2代目CRX 価格高騰中
CRX(日本名:CR-X)とはCivic Renaissance Experimental(シビック再生実験)の略だとされており、このホンダ製コンパクトクーペは1984年から1998年の間に3世代が登場している。
そのなかで今回取り上げるのは2代目モデルだ。
このコンパクト2+2の英国での現役期間は1988年から1991年までと短かったが、強い印象を残したことで、いまや最高のコンディションを保った車両の価格は2万ポンド(285万円)に近づいている。
例えば、走行距離わずか2万4000kmで新車同様のコンディションを保った車両には、最近のオークションで1万9000ポンド(271万円)という値が付いている。
もちろん、こんな車両は極めて稀であり(実際いまも公道上を走っているCRXは150台程度と、このモデルそのものが希少な存在だ)、メンテナンスが十分に行き届いていれば、個人売買でもある程度の走行距離を重ねた車両に6000ポンド(85万円)程度の値が付いている。
オークションで運試しをしてみたいというのならば、最近同じような価格で走行距離7万4000km、程度良好な1990年登録の車両が落札されている。
ディーラーであれば少なくとも2000ポンド(28万円)の上乗せは必至であり、コンディション良好なプジョー205 GTIやルノー5ターボであっても、これほどの値段はしないはずだ。
高回転を維持すべし
では、なにがCRXをこれほどの人気にしているのだろう?
軽量ボディ(約900kgだ)に四輪ダブルウィッシュボーンサスペンションを組み合わせ、見事な回転上昇を見せるエンジンを選ぶことの出来たCRXは、まさに最高にドライビングが楽しいモデルだった。
そのなかでも最高のエンジンといえば、8200rpmを許容して150psを発揮する1.6L VTECだろう。
さらには130psを発揮する非VTECの1.6Lツインカムもラインナップされていたが、このエンジンですら思わず背すじがゾクゾクするような7200rpmまでの回転上昇を味わわせてくれた。
このふたつのエンジンにはホンダが誇る当時最新のPGM-FIが採用されていたのだ。
VTECを搭載せずに100psを発揮する1.5Lシングルカムエンジンもラインナップされていたが、当然このエンジンを搭載した車両はごく少数に留まる。
アルミホイールとパワーウインドウ、さらにはCRXのロゴ付きフロントバケットシートが標準装備であり、リミテッドスリップディフェレンシャルやサンルーフはオプションだった。
2代目CRXはホンダ製モデルのスペシャリストであるジュリアン・スペンダーのお気に入りだ。
「適切なメンテナンスを受けていれば、エンジンは非常に丈夫です」と、彼は話す。「このエンジンを楽しむコツはともかく高回転を維持することです。低回転ではまったく覇気がありません」
期待し過ぎは禁物
オーナーであるマット・バックナールもCRXを愛するひとりだが、CRXの購入を考えるひとびとに対して、このクルマのサスペンションに期待し過ぎてはいけないと話す。
「当時であればシャープに感じたかも知れませんが、現代のより強固なボディに引き締められた足回りを組み合わせたモデルと比べれば、例えコンディション良好な個体であっても物足りなさを感じるとともに、高扁平のタイヤがソフトな印象を与えるでしょう」
だからこそ、彼は強化サスペンションを装着したモディファイ済みの車両を避けるべきではないと言うのだ。正しいモディファイが行われていれば、十分その効果を感じることが出来る。
そして、こうした車両の多くがJDM(Japanese Domestic Marketの略だ)と呼ばれる日本から輸入されたものだ。
日本からの輸入車両には十分な防錆が行われていないと批判する向きもあるが、実際にはほとんどの車両が完ぺきなコンディションを保っており、間違いなく防錆についても多くの英国の車両よりも優秀だ。
さらにはしばしば装備も充実している。
それでも、輸入手続きが適切に行われ、英国の道路交通法に合致していることは確認する必要があるだろう。
もしラッキーなら、そのボディサイドには「Civic Renaissance Experimental」の文字が輝いているかも知れない…。
CRXの中古車 購入時の注意点
エンジン
定期的なオイルチェンジとカムベルトの交換が行われているか、請求書を徹底的に調べる必要がある。
もしこうした証拠を手に入れることが出来なければ、フィラーキャップ周りに乳化したオイルが付着していないか、マフラーから青い排気ガスが出ていないかを確認しよう。
プラグの焼け具合をチャックするとともに、カーボンやオイルの付着がないか確認が必要だ。
