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ハイブリッドなら国産車は世界一!? オーバー500万円国産車がドイツ車に勝っている点

掲載 更新 92
ハイブリッドなら国産車は世界一!? オーバー500万円国産車がドイツ車に勝っている点

 かつて、BMWやメルセデスベンツ、アウディは、日本人にとって憧れのクルマだった。いまでもこれらのドイツ車に憧れる方は多いが、いまと昔とではちょっと事情が違う。

 その昔は、日本車とドイツ車の間には、クルマとしての性能に大きな差があった。ブランドステータスはもとより、ドイツ車のクルマとしての高い性能に、多くの日本人が憧れていた。一般ユーザーのみならず国内の自動車メーカー各社も、これらドイツ車の性能を目指して、クルマづくりをつづけてきた。

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 その甲斐あってか、国産車の性能は飛躍的に向上した。「ドイツ車には勝てない」といわれた走りの性能も、(速度の上限や日常使用領域、道路事情が違うため性能は同じではないが)、高価格帯の国産車であれば、見劣りするものではなくなってきた。

 では、現在の国産車は、ドイツ車と比較して、どの点がまだ弱いのだろうか。また、ドイツ車に優っている点はあるのか!?

文/吉川賢一、写真/TOYOTA、NISSAN、BMW、MAZDA、LEXUS

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■先進技術は同等以上

現行V37スカイラインに搭載されているDAS(ダイレクト・アシスト・ステアリング)など、豪華装備を搭載する国産高級車も少なくない

 日本国内で販売されているドイツ車には、フルデジタルメーター、大型インフォメーションモニター、ARヘッドアップディスプレイ、電動PKB、先進運転支援などが装備されている。

 さらには電動サンルーフや調光イルミネーションといった贅沢機能、他にも電制ショックアブソーバーやエアサスペンション、後輪ステアなどの贅沢装備も満載されている。

 しかし、国産車でも、500万円超の高価格帯の国産車であれば、これらの贅沢装備は備わっている。

 例えば、V36スカイラインの時代に付いていた4WAS(後輪操舵を含むアクティブ・ステアリング)や、現行V37スカイラインに搭載されているDAS(ダイレクト・アシスト・ステアリング=ステアバイワイヤ技術のこと)などだ。

 世界に先駆けて開発した高度な技術を、400万円台のクルマで導入してきたことは、ドイツ車メーカーにとっては(そのシステムの出来に関しては小言もあったであろうが)脅威だったであろう。

 これらを考えると、ドイツ車と同価格帯の国産車の先進技術は、同等もしくはそれ以上、といえる。ちなみに、ドイツ車は全グレード贅沢装備が満載、というわけではなく、ドイツ現地では、贅沢装備をはぎ取った廉価グレードが用意されており、そうしたグレードがよく売れていたりもする。

■ハイブリッド技術は国産車が世界一

ハイブリッド技術は国産車の独壇場といっていい。THS II搭載のクラウンハイブリッドのような高効率、かつ環境性能も優秀なドイツ車は存在しない

 現状、ドイツ車が国産車に全く太刀打ちできていないのが、ハイブリッド技術だ(主にトヨタのことだが)。

 THS(トヨタハイブリッドシステム)は、遊星歯車を用いた動力分割機構を備え、発電用モーターと駆動用モーターのふたつを制御し、エンジンのエネルギーを、駆動や充電に振り分ける。

 リダクション機構付きとなったTHS IIでは、リダクションギヤのプラネタリーギヤを平行軸歯車に変更し、モーターを複軸配置する「新複軸構造トランスアクスル」を採用している。

 レスポンスが良く、ダイレクトな加速感が得られる点や、高速走行中でも、エンジン休止することで燃費向上も実現、変幻自在に多くの車種へと展開できる間口の広さ、大量生産によるコスト低減、壊れにくいという実績、皆が乗っているという信頼性、こうした点はTHS IIの大きな魅力だ。

 THS IIはまた、これといって不得意な面がないのも魅力だ。

 ダイナミックフォースエンジンの出力や燃費、音振、フィーリングなどに不満はなく(重箱の隅をつつけば、加速時のエンジンサウンドなど物足りない点もあるが)、指摘できるネガティブポイントはない。今後も細かな改良が続くと思われるが、THS IIは「ひとつの技術の完成形」と言ってよいのではないだろうか。

 このTHS IIが採用されている高額車、といえばレクサスIS300hやトヨタ・クラウンハイブリッドだ。2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンに、このTHS IIを組み合わせている。

ホンダ アコードに搭載されているe:HEV(2.0リッター直4ガソリンエンジン+電動機)も優秀だ

 滑らかで強い加速フィーリングに加え、WLTCモード燃費も20.0km/L(市街地17.2、郊外20.8、高速20.9)を達成。今後ますます重要視されていくCO2排出量は116g/km((WLTCモード値、JC08モードだと97g/km)と優秀で、しかもレギュラーガソリン仕様だ。

 これほど高効率、かつ環境性能も優秀なパワートレインは、ドイツ車には存在していない。ちなみにIS300hは1690kg(2WD)、クラウンハイブリッドは1730kg(2WD)だ。

