1993年:日産マイクラ
本命のフィアット・チンクエチェントを抑えての受賞は並大抵のことではない。軽快で経済的なエンジン、優れた燃費性能、そしてキュートなスタイリングが、マイクラ(日本名:マーチ)を頂点に押し上げた。
【画像】近年の欧州COTY受賞車【キアEV6、トヨタ・ヤリスなど5台を写真で見る】 全113枚
丈夫なボディと集中ロック、ABSなど、当時としては素晴らしい安全装備も用意され、ユーザーをショールームに誘い込んだ。
しかし、腐食に弱く、生産が終了する頃にはリアフェンダーの辺りに錆びが目立つようになった。2002年まで生産され、その後、丸っこい外観のK12型にモデルチェンジしている。
1994年:フォード・モンデオ
欧州ではシエラ、米国ではマーキュリー・トパーズ、ニュージーランドや南アフリカ、オーストラリア、日本ではフォード・テルスターに代わる後継モデル。世界戦略車を目指し、ラテン語の「Mundus(世界)」を語源とするモンデオと名付けられた。
セルフレベリング・サスペンションとアダプティブ・ダンピングのおかげで、将来のフォードの雛形となるダイナミックかつ落ち着いたハンドリングを実現。これが高く評価され、受賞に至った。
前輪駆動のモンデオは、フォードの名高いクイッククリア・ヒーター付きフロントガラスを採用したほか、運転席エアバッグを発売当初から搭載した最初のクルマの1つとなった。
初代は150万台が生産された。1996年の大規模な改良(Mk2)では無機質なスタイリングに手を加え、スポーティなST24とST200が導入されている。
1995年:フィアット・プント
ジョルジェット・ジウジアーロがデザインした可愛らしいプントは、審査員から「室内空間が広い」「作りがいい」と好評を博した。3ドア、5ドアのハッチバックとコンバーチブルがあり、非常にお買い得であることも評価された。
エンジンの多くはウーノから受け継がれ、FIRE(Fully Integrated Robotised)エンジンも導入。旧型の鋭いハンドリングはそのままに、より成熟したパッケージングとなった。
1997年には、フィアット独特の「ブルーム・イエロー」ペイントを施した最高出力136psのプントGTが登場。初代プントは1999年まで販売され、その後、新型に切り替わった。今でも欧州では数多く見かけることができる。
1996年:フィアット・ブラーボ/ブラーバ
前年に続き、フィアットの2連勝。新世代のスモールファミリーカーとして、斬新なアプローチを試みたモデル。3ドアのブラーボ(男性系感嘆詞)が正確なハンドリングを提供するスポーティなモデルであるのに対し、5ドア・リフトバックのブラーバ(女性系感嘆詞)は快適性を重視したモデルであった。
両モデルともコストパフォーマンスと品質に優れ、プジョー406から首位を奪った。また、このクラスでは比較的珍しい個性的なデザインも評価ポイントとなった。
1999年のフェイスリフトでは、新しいJTDディーゼルエンジンが導入され、高性能仕様のHGTはVVT(可変バルブタイミング)を受けて出力が8psアップし、157psとなった。2001年に後継のフィアット・スティーロと交代している。
MPVのムリティプラとリアナもブラーボ/ブラーバのプラットフォームから派生した。
1997年:ルノー・メガーヌ・セニック
メガーヌ・セニックは、ある意味で画期的なモデルであった。2位のフォード・カー(Ka)に100点以上の差をつけ、ミニバンとして初の受賞を果たしたのだ。ルノーは1日450台の販売を見込んでいたが、フランス北部のドゥエ工場で1日2500台を生産するほどの人気があった。
ハッチバックのメガーヌと基本構造的は同じであるため、生産コストが安く、ガソリンエンジンもディーゼルエンジンも経済的で、その優れた実用性から購入者にも欧州COTY審査員にも非常に人気のあるモデルとなった。
1999年のマイナーチェンジで「セニック」に改名。四輪駆動モデルのRX4は、当時は少し揶揄されていたが、結果的には時代の先端を行くものだった。2003年には、7人乗りのグランドとともに、2代目セニックが誕生している。
1998年:アルファ・ロメオ156
ウォルター・デ・シルヴァがデザインした156は、454点を獲得し、競争を制した。強力なツインスパークエンジンとV6エンジンが、このクルマの軽快なキャラクターを引き立て、上質なハンドリングと落ち着いたシャシーで審査員を魅了した。
また、隠されたリアドアハンドルや無駄のないプロファイルなどの端正なデザインが印象的で、洗練された快適な乗り心地も魅力の1つだ。