タペットの摩耗やミスファイヤ―が発生していないか、サウンドにも注意すべきであり、クーラントホースの状態とともに、クーラントエキスパンションボトルに漏れがないかチェックしよう。
長時間アイドリングを行った場合にはクーリングファンが作動するはずだ。
ドライブトレイン
各ギアに入れてみてシンクロがくたびれていないか確認するとともに、ベアリングが摩耗していないか異音の有無をチェックしよう。
クラッチにも滑りがなく、繋がるポイントが手前過ぎないことも確認が必要だ。
ブレーキとサスペンション、ステアリング
CRXは軽量なモデルであり、サスペンションの各ジョイント部とブッシュに掛かる負荷は小さいが、このクルマの年齢を考えれば、そろそろ交換が必要だろう。緩みや異音が発生していないか確認しよう。
低速でパワーステアリングが重い様に感じるかも知れないが、故障ではない。
ボディワーク
サイドシルとフロントフェンダーには特に錆が発生し易く、サンルーフのエッジ部分にも注意が必要だ。
ドア下側も同じように錆に弱い。
車両下部についてはドライバーを使って、不具合を隠すために最近防錆剤が塗られた形跡がないか確認しよう。
サブフレームも錆びやすく注意が必要だ。
インテリア
交換部品の調達が極端に難しくなっているため、内装のひび割れや破れたシートには注意が必要だ。
エンジン始動時にはすべての警告灯が一旦点灯することを確認しよう。
専門家の意見を聞いてみる
マット・バックナール(CRXオーナー)
「この1.6Lエンジンを積んだCRXを手に入れたのは2年前です。2オーナー車両で、前のオーナーは24年間もこのクルマを他の10台のCRXとともにガレージに仕舞い込んでいました」
「ワックスオイルで下回りの塗装を行っており、素晴らしいコンディションが維持されています」
「CRXではよく見られる小さな錆はありますが、フェンダー上に膨れ上がるような、重大なものはありません。錆が見つかれば、反対側にも錆があると思った方が良いでしょう」
「インテリアパーツは見つけ出すのが非常に難しくなっていますが、メカニカルパーツやフィルター、ガスケットなどはまったく問題ありません」
「キチンとメンテナンスしている限り、コンディション良好なCRXは非常に信頼性の高いモデルです。いまや価格は高騰する一方ですから、後悔したくなければ手に入れるのはいまです!」
知っておくべきこと
メカニカルパーツや消耗品はautopartspro.co.ukやcmsnl.comといったサイトから簡単に手に入れることが出来る。
インテリアパーツに関しては、廃車されたCRXを部品取りに購入したほうが良いだろう。
395ポンド(5万6000千円)でそんな部品取りの1台を見つけることができた。
等長ドライブシャフト
お陰でCRXではトルクステアが上手く抑え込まれている。
いくら払うべき?
350~2499ポンド(5万~35万5000円)
廃車済みや走行不能な車両であり、スペアパーツの部品取り用には最適だろう。
2500~3999ポンド(35万6000~56万9000円)
例えば1990年登録で21万kmを走破したようなボロボロの車両ばかりだ。
それでも過去5年間で1万ポンド(142万円)を費やしたという、リビルトエンジンを積んだ車両が2700ポンド(38万4000円)で売りに出されている。
4000~5499ポンド(57万~78万2000円)
1991年登録で25万7000kmを走破したVTECモデル(24万1000kmの時点でエンジンオーバーホールを行っている)のように、よりまともな車両が候補になる。
それでもフェンダーには数カ所小さな錆が発生しているだろう。
5500~7499ポンド(78万3000~106万7000円)
「錆の無い」1991年登録、走行距離29万kmのVTECモデルのような、まともな状態の車両を個人売買で手に入れることができる。
7500~9995ポンド(106万8000~142万3000円)
コンディション良好で比較的走行距離の少ない車両が候補になる。
その多くが日本から輸入されたものだ。
掘り出し物を発見
ホンダCRX 1.6、1993年モデル、走行距離14万6000km、5850ポンド(83万3000円)
コンディション良好で不具合のない1.6ツインカムエンジン搭載モデルであり、最近行ったカムベルトの交換を含め、十分なメンテナンス履歴が揃っている。
確かにVTECエンジンでないのは残念だが、CRXが希少な存在になっていることを考えれば、優先すべきはエンジンよりもコンディションだろう。
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みんなのコメント
四人乗りを二人乗り申請して、無限のフルエアロにしてました。良い思い出のある車です。