プロポーションはスポーツカーの黄金比。ボディは超高剛性
2019年に17年ぶりに復活を遂げたスープラは、BMWと共同開発した点が話題になった。とはいえ開発チームはBROS車のZ4と完全に分けられ、独自のデザインや走りの味付けが行われている。
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エクステリアは歴代トヨタスポーツのDNAを盛り込んでいる。ロングノーズ/ショートキャビンや、歴代車を彷彿させるファットなリアフェンダー回り、ダブルバブルルーフやランプ類を内側に寄せる手法が目をひく。
インテリアは上下に薄いインパネと幅の広いコンソールという典型的なスポーツカー空間を構築。メーターやシート、操作系などにトヨタ専用品を採用する。
エンジンは伝統の直列 6気筒(3リッターターボ)と、出力違いの直列4気筒(2リッターターボ)の3種類。トランスミッションは8速ATだ。
プラットフォームは最新BMWが採用するアルミニウム/スチールの骨格構造が採用され、ボディ剛性は86の約2.5倍、カーボンモノコックのレクサスLFAをも上回る。注目は、86よりも短いショートホイールベースとトレッドの関係。スポーツカーの黄金比(1.55)を実現した。一部モデルには電子制御ダンパーやアクティブデファレンシャルが奢られる。
進化するスポーツカー! 2020年モデルは最高出力が14%向上
チーフエンジニアの多田哲哉氏は「86と同じように、毎年進化させていきます。でも、そのレベルはこれまでとは違う……」と語っていたが、その答えが2020年モデルである。1年目の改良は一般的には不具合対応や装備変更などの小改良が多いのだが、スープラはメカニズムにも手を加えた。
RZのエンジンはインジェクターの噴射圧アップやターボ、エグゾーストマニホールド、圧縮比の変更により最高出力が340psから387psへ向上。出力アップによる力強さはもちろん、中~高回転域では回すほどにパンチが増す特性に変更された。スポーツエンジンらしいメリハリや盛り上がりが、鮮明になった点を評価したい。
出力アップと合わせて、シャシー側も見直された。ボディはストラットとラジエターサポートを結ぶアルミ製ブレースを追加。サスペンションやアクティブデファレンシャルの設定も見直されている。その改良度合いはパワートレーン以上に大きい。
クイックすぎるくらいだったステアリング応答性は、薄皮が1枚プラスされたような穏やかな味付けになった。フットワークは挙動変化こそ従来モデルより大きくなったものの、全体として自然かつ連続性のあるクルマの動きに変化した。結果的にクルマとの一体感と安心感が増している。
たとえるなら、突っ張っていた筋肉の緊張が解け、本来の動きになったイメージだ。
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