不運だったのは、錆びやすいクルマであったことと、年数が経つにつれて電気系統が壊れやすくなったことだ。2003年にフェイスリフトが行われ、2004年にはアルファ・ロメオ159にバトンタッチされた。
1999年:フォード・フォーカス
ダイナミックな「ニューエッジ」スタイルと、革新的な「コントロールブレード」リアサスペンションによる画期的な動力性能で、初代フォーカスは新しい基準を立ち上げた。平凡なエスコートMk5から大きく飛躍し、審査員に印象付けた。2位のオペル/ヴォグゾール・アストラには175点の差をつけている。
手頃な価格と幅広いボディスタイルも魅力的で、燃費の良いゼテックエンジンも批評家の間で大いにウケた。フォーカスは一時期、世界で最も売れたクルマとなった。英国でも販売台数1位を獲得し、2005年に2代目が発売されるまで、その座を守り続けた。
1998年のデビュー以来、これまでに1600万台のフォーカスが販売され、2018年には4代目モデルが発売されたが、依然としてクラストップのハンドリングを誇り、活躍を続けている。
2000年:トヨタ・ヤリス
開発中のヤリスは「ファン・プロジェクト」と呼ばれ、ブリュッセルで欧州市場を明確に意識したスタイリングが施された。日本ではヴィッツとして知られ、経済的な1.0LエンジンとユーロNCAPの安全性評価で4つ星を獲得し、評論家からも人気を博した。
革新的ではあるが、奇抜な外観のフィアット・ムルティプラにわずか19点の差をつけたのは、その考え抜かれたインテリアのおかげである。ダッシュボードの豊富な収納スペース(中央に配置されたダイヤルも独特)とスライド式リアシートにより、ほとんどのコンパクトカーに代わる実用的なモデルとなたのだ。
ヤリスの信頼性はユーザーにも高く評価され、1999年から2005年までの間に欧州で140万台近くが販売された。
2001年:アルファ・ロメオ147
3代目フォード・モンデオにわずか1点差で勝利した147。ヴォルフガング・エッガーが手がけたそのスタイリングが称賛され、アルファにとって4年ぶり2度目の勝利となった。JTDディーゼルエンジンとツインスパーク・ガソリンエンジン、上質なインテリア、そしてハンドリングも評価されている。
147は10年間生産され続けた。2004年末にはフェイスリフトが行われ、よりアグレッシブなスタイリングの採用とサスペンション調整が行われた。しかし、信頼性の問題に悩まされたのはイタリアンブランドらしいところ。2010年、ジュリエッタにバトンタッチしている。
2002年:プジョー307
2001年に登場した307は、80年代後半から90年代にかけてプジョーを飾っていたピニンファリーナベースのデザインから脱却し、306よりもはるかに背が高く、広々としたクルマとなった。
審査員からは、効率的な新型2.0HDiディーゼル、印象的なインテリア機能、ESPスタビリティコントロールなどの先進的な安全装備が高く評価された。また、価格も手頃で、全モデルで装備が充実している。
307は合計380万台が生産され、2007年に欧州で308が登場した後も、中国や南米市場向けに生産が続けられた。また、7人乗りのMPVや流行のメタルルーフを備えた2ドアのクーペ・カブリオレなど、さまざまなバリエーションが生み出された。
2003年:ルノー・メガーヌ
2003年の欧州COTYでマツダ6の猛追を受けた2代目メガーヌは、パトリック・ルケマンの大胆な新デザイン哲学からインスパイアされたクルマである。カードキー、スタート/ストップボタン、パノラミック・サンルーフなど、ルノーの革新的な技術をアピールするモデルであった。
また、メガーヌは小型ファミリーカーとして初めてユーロNCAPの安全性評価で5つ星を獲得している。2代目メガーヌは、最初の1年間にフランスで19万8874台を販売し、国内販売チャートのトップに立った。
2004年:フィアット・パンダ
当初採用される予定だった「ジンゴ」という名称は、ルノーが競合車である「トゥインゴ」に似すぎていると口を挟んだため、「パンダ」となった。1980年の初代パンダとは中身もデザインも似ても似つかない2代目パンダは、欧州COTYの審査員たちに安くて明るい印象を与え、5代目フォルクスワーゲン・ゴルフという長年の強敵をかわしたのだ。
軽快で、多彩なガソリンエンジンとマルチジェット・ディーゼルを搭載したパンダは、その小さな車体のパッケージングも高く評価された。
多才なパンダはイタリアとポーランドの警察で使用される(イタリア軍ではクロス4×4)など、世界中にファンを持っていた。そのため、フィアットは中国の自動車メーカーである長城に、ペリーのデザインがパンダとほぼ同じであるとして提訴することに成功。その結果、ペリーは欧州で販売禁止となった。
