最新モデルのパワーウェイトレシオは1.86kg/ps!
以前に報じた、イギリス南部でエイヴォン&サマーセット警察がパトカーとして使っている「アリエル・アトム」。イギリスのライトウェイトスポーツの極北にしてバックヤードビルダー文化の代表ともいえるクルマであり、じつはかれこれ20年以上も続いているシリーズだ。
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ベンチャー出身で年間100台ほど生産するバックヤードビルダー
アリエル・アトムは元々、コヴェントリー大学でトランスポート・デザイン科の学生ニキ・スマートが「LSC(ライトウエイトスポーツカー)」として考案。「ブリティッシュ・スチール」や「TWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)」を巻き込んでファンドが立ち上がり、講師だったサイモン・サンダースがファイナンス・マネージャー次いで社長となって、1996年のバーミンガム・モーターショーでお披露目された。つまり学生のエクササイズから始まったベンチャー企業だったのだ。
その特徴は「エグゾスケルトン・シャシー」と呼ばれる剥き出しのシャシー構造で、屋根もウインドウもなければボディパネルも最小限で、既存の市販車の安価で信頼性の高いパワートレインをミッドシップにマウントする2座のスポーツカーというものだった。当初選ばれたエンジンは「ケーターハム・スーパー7」などでもおなじみ、ローバーのK型1.8L・190psのエンジンで、車両重量はたった450kgに収まっていた。パワーウェイトレシオでいえば1psあたり2.36kgに過ぎない。
どうしてこんな車が公道を走れるのか? という話だが、それは英国のバックヤードビルダーによるライトウェイトスポーツカーの伝統というか、キットカーを含む既得権益もあるだろう。実際、アリエル・アトムはオレゴン州の「ブラーモ・モータースポーツ」に技術供与され(2008年より「TMIオートテック」)、アメリカで生産されるフレームにGM製エコテック・エンジンを搭載していた。
シビックタイプRエンジンを積んでスペックの怪物に進化
しかしアリエル・アトムの進化を決定づけたのは2003年、何といっても「ホンダ・シビックタイプR」の「K20A」エンジンを採用したことだろう。「アトム2」と呼ばれたこの世代はNA仕様で220ps、スーパーチャージド仕様では300psに達した。まだこの世代のホンダVTECはアクセルがバイワイヤ化されておらず、ロードゴーイングカーにあるまじきキレ味鋭すぎなレスポンスで話題になった。
2007年登場の「アトム3」ではエンジンがシビックタイプRの進化に合わせて「K20Z4」となり、出力はNA版が245ps、スーパーチャージャージド版が305psとなったが、数年後にはNA版を275psまで磨いた「無限」チューンのM-TEC版が10台限定で登場。0-100km/h加速は2.9秒と、ブガッティ・ヴェイロンらに比肩する数値を誇った。
また、ほぼ同時期にスズキ・ハヤブサの直4×2基をベースにV8化してボアアップした3L・475psエンジンに、フランスでラリーカーなどに用いられる「SADEV」製シーケンシャル6速トランスミッションを組み合わせた、「アトムV8」も登場。こちらに至っては最高速度も270km/hを謳い、超コンパクトなV8パワートレインも手伝って車重はわずか550kgに抑えられたため、0-100km/h加速は驚異の2.3秒。1.16kg/ps弱というバイクのスーパースポーツ・モデルのようなパワーウェイトレシオに、世界中のスペックおたくが震撼した。
少数ながら日本にも輸入されて走っている
その後も、「アトム3.5」、「アトム3.5R」とタイプRエンジンをベースにECUやフレーム剛性の見直しが図られ、現行モデルは2018年に登場した「アトム4」。パワートレインのスぺックはシビックに準ずる320ps/420Nmだが、シャシーはサスペンションのジオメトリー設計を含め、CE規格つまり欧州大陸でのクラッシュテストに通すために全面的に刷新されている。
ブレグジットで欧州大陸での型式認証はやや難しくなったところはあるようだが、年産100台ほどの少量生産メーカーなのでCO2課税と同様、何らかの特別措置は講じられる可能性はゼロではない。電動化もウワサされたが、原点からしてライトウエイトスポーツカーでその最進化形であるアリエル・アトムは、このまま突っ走るのだろう。
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みんなのコメント
取得するのが目的になって、その後はただの使い辛いクルマだったな。