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サーブ 9-5は名車「900」を彷彿とさせるシルエット、そして航空機感覚が味わえるサルーンだった【10年ひと昔の新車】

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サーブ 9-5は名車「900」を彷彿とさせるシルエット、そして航空機感覚が味わえるサルーンだった【10年ひと昔の新車】

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、2011年3月に日本で発表された2代目サーブ 9-5を紹介しよう。当時、GMの経営破綻から生まれ変わった新生サーブ初の本格的なニューモデルとして、サーブ 9-5は13年ぶりとなるフルモデルチェンジを果たして大きな注目を集めていた。

サーブ 9-5(2011年:2代目フルモデルチェンジ)
2011年春に発表されたものの震災の関係でデリバリーが遅れていたサーブのフラッグシップ「9-5」にようやく試乗することができた。試乗車は300psと400Nmを発生する2.8LのV6ターボを4輪で駆動する「9-5 エアロ」だ。

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いわゆるEセグメント、日本的に言えばアッパーミドル セダンに属する9-5だが、全長は5mを超え、幅も1.9m近い。日本車ならひとクラス上のクラウンマジェスタよりさらに長く、けっこう大きい。だが、航空機メーカーをルーツに持つだけあって空力を重視して引き締まったボディは、実寸ほどの大きさを感じさせない。コンベンショナルな4ドアセダンなのだが、かつての名車「900」をも彷彿とさせるシルエットも独特だ。サーブ信奉者にはたまらないラインだろう。

インテリアも現代風にアレンジされているが、そこかしこにサーブの伝統が感じられる。ドライバーを包み込む逆L字型のインパネ、目に優しいグリーンの指針、そしてイグニッションはボタン式になったが、シフトの脇にある点も踏襲されている。

そのボタンを押してエンジンをかけ、スタートする。試乗車の9-5 エアロはトップグレードで、2.8LのV6ターボエンジンで4輪を駆動する(サーブでは4WDではなくXWDと呼んでいる)。 オランダのスパイカー傘下となった(編集部註:2011年当時)サーブだが、新型9-5のベースはGM時代のオペル インシグニア(ベクトラの後継車)だ。したがって、パワートレーンやシャシも流用している。

「ナイトパネル」の気分はジェットストリーム!
最高出力300psと最大トルク400Nmを発生するV6ターボは低速域からけっこうパワフルだ。このクルマに合った上品なアクセルワークでも十分に力強く、さらに踏み込むとターボらしい強烈な加速も味わえる。XWDのおかげで高速での直進安定性はかなり高い。

やはり9-5の真骨頂は高速クルージングだろう。それもナイトドライブがいい。ヘッドアップディスプレイには速度だけでなくエンジン回転数やカーナビの表示もできる。また「ナイトパネル」ボタンを押せば、スピードメーター以外のインパネ照明を消して運転に集中できる。まさに気分はナイトフライトのキャプテンといったところだ。

室内、トランクともスペースは十分に広く、とくにリアシートは同クラスのライバルよりもたっぷりとしている。とはいえ、オーナーが後席に座る機会は少ないかもしれないが。

航空機のイメージを重視したサーブというブランドが好きで、他人とは違った高速クルーザーを探している人にはオススメしたいクルマだ。ここまでのパフォーマンスは要らない、という人には2Lの直4ターボでFFの「ベクター」も用意されている。こちらも試してみたいと思わされた1台だった。
(編集部註:サーブ ブランドは2017年に廃止されました)

■サーブ 9-5 エアロ 主要諸元
●全長×全幅×全高:5010×1870×1465mm
●ホイールベース:2835mm
●車両重量:1970kg
●エンジン:V6 DOHCターボ
●総排気量:2792cc
●最高出力:221kW(300ps)/5500rpm
●最大トルク:400Nm(40.8kgm)/2000rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:フロント横置き4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・70L
●10・15モード燃費:未発表
●タイヤサイズ:245/40R19
●車両価格(税込):695万円

[ アルバム : サーブ 9-5 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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