2005年:トヨタ・プリウス
プリウスが誕生した年であり、ハイブリッドパワーを大衆に知らしめた年でもある。ハイブリッド車の先駆者として、「ハイブリッド・シナジー・ドライブ」と呼ばれる複雑なパワートレイン開発とデザインの努力が実を結び、抜群の燃費を実現。シトロエンC4と2代目フォード・フォーカスに150点以上の差をつけて受賞したのである。
アトキンソンサイクルのハイブリッドシステムは、CO2排出量の削減を目指し、現在では多くのメーカーが採用している。ライバルがディーゼルの袋小路に消えていった時代にハイブリッドを取り入れたトヨタは、歴史に残る存在となった。
2006年:ルノー・クリオ
欧州COTY史上初めて複数回の受賞を果たしたクリオは、1991年の初代モデルのレシピを踏襲している。2006年のモデルもライバルよりわずかに大きく、審査員からはこのカテゴリーの新しいベンチマークを作ったと評価され、その品質、安全性、快適性、広さが称賛された。
5代目が2019年に発売されたクリオは、今でも欧州で最も人気のある小型ハッチバックの1つとなっている。
2007年:フォードSマックス
このユニークでスポーティかつ広々とした7人乗りのミニバンは、ルックス、家族向けの実用性、動力性能が評価され、オペル/ヴォグゾール・コルサにわずか2点差で勝利した。
フォードの新型Sマックスは、この年の審査員58人中57人の支持を得ている。オプションの18インチホイールによる乗り心地の悪さが指摘されたものの、運転するのが楽しいミニバンであると認められた。これは、4代目モンデオの骨格をベースに作られたことが一因となっている。
日本でもマツダから販売される計画だったが、この時期、フォードとマツダは距離を置くようになったため、実現には至らなかった。マツダMPVと競合することも嫌ったのかもしれない。
とはいえ、初代Sマックスは欧州販売が順調だったため、2015年まで後継が作らなかった。2代目は現在も販売されているが、ミニバン市場が縮小しているため、3代目までバトンを引き継ぐのは難しいかもしれない。
2008年:フィアット500
クラシックに現代的なアレンジを加えることは、常にリスクを孕んでいる。しかし、1957年に登場した500のエッセンスを取り入れながら、現代のコンパクトカーとしての性能と経済性を実現したことで、フィアットの賭けは見事に成功した。
フィアット500はイタリア生まれではあるが、ポーランドで生産されている。2012年に生産台数100万台を達成し、そのわずか5年後には200万台に到達した。その驚異的な販売台数とともに、40以上の賞を獲得している点も見逃せない。
コンバーチブル、EV、アバルトの各モデルが登場し、2016年にフェイスリフトを受けた。また、この年には高級ボートメーカーのリーヴァ(Riva)との思いもよらないコラボレーションが発表され、「フィアット500リーヴァ」というクリエイティブな名前が付けられた。リーヴァの高級ボートのような最高級マホガニーとメープルを使用した限定モデルである。
2009年:オペル/ヴォグゾール・インシグニア
改良直後の7代目フォード・フィエスタをわずか1点差で抑え、オペル/ヴォグゾールが22年ぶりに受賞することになった。インシグニアでは、両ブランドの新しいエンブレムがデビューしたほか、1994年以降のヴォグゾールの特徴的な「V」型フロントマスクが廃止され、真新しいグリルが採用された。
英国では翌年、ヴォグゾールのモデルとして販売面でフォード・モンデオを上回り、BMW 3シリーズにわずかに及ばなかったものの、9番目に売れたクルマとなった。2017年には2代目が発売された。
また、インシグニアはGM帝国のもと、世界各地でさまざまなバッジがつけられている。北米ではビュイック・リーガルとシボレー・ベクトラ、豪州ではホールデン・インシグニアとコモドール、そしてワゴン仕様には全く別の名称が与えられている。
2010年:フォルクスワーゲン・ポロ
5代目となるポロは、1992年の3代目ゴルフに続き、フォルクスワーゲン史上2台目の受賞となった。欧州COTYの審査員からは、「インテリアデザインやドライビングフィールがゴルフに似ている」と評価された。
デュアルクラッチ・トランスミッション(DSG)と、クラスをリードするインテリアが優位性を与え、すべての審査員から点数を獲得したのである。
2014年のフェイスリフトでモダンになったポロは、2017年後半まで販売された。現行の第6世代では、バーチャルコックピットなどフォルクスワーゲン・グループの最新機能をすべて取り入れ、まったく新しい大柄でシャープなデザインに生まれ変わった。
