海外メーカーまでもがコンセプトを真似たクルマも
現在も多くの車種がリリースされている自動車業界。そんな多くの車種も開発の際、多少なりとも他車の影響を受けたというモデルは少なくないハズだ。そんななかでも、今回はとくに多くの車種に影響を与えたエポックメイキングな初代モデルをご紹介しよう。
初代を超える衝撃と感動を! 新型レクサスLSのプロジェクトを任された開発責任者の思いとは
1)ホンダ・オデッセイ
3列シートを備えるクルマは背の高いワンボックスタイプ、という固定概念を打ち砕き、大ヒット車種となったのが、1994年に登場した初代オデッセイだろう。当時のホンダはSUVやミニバンといったRV(レクリエーション・ビークル)を持たず、業績が低迷していた。そのため、既存のコンポーネンツを流用してRV車を作り上げるという制約のなかで、当時のアコードをベースに作られたのがこのオデッセイだったのだ。
プラットフォームだけでなく、生産ラインもアコードと共有していたため、全高をこれ以上高くできなかったという理由があったにせよ、低重心でセダンライクな走り味を持ったオデッセイはホンダらしい3列シート車に仕上がっていた。このオデッセイの大ヒットにより、他メーカーからも同様のコンセプトの3列シート車が多く登場したのである。
2)マツダ(ユーノス)ロードスター
小型のオープン2シーターの代名詞ともなっているマツダ・ロードスター。しかし、登場した1980年代後半は他メーカーを含め、オープン2シーターの市場は完全に冷え切っており、発売するまでは社内でも不安視する声があったと言われている。しかし、販売してみればご存じのとおり空前の大ヒット車種となり、日本国内はもとより、北米や欧州といった海外でも大人気車種となっていった。
これに影響を受けて登場したのが、メルセデス・ベンツSLKやBMW Z3、MG-Fなどの海外製コンパクト2シーターオープンだった。まもなく登場する新型トヨタ・スープラもZ3の後継車種となるZ4がベースになっており、ロードスターがいなければスープラの復活もなかったと言えるかもしれない。
世界の高級車の常識を覆した名車
3)トヨタ・セルシオ
まだまだ北米市場では“日本車は安くて壊れないけど高級感に劣る”というイメージが強かった1980年代。そこに新たな販売チャネル「レクサス」を引っ提げて飛び込んだトヨタがリリースしたのが、レクサスLS、日本名セルシオだった。
「全世界に通用する世界トップクラスのハイパフォーマンスラグジュアリーカー」を目標に作られたセルシオは、クラウンの上を行く最上級車種となった。その高い静粛性はもちろん、超高品質な生産精度は海外の高級車メーカーの度肝を抜き、こぞって研究用に購入したという逸話が残されているほど。まさに高級車の新たな世界基準を作り上げたモデルが初代セルシオだったのである。
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