「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ホンダ インサイト エクスクルーシブだ。
ホンダ インサイト エクスクルーシブ(2011年:車種追加)
ホンダのハイブリッド専用モデル、インサイトがマイナーチェンジされ、これに合わせてエンジンを1.5Lにアップしたパワートレーンを搭載した「インサイト エクスクルーシブ(以下、エクスクルーシブ)」が追加設定された。これで今までの1.3Lに加え、インサイトは2バリエーションのモデル展開となった。
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エクスクルーシブではエンジンのパワースペックは若干おさえられているものの、ハイブリッドシステムはCR-Zのものと同じ、1.5Lのi-VTEC+IMAを採用。燃費はJC08モードで23.2km/Lを達成している。
「エクスクルーシブ」の名にふさわしく、シリーズ上級モデルとして、内外装に数々の専用かつプレミアムな装備がおごられている。エクステリアではLEDアクセサリーランプ内蔵のフロントグリルをはじめ、エアロパーツやシャークフィンアンテナなどを専用装備。インテリアはブラック基調でコーディネートされ、さらに黒木目調パネルなどの加飾により、上質感あふれる演出が施されている。遮音材などの追加により、上級サルーン並みの静粛性も追求しているという。
インサイトに、このエクスクルーシブが設定された背景には、フィット、フィットシャトル、フリード&フリードスパイク、そしてCR-Zと、さまざまなハイブリッド車(HV)が登場しているが、インサイトはHV専用モデルだというのに少々存在感が薄くなっていたことにもよる。
セダンというボディ形状に魅力を感じつつも、「1.3Lでは、ちょっとね・・・」というユーザー予備軍も多かったらしい。そこで、1.5Lを搭載したハイパワー&豪華バージョンのエクスクルーシブが加えられることになったというわけだ。
1.5L化の効果は大きく、内外装の質感も高得点だ
前置きが長くなった。まずは試乗してみることにしよう。CR-Zのものと同じ、1.5Lエンジン+IMAシステムは走行中に気筒休止はしないが、やはりパワー感がある。CR-Zのように走り味がいろいろ楽しめる3ステージ機構は付いていないが、ゆとりから生まれる上級感のある走り味には満足できるだろう。
ハンドリングなどは1.3L版とほぼ同じで、もう少し高速域でビシッとした落ち着き感が欲しいと感じられる部分もあるが、日常プラスアルファで使うには上手にまとまっていると思える。
乗り心地は、今回の試乗車は走行距離がまだ少なかったためか、路面の悪いところでの微振動や凸凹の乗り越しではやや硬いかなと思わせるシーンもあったが、こなれてくればしなやかさも出るに違いない。また、リアウインドーのガラス形状が変更されたおかげで、後方視界がグッと良くなっているのは嬉しいポイントだ。
デザイン的には、メッキを多用したエクステリアは、いつまでも若さを忘れたくないシニアのカップルなどにはけっこうウケそうだ。とくにライトONしたときにフロントグリルに仕込まれたLED照明が光る演出は、予想以上にオシャレだった。
インテリアも、革巻きステアリングホイールやシフトノブ、2トーンになったシート、黒木目調パネルなどが盛り込まれ、やや豪華な感じと落ち着いた気品とが与えられている。排気量が気になる人だけでなく、小さな高級車に乗りたいというニーズにもマッチしそうだ。
■ホンダ インサイト エクスクルーシブ XL インターナビセレクト 主要諸元
●全長×全幅×全高:4395×1695×1435mm
●ホイールベース:2550mm
●車両重量:1210kg
●エンジン:直4 SOHC+モーター
●総排気量:1496cc
●最高出力:82kW(111ps)/6000rpm
●最大トルク:142Nm(14.5kgm)/4800rpm
●モーター最高出力:10kW(14ps)/1500rpm
●モーター最大トルク:78Nm(8.0kgm)/1000rpm
●トランスミッション:CVT(マニュアルモード付き)
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・40L
●JC08モード燃費:22.2km/L
●タイヤサイズ:185/55R16
●当時の車両価格(税込):256万円
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みんなのコメント
サンバイザーがちっちゃ過ぎる以外は本当に気に入っていて、なんだかんだで39万キロ近く乗っちゃってます。
ただ…エクスクルーシブを名乗るにはツメが甘かったね。
ドコとは言わないけど。
ZE-3の最終型なのでフル装備だし、スタイリッシュなイイ車だから、一度は乗ってみてほしい。
ばかりにインサイトは3度目の
ドロップアウト。
クーペ→ハッチバック→セダン
次はSUV?