 またホンダ・アコードに搭載されているe:HEV(2.0リッター直4ガソリンエンジン+電動機)も、WLTCモードで燃費22.8km/Lを達成する。しかも、FFのアコードe:HEVの車両重量は1560kgと軽量だ。

■ドイツ車は、マイルドハイブリッドで乗り切ろうとしている

ドイツ車はプラグインハイブリッドとBEVで戦おうとしているが、プラグインハイブリッドであるBMW330eは重量増加で魅力が大きく削がれている

 ドイツ車勢はというと、現時点は、48Vマイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド、ディーゼルエンジン(このところアピールはだいぶ控えめになってきたが)で今を乗り切り、その先では、プラグインハイブリッドとBEVで戦おうとしている。

 だが、48Vマイルドハイブリッドは、所詮、エンジンのアシストと、電力回生が主目的で、モーターでの自立走行は出来ない。また、発進時のドライバビリティには優れるが、燃費貢献への効果は小さい。

 例えば、BSG(Belt-driven Starter Generator:メルセデスベンツのマイルドハイブリッドシステム)有のメルセデスC200の場合、BSG無のC180 を比較したとき、WLTCモード燃費の上では、12.7km/Lが13.6km/Lへと約7%の改善代に留まる。

 ストロングハイブリッドのレクサスIS 300hの燃費18.0km/Lには、遠く及ばない。

 プラグインハイブリッドに関しては、例えばBMW330eの場合、EV走行距離58km(WLTCモード)のボーナスがあるにせよ、330iの1630kgに対し、330eは1810kgと、約180kgもメタボ化している。

 切れ味鋭いハンドリングセダンと言われる3シリーズが、これほどの重量増加とは、魅力を大きくスポイルしかねない。

■ドイツ車のベストバイはディーゼルターボ、しかしそのディーゼルも…

ドイツ車のベストバイはディーゼルターボということになるが、そのドイツ車を凌駕するのがマツダ3の1.8Lディーゼル。ドイツ車自慢のディーゼル技術も、もはや日本車の方が優れているのだ

 そのためドイツ車のベストバイは、現時点でもディーゼルターボだ。先代CクラスのC220dは、高速シーンであれば19.2km/Lの低燃費であり、IS300hも真っ青のレベルだ。1600~2800rpmの間で400Nm(40.8kgfm)ものトルクがあり、どこからでも悠々と加速をして進む様子は実に頼もしい。

 だがこのディーゼルエンジン(※2018年10月のビッグマイナーチェンジで更新されたOM564)、前期型OM651の「ガラガラ」というノイズから、「ジャラジャラ」というノイズへと若干改善してはいるが、ガソリンハイブリッドの滑らかなフィーリングを期待するとひっくり返るレベルで、ノイズがやかましい。

 このドイツ車のディーゼルを凌駕している質感を備えているのが、マツダ3の1.8Lディーゼルだ。

 しかも、Cクラスの半額ほどの価格で買える。ディーゼルとは思えないほどに静かでトルクフル、とても扱いやすく、実燃費もめちゃくちゃよい。ドイツ車メーカー自慢のディーゼルであったはずだが、ディーゼル単体の技術力であっても、もはや日本車の方が優れるレベルのクルマもあるのだ。

■国産車が劣っている点は「ほぼない」

国産車の弱点は「ブランド力」だ。レクサスのように高級モデルを別ブランド化するなどの工夫もされているが、ドイツ車のブランド力には一歩及ばずと言わざるを得ない

 メルセデスAMGやBMWのMといったスポーツモデルを除けば、同価格帯の日本ドイツの高級車のハンドリング性能や乗り心地は、良いor悪いの次元の評価はほぼ困難だ。もはや、「ラーメンは醤油か、味噌か、塩か」といった、評価者の好みの問題になりつつあるように感じる。

 また、かつての国産高級車が苦手だった高速直進性も、同等以上になってきた。いまでは、300万円クラスの国産車(特に、グローバルモデルともなると)であっても、相当高いレベルにある。

 デザインに関しては、筆者は国産車であっても、内外装共に高級感あふれる様になってきたようにも筆者は思う。国産高級車の弱点をあえて言うならば、「ブランドパワーの不足」だけと言ってよいんじゃないだろうか。

 国内での500万円以上の高額車のブランドパワーは、どう足掻いても、ドイツ車には敵わない。

 なぜなら、日本車メーカーの場合、エントリーモデルから上級モデルまであるフルラインアップというイメージが、高級車の邪魔をするためだ。「所詮はトヨタ、ホンダ、日産の高額車でしょう?」と思われる方が、大半なのではないだろうか。

 だが、大切なクルマの中身は、日本車の方がドイツ車に勝っている部分が多いことは、ぜひ知っておいて欲しい。

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みんなのコメント

92件
  • 自分はボッタクリ価格で売ってるドイツ車より
    日本車を買います
  • 珍しくまともな記事だな。自動車雑誌の記事はドイツ車を褒める記事が多いが。
    ステータス以外は日本車の技術が優位でしょう。(燃費や故障の少なさでは圧倒的に)

    ハイブリットでトヨタにどうしても勝てなかったので、ディーゼルエンジンを宣伝していたが不正がばれてブランド力が落ちた。今はターボで勝負しているが?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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