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【最新モデル試乗】今後のボルボの主軸。俊敏加速のカジュアルBEV、EX30のトータル性能

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【最新モデル試乗】今後のボルボの主軸。俊敏加速のカジュアルBEV、EX30のトータル性能

期待のカジュアルBEV、日本上陸

 EX30は2040年までにクライメートニュートラルを達成し循環型ビジネスを目指すボルボの意欲作だ。日本導入が少々遅れたのは、ソフトウエアの最終調整に想定より時間を要したのが理由だという。
 EX30をボルボは、地球環境に寄り添う中で最も重要な新規モデルと位置付けている。BEV専用アーキテクチャーを用いた100%電気自動車(BEV)であり、ボルボ史上、最小のSUVでもある。何より重要な点は、クルマ自体はもちろん生産段階を含めてCO₂排出量を最小化するようにデザインされている点だ。

【注目モデル詳報】日本最適サイズ。モダン北欧デザインのBEV、ボルボEX30の新鮮度

 ボディサイズは日本最適。全長4235mmは、XC40よりも約20cm短く、全幅は1.8mをわずかに超えた1835mmに抑えられている。全高1550mmは日本の一般的な機械式立体駐車場にも収まる。
 トリムレベルが3タイプあるうちで、最初に導入されたのは最上級ULTRAのシングルモーター(後輪駆動、RWD)。航続距離は560kmと長く、価格は559万円に抑えられており、装備は充実している。

 外見はBセグメントとは思えないほど立派だ。小さなSUVでありながらパワフルな大型SUVのような存在感があり、ひと目でボルボとわかる独自の個性を放っている。中でもフロント回りは印象的だ。空力を意識して低く抑えるとともにグリルレスとされ、新たにセグメントデザインを採用したトールハンマー形状のLEDヘッドライトを採用する。BEVらしくシンプルで先進的。足回りもたくましい。このクラスは17インチが一般的だが、標準で19インチを装着。試乗車はオプションの20インチだった。5スポーク形状のアルミはスタイリッシュだ。

 プロポーションは全長が短いわりにホイールベースが長く、最新ボルボ共通のエレガントなフォルムを受け継いでいる。後席を含め十分な広さの車内空間と荷室が確保されている点も特筆できる。

 インテリアには持続可能性を意図したマテリアルがふんだんに用いられていた。ノルディコというコルク、松脂、再生PETから生成された素材が見せる他にはない新感覚の質感が目を引く。スクエアな形状のステアリングホイールは、視界と乗降性の向上に貢献する。

 多くの機能を中央に集約する工夫で、製造時のエネルギー消費とワイヤー類の使用量削減を達成した。たとえばドア側にパワーウィンドウ(PW)のスイッチや、オーディオのスピーカーは配されていない。PWスイッチは室内中央にあり、スピーカーは、フロントスクリーンに沿って、ハーマンカードン製のサウンドバーが配されている。こちらの音質が想像以上に良好で臨場感がある点にも驚いた。

 新しいインフォテインメントシステムには、ボルボがいちはやく導入したGoogleがビルトインされているが、カープレイは2024年内の対応になる。標準装備の大開口のパノラマガラスルーフにシェードがなくティンテッドガラスとされている点は北欧車ならではだろう。

 実用性もハイレベル。車内の随所に使いやすいストレージが設けられているほか、フロントフードの下にもラゲッジスペースがある。クルマの3カ所に「エルク」が隠れているという遊び心も楽しい。

しっかりとした走りと鋭い加速を実現。RWDハンドリングも好印象

 走りは想像以上の仕上がりで感心した。まずは速さだ。MAXで200kWと343Nmを発揮し、0→100km/h加速が5.4秒とデータは、このクラスの走り系ではないBEVで最強級。参考まで、0→100km/h加速は同クラスでは7~8秒台が一般的だ。

 静かで滑らかなのはもちろん、瞬発力があり、車速が高くなってからもあまり頭打ちになる印象がない。さすがはが5.3秒の実力だ。 半面アクセルレスポンスが元気すぎ、駐車時などの細かい動きではもてあます面もある。そのあたりは関係者も認識しているようだ。しっかり煮詰めてOTAでアップデートされるはずだ。

 ドライブモードの選択はなく、サウンドの演出もないあたりはボルボらしい。ワンペダルドライブも可能だが、その制御には物足りないという声もあると聞く。何段階か回生の強さが選べるなら、それに越したことはないが、個人的にはそれほど不満は感じなかった。
 静粛性にも相当に配慮されていた。電気系の音はもちろん、風切り音やタイヤが発する音の侵入もよく抑えられていた。

 ハンドリングの仕上がりも上々だ。車量はXC40比で240kg軽く、1.8tを下回っており、前軸重が840kg、後軸重が950kgとフロントが軽い。回頭性は軽やかで操舵したとおり正確にイメージしたラインをトレースしていける。直進安定性も高い。20インチの偏平タイヤにもかかわらず、乗り心地は悪くない。

 先進運転支援装備は両側レーダーを採用した最新版。駐車支援機能は使いやすく、「ここまで来たか」と思ったほどだ。
 2040年までにクライメートニュートラルな企業となるために、多岐にわたり取り組んでいるボルボにとって、EX30は非常に重要な位置づけとなる。何より商品自体の完成度が高く魅力的であったことを強調しておこう。559万円の価格は実に戦略的で魅力的だ。

ボルボEX30主要諸元

グレード=EX30ウルトラシングルモーター・エクステンデッドレンジ
価格=559万円
全長×全幅×全高=4235×1835×1550mm
ホイールベース=2650mm
トレッド=フロント:1590/リア:1595mm
車重=1790kg
モーター型式=永久磁石同期電動機
モーター最大出力=200kW(272ps)/6500~8000rpm
モーター最大トルク=343Nm(35.0kgm)/5345rpm
一充電走行距離=560km(WLTCモード)
駆動用バッテリー=リチウムイオン電池(107セル)
駆動用バッテリー総電力量=69kWh
サスペンション=フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ディスク
タイヤ&ホイール=245/45R19+アルミ
駆動方式=RWD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.4m

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みんなのコメント

8件
  • ********
    ボルボの親会社ジーリーの創業者 李氏は習国家首席懇意の仲っていうのは周知の事実

    車にも思想が色濃く反映されているでしょう
  • ivq********
    MAZDACXシリーズ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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