2011年:日産リーフ
初の完全な市販EVとして、リーフはちょっとした物議を醸す。欧州COTYは、素晴らしいクルマだからというよりも、「環境に優しい」ことを理由に賞を授与したと批判されたのだ。時代を先取りしたリーフだったが、航続距離200km(気温と個人の使用状況による)という数値では、実用性への疑問を拭い去ることができなかった。
2010年から2017年まで、バッテリーは小改良を受けたが、外観はそのまま変わらず。2018年から発売された第2世代は、バッテリーや技術がはるかに向上し、約270kmの航続距離を誇っている。
2012年:オペル/ヴォグゾール・アンペラ
日産リーフの使い勝手を懸念したGMは、バッテリー駆動のクルマに内燃機関を組み合わせ、航続距離への不安を払拭した。これにより、最大117km/lの燃費と480kmの航続距離を達成している。
高速走行時にはエンジンが作動するものの、同社は「ハイブリッド」という言葉を使うことを避け、「航続距離を伸ばすガソリンエンジン(レンジエクステンダー)」を搭載したEVと表現。新車購入時の政府補助金を獲得することに成功した。
アンペラは米国ではシボレー・ボルトの名前で呼ばれていた。ボルトは2017年に2代目が作られた後、2019年に生産終了となった。
2013年:フォルクスワーゲン・ゴルフ
ゴルフは過去38年間、どの世代も欧州COTYのトップ3に入っている。2013年も7代目がその流れを汲み、2位のトヨタGT86/スバルBRZの2倍以上の点数を獲得し、逃げ切った。2度の受賞は、2006年のルノー・クリオ以来、2台目となる。
7代目のGTI、GTD、Rモデルは2019年に生産終了となったが、ゴルフGTEはe-ゴルフの成功により若干早めに生産終了となった。完全電動モデルであるe-ゴルフは、同世代の最後の名残として2020年まで生産が継続された。
2014年:プジョー308
電動化の新時代が形作られる中、プジョーは308によって若返りを示し、BMW i3やテスラ・モデルSのような競合を退けた。
新型308は、プジョーにとって4度目、12年ぶりの欧州COTY受賞である。スタイリングを一新し、洗練させたことで、10年以上にわたって劣勢だった主力ハッチバックを、ゴルフなどのライバルと肩を並べるまでに成長させたのだ。
2017年、ボンネット、フロントバンパー、インジケーター、グリルのデザインが新しくなり、顔つきが変わった。最高出力82psの1.2L VTiを搭載するエントリーモデルから、マッサージシートやトルセンリミテッドスリップデフ、19インチ軽量ホイールを誇る最高出力270psのGTIまで、ラインナップは多岐にわたる。新世代の308は、2022年に登場する予定だ。
2015年:フォルクスワーゲン・パサート
1973年の発売以来、パサートはフォルクスワーゲンのベストセラーモデルの1つとして君臨している。8代目が発売された時点で、全世界で累計2200万台が販売されたという。
8代目パサートは、そのパワートレイン、特に最高出力240psのツインターボ2.0 TDCIが高く評価された。最新の7速DSGも採用されている。シトロエンC4カクタスやメルセデス・ベンツCクラスを抑えて1位を獲得した。
パサートの立ち位置はニッチなもので、BMW、アウディ、メルセデスといった高級車と、スコダやヴォグゾールなど大衆車との間にある。何度かスタイリングがアップグレードされ、今でも新車で購入することができる。しかし、フォルクスワーゲン・グループ内では、人気の高い兄弟車スコダ・スペルブとの競争にさらされている。
2016年:オペル/ヴォグゾール・アストラ
アストラは一から再設計され、新しいD2XXプラットフォームを採用。使いやすさ、性能、外観、経済性でライバルを凌駕し、先代モデルから最大200kgの軽量化を実現した。ホイールベースが若干短くなったものの、室内空間を拡大し、居住性を確保。ボルボXC90を僅差で破った。
2019年のフェイスリフトでは、新形状のボンネットとグリル、彫りの深いリアエンドが採用された。9速AT、乗り心地の改善、新しいエンジンの追加など、最新の状態を保ち、フォード・フォーカスやフォルクスワーゲン・ゴルフに挑んでいる。欧州で販売されるアストラのほとんどは、イングランド北西部で製造されている。
2017年:プジョー3008
コンパクトSUVやクロスオーバーの需要が高まったこの時期、プジョー3008の発売は最高のタイミングだった。小径ステアリングホイールの上に計器類を配置する「iコクピット」は、当時としては非常にユニークなレイアウトで、審査員の心をつかむのに大いに貢献した。
