もくじ
ー わたしは、趣味が変わった
ー 購入したTT RSの装備
ー 気になる乗り心地 1週間の印象
ー テスト車について
ー 追加した装備一覧
ー テストの記録
アウディTT次期型 R8の意匠を共有 発売2019年、公開18年後半か
わたしは、趣味が変わった
かつてのAUTOCAR総合監修者、スティーブ・サトクリフは2代目のアウディTT RSを所有していたことがある。
エンジンは既に2.5ℓの5気筒だったが、プラットフォームは古く鈍重なPQ35だった。もちろん速いことは速かったし見た目も造りも良かったけれども、乗り手にひしひしと訴えかけるものはない、というのがわれわれの意見だった(そう当時の試乗記事にも書いた)。
それでもサトクリフは、クワトロなど要らないくらいの腕をもっているにもかかわらず自分のTTをこよなく愛し、そう繰り返し書いてきた。
ちょっと意外だったし、だからといってTTへの見方は変わらなかったのだが、TTの最速版とある程度暮らしてみるのは実際どんな感じかという好奇の念は以後も胸中にあった。
そして5年後の今、ようやく答えを出せる時がきた。
今度のRSは当然ながらプラットフォームがPQ35からMQBに生まれ変わっており、スーパーカーを脅かさんばかりの強大なパワーを与えられた。
だが、わたしは年を重ねた。趣味も変わった。
かつてわたしはその常識外れなまでの直進安定性指向を評価し尊敬もしたが、地平線の果てまでダラダラと移動することに、もはやだんだん興味を失いつつある。
したがって、目下の問題は6カ月でこのクルマをAUTOCARから買いあげたくなるかではなく、6カ月で飽きないかどうかということ。ううむ、どうだろう。
クルマの仕様はアウディUKに任せた。だから車内にはこれ以上何が必要かというくらいの装備で溢れている。ヒーター付きの「スーパースポーツ」シートは革張りの素晴らしいものだし、内装の表面やスイッチ類は見ても触っても質感に唸らされるばかりだ。
次項でオプションリストを見ていこう。
購入したTT RSの装備
標準装備リストは整然としていて豊富とは言い難いが、その中にあって際立つのはMMIナビゲーション・プラスとアウディi-コックピットシステムで、これで運転中にセンターコンソールのモニター画面に気をそらされる心配もなくなる。
スマートフォン・インターフェース(約38000円)やワイヤレス充電器(約5万円)は確かに意義があるが、Apple CarPlayが気に入らないか(または持っているのが下位のiPhone SEだったり)ワイヤレス充電のできない端末のユーザーにはちょっと無駄だ。
あともし選べたならば、リアビューカメラ・バング&オルフセンのオーディオ・キーレスエントリーが付いてくるコンフォート&サウンドパッケージ(約20万円)は付けたかったところだ。
まぁいずれにしても、RSの内装を失望と評するのはよほどのへそ曲がりだろう。半年を共にするのには充実した空間だといえる。
外見もまた実に見事。だが、TTの小柄なボディにこのカタルーニャ・レッド・メタリック(約84000円)はちょっと緋色が強すぎるきらいがあり、もう少し穏やかな色だったら、なお良かったのではないかと思う。
ホイールについては、いつもながら用意のある最大の径をすすめてきた。正しくは「20インチ・7スポークローターデザイン光輝仕上げマットチタン調アルミホイール」だ。
かつてのわたしなら標準の19インチが付いてきたらまず即座に引っぺがしていたに違いないが、乗り心地の悪化などろくすっぽ考えずに大枚約26万円を出して扁平率を下げるのを善しとするのはいずれにせよよほど天晴れな精神の持ち主だけだろう。
わたしのそういう懸念は、今後年ごとに大きくなっていくと思う。かつては朝食べるシリアルは含まれる飽和脂肪酸が多ければ多いほど、シャシーは馬の鞍のように硬ければ硬いほど好きだった。でも時は流れた。糖分の多すぎるシリアルはもう食べないし、医療従事者以外に脊椎を押し潰されるのはもうごめんだ。
よってクルマのスペックから想像して、アウディへ納車前に尋ねた唯一の質問は「マグネティック・ライドは付くの?」だった。
気になる乗り心地 1週間の印象
マグネティック・ライドとはオプション価格約15万円のアダプティブ・ダンパーだが、重要なのは乗り心地重視のモードに設定できるドライブセレクト・システムもセットで付いてくることだ。
これはすべてのアウディにおすすめだが、シャシーの設定がペースメーカー導線の間近にいるかのように刺激的なRSモデルにはほぼ必須といえる。
嬉しいことに、これはRSスポーツ・エグゾースト(約15万円)やマトリックスLEDライト(フロント約14万円・リア約12万円)と並んでアウディUKがすすめてくれたオプションリストの一番上にあった。
1週間ほど乗ってみて、TTの乗り心地はこのダンパーのお陰でまったく許せる範囲だと確信した。これまで走ったのがほとんど高速道路なのは確かだが、長期テストのよすがとするところは家と職場の間で正気と忍耐を試すことではない。
例の20インチホイールはハイウェイM25号線サリー付近のコンクリート舗装路でやたらとうるさいものの、乗り心地は少し硬め寄りの十分柔らかいものだ。
まだ480kmも走らぬうちからでも、中回転域で明確に獰猛さを顕わにする5気筒エンジンに鞭をくれると、ただの追い越しすら、めまいのしそうな独特の緊張を感じさせる。
これまでのところ、RSの意味ある粗探しをするのは相当に困難と言わざるを得ない。でも出て来るんじゃあないかな、きっと。
テスト車について
モデル名:アウディTT RSクーペ
新車価格:5万615ポンド(789万円)
テスト車の価格:6万1080ポンド(952万円)
追加した装備一覧
■20インチ7スポークアルミホイール 1695ポンド(26万円)
■RSロゴ入りレッドフロントブレーキキャリパー 325ポンド(5万円)
■RSレッドデザインパック 895ポンド(14万円)
■マトリックスLEDヘッドライト/テールライト/シーケンシャルフラッシャー 945ポンド(14万円)
■アウディ・スマートフォンインターフェース 250ポンド(3万8000円)
■RSスポーツエグゾースト 1000ポンド(15万円)
■アウディ・マグネティックライド付きRSスポーツサスペンション 995ポンド(15万円)
■フロントパワーシート 800ポンド(12万円)
■マトリックスOLEDテールライト 800ポンド(12万円)
■無煙炭ヘッドライニング 265ポンド(4万1000円)
■ワイヤレス充電機能付き携帯電話ボックス 325ポンド(5万円)
■カタルーニャレッド・メタリックボディ色 550ポンド(8万4000円)
テストの記録
燃費:9.3km/ℓ
故障:無し
出費:無し
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