ディフェンダーとEタイプ、911用のキット
電気自動車になったクラシック・スポーツカーへ、魅力を感じるだろうか。好き嫌いは明確にわかれそうだが、少なくとも需要は小さくないようだ。グレートブリテン島の中南部に拠点を置くエレクトロジェニック社が、事業を次のフェーズへ移せるのだから。
【画像】元に戻せる電動化キット エレクトロジェニック・ポルシェ911 BEV化事例は他にも 全133枚
同社はこれまで、シトロエンDSやデイムラー・マジェスティック、TVRサーブラウなど、多くのモデルのバッテリーEV(BEV)化、エレクトロモッドへ取り組んできた。海外のチューニングガレージと提携関係を築くなど、ビジネスは順調なようだ。
特にエレクトロモッドへの注目度が高いのが、アメリカ・カリフォルニア州。クラシックカーを所有しているものの、年代物の内燃エンジンを維持するのが難しいと考える、比較的若い層が関心を寄せているらしい。
ロンドンの北西に位置するノース・オックスフォードの本社工場では、毎年数台のクラシックカーがBEVへ生まれ変わっている。しかし今回、拡大するニーズへ応えるべく、3車種へ特化したエレクトロモッド・キットの製造・販売をスタートさせたという。
対象となるのは、1983年以降に製造されたランドローバー・ディフェンダーと、ジャガーEタイプ、そしてGシリーズと呼ばれる後期の901世代から964世代までの、空冷のポルシェ911だ。いずれもクラシックカーとして人気は高い。
218psの駆動用モーターへ載せ替え
このキットには仕様に応じて、43kWhから93kWhの駆動用バッテリーと、充分なパワーの駆動用モーターが含まれる。ベース車両のマニュアル・トランスミッションを残すか、ドライブトレインを丸ごとコンバージョンするか、選択も可能だという。
急速充電能力は、DCで最大50kWに対応する。エレクトロジェニック社は今後のビジネスを通じて、さらに対応車種を増やそうと考えている。
ポルシェ911の場合、エレクトロモッド・キットは2種類が設定されている。今回試乗したモデルへ組まれていたのは、最高出力が控えめで安価な「E62」というもの。ベース車両のサスペンションやブレーキを強化せずに、コンバージョンできる内容となる。
駆動用モーターは最高出力218ps、最大トルク31.6kg-mを発揮し、オリジナルと同等の動力性能が得られるよう設計されている。0-97km/h加速は、約5.0秒でこなすとうたわれる。車重は120kg増加するらしい。
パワフルな方は「E62S」と呼ばれ、最高出力は326psまで上昇する。このキットを組む場合は、シャシーまわりの強化を強く推奨している。
キットといっても、ガレージでアマチュアが組み込めるものではない。協力関係にあるチューニングガレージへ車両を持ち込み、レストモッドの一環として作業するレベルだと考えるべきだろう。高電流に対する知識も必要だ。
62kWhの駆動用バッテリーはフロントに
さらに、メーターパネル内のメーター類をBEVへ対応したものへ置換するアイテムも含まれる。変更内容は最小限に留められており、数年後に気分が変わっても、内燃エンジンで走る状態へ戻すことも可能だという。
試乗したデモ車両の場合、燃料計はバッテリーの残量計に、油温計は水冷式駆動用モーターの温度計に、油圧計は駆動用バッテリーの回生量計へ交換されていた。ただし、速度計と時計はそのまま。モーターの回転速度計もある。
車内空間は、オリジナルの911と同等の広さ。マニュアルのシフトレバーがあった場所には、ドライブギアのセレクタースイッチが据えられているが、それ以外はオリジナル状態が保たれている。+2のリアシートも残されている。
フロント側の荷室は、62kWhの駆動用バッテリーで専有されている。ちょっとした荷物も、車内へ置く必要がある。リアの水平対向6気筒エンジンは、駆動用モーターに置き換わっている。
前部に搭載された軽くない駆動用バッテリーの影響で、リア寄りの重量バランスは改善している。理論上は、操縦特性にメリットが生まれると考えられるが、実際は必ずしもそうとはいえないようだ。
ステアリングホイールを握り発進させてみると、効果的にレストモッドされたポルシェと同等に運転しやすい。日常的にクラシック・スポーツカーへ乗りたいと考えるオーナーを、満足させるに違いない。BEVが普通になる近未来の世界でも、堂々と走れる。
この続きは後編にて。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「ホンダと日産の経営統合」報道をめぐりSNS激震、「社風が水と油」など厳しい意見も
2024年問題で高速の景色が変わった! トラックドライバーの労働時間を縛る愚策がもたらした結果
「120万円」以上安い! トヨタ新「“8人乗り”アルファード」に大反響! 「最上級モデルの“半額以下”はオトク」「カッコイイ」「黒内装ステキ」の声! 最廉価の「Xグレード」に熱視線!
盗難車の「ランクル」 輸出間近「ギリギリ摘発」に称賛の嵐! “最後の砦”横浜税関の「ファインプレー」に「ナイス!」「よく見つけた!」の声 「告発したワン!」事件内容を公表
角田裕毅のレッドブル昇格チャンスは潰えたわけではない? ホーナー代表「必要となれば彼に頼ることができると思う」
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
でも要らない。