この2代目3008は、発売以来、欧州市場のSUV/クロスオーバークラスでベストセラーになっている。そのため、PSAは今後数年のうちに3008を米国に導入することを計画している。
3代目の3008は、2023年後半に欧州市場に投入される予定だ。
2018年:ボルボXC40
ボルボ最小のSUVであるXC40は、新型XC90とXC60で人気を博したスタイル、快適性、気品を、よりコンパクトで扱いやすいサイズにまとめている。
ユニークな安全装備やハイブリッドをはじめとするさまざまなパワートレインを用意する、魅力的で風変わりなパッケージとなり、審査員は2位のセアト・イビザに83点の差をつけてXC40を欧州COTYに選んだ。
ボルボは、2025年までに世界販売の50%をEV、残りをハイブリッド車にすることを目指し、毎年少なくとも1台の新型EVを発売しようとしている。このクルマにも、XC40リチャージP8というEV仕様が用意されている。
2019年:ジャガーIペイス
ジャガー初のEVへの挑戦は、成功だったと言ってよいだろう。2019年の欧州COTYで1位を獲得したIペイスは、テスラ・モデルXやアウディeトロンといったライバル車よりも優れたドライバーズカーであると広く評価されている。クラストップのドライビング・エクスペリエンスとプレミアム感も審査員の支持を得た。
ノルウェーやオランダのようなEVフレンドリーな市場では堅調な売れ行きを見せているが、現在はドイツのライバルとの競争が激しくなってきている。
2020年:プジョー208
2020年、プジョー208は、242点を獲得したテスラ・モデル3や、222点のポルシェ・タイカンに大差をつけてトップに輝き、トロフィーを手に入れた。ルノー・クリオはフォード・プーマを抑えて4位、トヨタ・カローラが6位、BMW 1シリーズが7位となった。
過去、504(1969年)、405(1988年)、307(2002年)も優勝しており、プジョーの優勝回数は合計6回となっている。
プジョーは2020年に20万台弱の208を販売したとされるが、この数字には先代モデルも含まれている。とはいえ、この年は全体的に非常に厳しい年であったため、非常に堅実なスタートであったといえる。
2021年:トヨタ・ヤリス
2021年は、トヨタ・ヤリス(欧州ではハイブリッドのみ)が首位に立った。フィアット500エレクトリック(240点)、クロスオーバーのクプラ・フォーメンター(239点)を退け、266点を獲得している。
この他、フォルクスワーゲンID.3(224点)、スコダ・オクタビア(199点)、ランドローバー・ディフェンダー(164点)、シトロエンC4(143点)が7台の最終候補に残った。ヤリスの受賞は、2000年の初代モデル以来、2度目となる。
ラリーカーをモチーフにした3ドアのGRヤリスも、誰もが気に入るホットハッチとなっているようだ。欧州仕様のGRヤリスは四輪駆動で最高出力260psを発揮し、英AUTOCAR編集部の徹底的なロードテストで最高評価の5つ星を獲得した数少ないクルマである。しかも価格は3万ポンド(約460万円)程度である。トヨタが再び、心を燃やすクルマを作るようになったのは素晴らしいことだ。
2022年:キアEV6
スイス・ジュネーブにあるパレクスポ展示場で行われたセレモニーでは、キアのEV6が2022年の欧州COTYに選ばれた。この展示場では通常ジュネーブ国際モーターショーが開催されるが、同イベントは3年連続の中止が決定している。
EV6は、キアとして初の受賞であり、純粋なバッテリーEVとしては3台目の受賞となった。279点を獲得し、他の6台の候補車との拮抗した競争を制した。2位は265点のルノー・メガーヌEテック・エレクトリック、3位は261点のヒュンダイ・アイオニック5と、上位3台はすべてEVである。
以下、プジョー308(191点)、スコダ・エンヤク(185点)、フォード・マスタング・マッハE(150点)、クプラ・ボーン(144点)の順となった。
欧州COTYを最も多く受賞しているメーカーは?
1:フィアット(11回)
2:フォルクスワーゲン(10回 – NSUとアウディを含む)
3:ルノー(8回)
4:オペル/ヴォグゾール(8回)
5=:プジョー(6回)
5=:フォード(6回)
6:シトロエン(3回)
7:アルファ・ロメオ(3回)
8:オースチン&ローバー(3回)
9:トヨタ(3回)
10:日産(2回)
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