まわっている。なかでも人気を牽引してきたグレードが、現行RAV4のキャラクターを象徴するアドベンチャー。いっそうワイルドな専用エクステリアやスポーティシートなどを備え、ユーザーからもHVの登場を望む声は少なくなかったに違いない。
これまでアドベンチャーにHVが設定されなかった最大の理由は、4WDシステムにある。アドベンチャーの世界観にもっとも似合うのは、悪路走破性やラフロードのハンドリングを高めた新開発のダイナミックトルクベクタリングAWDとマルチテレインセレクトの組み合わせ。つまり、ガソリン車というわけだ。
しかし、HVアドベンチャー プロトタイプの4WDは従来のRAV4 HVと同じく、後輪モーター駆動のE-Four(+トレイルモード)である。
プロトタイプを眺めまわすと、ほかにも既存のRAV4とは異なる点が散見できる。
LEDヘッドライトは内部が新しいデザインで、フォグランプも新たにLED化。マット塗装のアルミホイールも新意匠だ。室内では、ルームランプにLEDを採用。コンソールのドリンクホルダーは細い缶にも対応すべく、可動式のツメが増設されている。基本的には前述した欧州向けの2022年モデルと共通のようだ。
一方、バンパーやグリルといった大物は従来のまま。現行型は国内発売から2年半、北米では3年を迎えるが、開発担当者によれば、とりあえず定例のマイナーチェンジは行われないようだ。新意匠のヘッドライトをグレードに応じて採用するなど、一部改良にとどまるもよう。販売はグローバルで好調が続いており、それなりのコストをかけてまで変える理由は見当たらない。
■CO2削減のための第一歩
話を戻すと、アドベンチャーがダイナミックトルクベクタリングAWDを理想とした点からすると、HV+E-Fourの搭載はお客様ニーズに応えるための妥協ということになるが…。
この点を、開発を指揮した佐伯禎一さん(現SUV事業性チーフプロジェクトリーダー)に突っ込むと、いわく「RAV4の将来に向けた一手」。
RAV4は昨年PHVの発売で電動化が強化されたが、フロントフェイスが2段グリルの標準タイプがベース。アドベンチャーはこのHVが初の電動化であり、将来のカーボンニュートラル実現に向けた新しいステップだという。確かにRAV4シリーズ全体でCO2排出量をさらに削減するなら、ガソリン車よりHVの販売比率を高める必要がある。
世界的な半導体不足やコロナ禍といった不安定要素で、国内の導入時期はまだ明言できないとか。それでも「(2021)年内には何とか発売したいと思ってがんばっています」(佐伯さん)というから、期待していいはずだ。現在のハイブリッドGとG“Zパッケージ”の価格差(49万円)からすると、値付けは380万円あたりか!?
〈文=戸田治宏 写真=澤田和久〉
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みんなのコメント
いまこっそ
「現行(モデル)の」で良くないですか?